上関原発のための林地開発も工事中止を求めるべき
木佐木議員は、上関原発建設のために中国電力が計画している林地開発について、公有水面埋立と同様に、少なくとも「発電所本体の着工時期の見通し」がつくまで、工事を施工しないよう要請すべきと迫りました。
中国電力は上関原発建設のため、2008年8月、10年間を施工期間に、13万9千平方メートルの山林を造成する林地開発許可を県に申請して許可を受け、一部分で造成工事に着手したものの、公有水面埋立工事と同様に計画は進まず、2011年3月11日の福島原発事故を契機に工事は完全にストップし、今年3月末、期限切れを迎えました。そのため中国電力は3月11日、県に施工工程を10年間延長する変更届を提出し、3月29日、受理されました。
県が定めた林地開発許可に係る要綱(別記)の審査基準の1つに「許可を受けた後、遅滞なく申請に係る開発行為を行うことが明らかであること」をあげています。中国電力が10年の期限内に許可された開発行為を施工できなかった以上、変更届けは受理されるべきではありませせんが、県は、「今回の変更届けは、単なる施工工程の変更なので、審査基準は考慮されない」という理屈で、変更届を受理(許可)しました。
(別記)
■林地開発許可に係る要綱(抜粋)
▽開発行為の許可に当たっては、許可申請書及び添付書類の記載事項が次の要件を満たすか否かにつき審査する
▽審査基準=開発行為の許可に当たっては、許可申請書及び添付書類の記載事項が次の要件を満たすか否かにつき審査する
・次の事項のすべてに該当し、申請に係る開発行為を行うことが確実であること
・第1の(ア)=開発行為に関する計画の内容が具体的であり、許可を受けた後、遅滞なく申請に係る開発行為を行うことが明らかであること
木佐木議員は、「中国電力が行おうとしている林地開発は、公有水面埋立と合わせて、原発建設に不可欠の工事。3年前、公有水面埋立免許の延長を許可した際に知事が、中国電力に対し、『発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは埋立工事に施行しないこと』と要請し、同社が、この要請を受け入れていることを踏まえれば、林地開発についても同様の要請をすべきだ」と見解を求めました。
中国電力の「所有地」をタテに工事中止要請を拒否
河村商工労働部理事は、「公有水面の埋立工事は、本来、広く公共の用に供されている海域で行われるものであるのに対し、林地開発は、中国電力自らが所有権を有する敷地内で行われるものであることから、埋立工事と同様の要請を行うことは考えていない」と消極的な答弁を繰り返しました。
(2019年6月20日)