下関市大の異常な運営に対し、適切な是正措置を
経済学部の単科大学である下関市立大学は2021年4月を目途に、特別支援教育特別専攻科の新設を計画しています。しかし、この専攻科の教員採用にあたって、公募、面接、業績縦覧、教授会の投票という学内の正当な手続きを踏まないまま、前田晋太郎下関市長が推薦した特定人物を採用しようとしているため、学内から反対の声が上がっています。
大学を所管する文科省高等教育局大学振興課も今年8月、同大学に対し、「教授会に対する意見聴取を経ずに採用内定とすることについては,貴学の学内規程に則らない手続となっているおそれがある」などの「助言」を行ないました。
木佐木議員は、
①専攻科の新設にあたっての教員人事は、教授会の意見聴取が必要と定めた学校教育法第93条第2項第3号や同大学の定款、教員選考規程など、関連規定に違反している
②公立大学法人の認可権を持つ県は、同大学の理事長、学長、事務局長を、関連法令や規程を守らない「役員の忠実義務違反」として是正指導する責任がある
③県としても同大学に対し、文科省高等教育局大学振興課が行った「助言」に従い、運営の是正を求める必要がある
ことを指摘し、見解を求めました。
また、木佐木議員は、前田市長が下関市の9月議会に提案した同大学の定款変更案についても、
①学長や経済学部長など経営理事に知らせず、経営審議会、教育研究審議会で一度も審議されていない
②文科省に定款変更の手続きについて尋ねたところ「最低でも経営審議会の同意が必要」との見解が示されている
③同大学内の教育研究審議会の審議事項から「教育研究に関する事項」、「教員の人事に関する事項」を削除されており、人事の透明性・公平性を損なう恐れがある
と問題点を明らかにし、見解を求めました。
「違反については文科省、下関市の対応を注視する」
北村総合企画部長は、
①学校教育法の違反については、権限をもつ文科省が判断されるもの
②定款及び学内規程の違反については、地方独立行政法人法第122条第1項において設立団体である下関市に、同条第3項において県に是正措置を求める権限が規定されているが、まずは下関市が判断すべきもの。県としては、文科省及び下関市の対応を注視していく
③文科省の「助言」については、今後の文科省、下関市及び大学の対応を見守ることとしている。
と答弁。
定款変更については、「現時点で許可申請が行われていないので、申請が行われてから、適切に対処する」と述べました。
(2019年9月26日)