「均等割」廃止、公費1兆円投入で国保料の大幅引下げを
木佐木議員は、高すぎる国民健康保険料を引き下げるため、均等割の廃止や公費負担の大幅増を求めました。
国民健康保険は昨年4月から「県単位化」され、市町が納付すべき金額を県が算定し、納めるべき金額にもとづいて市町が国保料を決める仕組みになりました。
木佐木議員は、年収400万円の4人世帯の場合、サラリーマン向けの協会けんぽは20万3000円なのに対し、下関市の国保料は47万2000円と、2倍以上の格差が生じていることを明らかにし、国保料が、協会けんぽと比べて、著しく高くなる大きな要因は、事業主負担がないことに加え、国保にしかない「均等割」という保険料算定が法律で義務付けられているためだと指摘しました。
そのうえで、木佐木議員は、「『人間の頭数』に応じて課税する人頭税は、古代に作られた税制で、人類史上もっとも原始的で過酷な税とされている。それが21世紀のこの日本の公的医療制度に残っている。この時代錯誤の仕組みは即刻、廃止し、所得に応じた保険料にすべきだ」と提案しました。
また、木佐木議員は、日本共産党が、公費1兆円投入で国保料の大幅引き下げはできると提案し、いまでは全国知事会も国に求めていることを紹介。「均等割の見直し、公費負担の大幅増の実現に向け、今後、県としてどのような取り組みを進めていくのか」と質しました。
公費負担増は要望する一方、「均等割」廃止は国任せ
中野健康福祉部長は、「保険料の均等割を含めた算定方式の見直しは、国保制度の根幹に関わることから、国の責任で検討すべき」とのべ、公費負担の増額については「国の定率負担の引き上げなど、財政支援の方策を講じるよう要望しており、引き続き、必要な対応を行う」と述べるにとどまりました。
子ども医療費助成の水準は全国39位、拡充に踏み切れ
木佐木議員は、子育て世帯の経済的負担を軽減するための子ども医療費助成制度の拡充を求めました。
木佐木議員は、山口県の子ども医療費助成制度は、2004年以来据え置かれ、09年には一部負担金導入の改悪も行われた結果、今年度の当初予算に占める同制度の予算の比率は、全国39位と情けない状況になっていることを明らかにし、「山口県の当初予算比は0.11%(7.4億円)。鳥取県は0.3%を投じ、高校卒業まで所得制限なしで助成している。せめてあと0.2%、14億円あれば、中学校卒業まで広げられる」と具体的に提案。「村岡知事は、『子育て応援日本一』をめざすと言ってきたが、財源がないのではなく、やる気がないと言わざるを得ない」と批判し、見解を求めました。
「現行制度を維持することが基本」と冷淡
中野健康福祉部長は、「子ども医療費助成は、単に予算に占める事業費の割合で評価することは適当ではない」と詭弁をろうし、「県制度は、一定の福祉医療の水準を確保することを目的に基準を定めて助成しているもの。きびしい財政状況の中、将来にわたって維持可能な制度とするため、現行制度を維持することが基本だ」と従来の姿勢に固執しました。
(2019年6月20日)