本会議に上程された10議案のうち、議案第4号に反対し、残りの9議案には賛成します。
反対する議案について、その理由を述べます。
消費不況招く消費税増税を前提とした条例改正には賛成できない
議案第4号は、10月に計画されている消費税及び地方消費税の税率引き上げに伴い、県の使用料手数料条例及び河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例です。
早、7月を迎えようとしていますが、消費税増税に対して、生活や商売への不安が日々高まっています。「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という声は、消費税増税に賛成する人たちの中からも上がるようになっています。
前回の消費税8%への増税を契機に、実質家計消費は年25万円も落ち込み、労働者の実質賃金も年10万円も低下してしまいました。内閣府が発表した景気動向指数が6年2カ月ぶりに「悪化」となるなど、政府自身も景気悪化の可能性を認めざるを得なくなっています。
これまで3回の消費税増税が行われましたが、1989年の3%増税は「バブル経済」のさなかであり、1997年の5%増税も、2014年の8%増税も、政府の景気判断は「回復」でした。それでも、消費税増税は深刻な消費不況を招きました。今回は、景気後退の局面で5兆円に近い大増税を強行しようとしているのです。これほど無謀な増税があるでしょうか。
米中の「貿易戦争」も深刻化しており、IMFやOECDなども世界経済の減速や失速を警告しています。そんな中でも、安倍政権は大増税で家計を痛めつけようとしています。アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナル4月4日付では、「安倍首相は年内に消費税率を引き上げ、景気を悪化させると固く心に決めているように見える」とやゆされるほどです。これほど愚かな経済政策があるでしょうか。
政府は、社会保障でも教育でも、財源と言えば消費税だけです。しかし、過去30年の消費税収は372兆円にもなりますが、同じ時期に法人税は地方分を含めて290兆円、所得税・住民税も267兆円減ってしまいました。「消費税頼み」では、いつまでたっても社会保障も教育も財政も良くなりません。
消費税に頼らずとも、くらしに希望もたらす財源はつくれる
いま求められているのは、家計の負担と不安を軽減する家計応援政策と、格差と貧困を是正する政策です。消費税に頼らずとも、明日への希望が持てる社会にするための財源を生み出すことはできます。
第1に、大企業に中小企業並みの負担を求めれば4兆円の財源がつくれます。
中小企業の法人税負担率は18%ですが、大企業は10%しか負担していません。研究開発減税などもっぱら大企業だけが利用できる優遇税制があるためです。
第2に、所得が1億円を超えると、所得税の負担率が逆に下がってしまいます。多額の金融所得がある富裕層に有利な証券税制の是正と最高税率の引き上げで3.1兆円の財源になります。
第3に、日米安保条約上は負担する必要のない「思いやり予算」や辺野古の海を埋め立ててつくる米軍基地の建設費など、国民の税金を使う必要のない予算を廃止して0.4兆円の財源がつくれます。
先の国会でわが党の小池晃書紀局長が、こうした提案をしたところ、安倍首相は「全くばかげたこれは政策なんだろうと、こう言わざるを得ない。間違った政策だと思いますよ」と色をなして、答弁されました。
大企業にも、富裕層にも応分の負担を求める真っ当な提案を「バカげた、間違った政策」と撥ねつける安倍首相の答弁ぶりは、現政権の「大企業、富裕層の擁護者」の本質を見事に露呈させるものです。
政権与党の中からも動揺が生まれています。自民党の萩生田光一幹事長代行は、7月1日に発表される「日銀短観」が示す景況感次第で「増税の延期もありうる」と述べました。7月以降でも、消費税増税の中止は可能なことを政権与党の幹部も認めているのです。
ほんらい税のあり方を決めるのは主権者国民です。
「10月からの10%への増税は中止せよ」の一点で大同団結し、参議院選挙で「増税ストップ」の審判を下し、増税をやめさせるため、全力をあげる決意です。
よって消費税増税を前提にした本議案には反対します。
(2019年6月28日)