■2020年11月議会一般質問■木佐木大助議員_6

トビイロウンカの被害農家に減収補てん策を

 木佐木議員は、県西部を中心に広がっているトビイロウンカの稲作被害に伴う農家への損失補てんを実施するよう求めました。

 トビイロウンカの発生面積は、県内の作付面積約2万㌶の9割を超える1万8578㌶に及んでいます。農水省が10月30日に発表した県内のコメ作況指数は全国最低の73で、1958年以降で最悪。とくに下関、美祢、山口市などを含む「西部」は67となっています。

 県農業共済組合に申請された被害面積は11月1日現在で2816.4㌶に達しており、資料2(下)のように、被害面積の収量が前年比6割と想定して試算すると、損害額は約12億円余に及びます。

 このため、美祢市は全ての水稲農家を対象に10㌃当たり2500円の給付金支給を決め、11月議会に提出する補正予算に4500万円計上し、下関市、山口市も同様の支援策を検討しています。

 木佐木議員は、県が今補正予算に「やまぐち米次年度生産応援事業」として約1億円を計上したことは評価した上で、「先の議会で私が損失補てんを求めたのに対し県は、農業者の9割が農業共済等に加入していることをあげ、『セーフティーネットが機能しているから、独自の減収補填策を検討することは考えていない』と答弁したが、資料2のように、『一筆7割補償』の場合、収量が6割に留まっても共済金は1割部分しか出ない。これが「セーフティーネット」に値していると県は認識しているのか。農業者に営農意欲を持ち続けてもらうためにも独自の減収補てん策は不可欠。英断を求める」と迫りました。

「セーフティネットは機能しており、補てん策は考えない」

 松岡正憲農林水産部長は、「農業共済における補償割合は、 5割から9割の中から、選択することとなっており、農業者が、経営判断により、必要とされる補償割合等を選択の上、加入されているものと考えている。県としては、収入保険も合わせて、県内の9割を超える農業者が農業保険制度に加入されていること等から、セーフテイーネットは機能していると認識している」と言い放ち、
独自の減収補填策については、「県としては、農業者に営農意欲を持ち続けていただくため、このたびの補正予算により、種子代を助成し、次年度の水稲作付を後押しすることに加え、被害軽減に向けた技術対策の強化や地域ごとに設置する相談窓口を通じた指導・助言等を行うこととしており、独自の減収補填策は考えていない」と冷たく拒否しました。

「市は独自支援の乗り出した。せめて市並みの支援を」

 木佐木議員は、「今回のトビイロウンカ被害で大きな影響を受けた水稲農家に対する支援は、私が知る限りではこの11月議会、美祢市のほか山口市は4, 500万円、下関市は3, 200万円、さらに長門市も3, 960万円を補正予算に計上しています。いずれも10アールあたり1, OOO円から3, OOO円の補助を行うスキームです。同じ仕組みで山口県で被害が発生した約18, OOOヘクタールを対象に10アールあたり2, 5OO円の支給を行うのに必要な額は約4億5, OOO万円。せめて、この程度の支援ができないのか」と改めて迫りました。

減収補てん策は頑なに拒否

 松岡農林水産部長は、「県では、このたびの補正予算による種子代助成に加え、被害軽減に向けた技術対策の強化や相談窓口を通じた指導・助言など各種支援措置を講じることとしており、こうした支援について、市町・JAと連携して取り組むこととしている」と減収補てんを改めて拒否しました。

(2020年12月3日)

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