上関大橋の損傷事故の原因究明急ぎ、早期復旧を
藤本議員は、11月14日夜、橋脚の接続部分に段差が生じ、今も片側交互通行の規制が続いている上関大橋の早期復旧を求めました。
上関町役場などがある長島と本州側とを唯一結んでいる県道光上関線の上関大橋は、11月14日夜、橋の接続部分におよそ20センチの段差ができているのが分かり、一時、緊急車両を除いて通行止めになり、その後も片側交互通行の規制が続いています。
藤本議員は、
①11月24日に国や県などが開いた「上関大橋復旧検討会議」で、段差の原因がどう話し合われ、今後の対応についてどのような協議が行われたのか。
②山口県橋梁長寿命化計画に基づいて、上関大橋は、いつ調査され、健全度評価はどのような区分だったのか。
③上関大橋の災害を受けて、橋梁長寿命化計画の見直しが必要ではないか。
④今回の事態を受け、同種の橋梁の再点検が必要ではないか。
⑤上関大橋では、近年、大規模な補強が行われています。その時期と理由には何か。
⑥大規模補強が行われたにも関わらず、なぜ今回の災害は発生したのか。
と質しました。
「上関大橋は健全度の評価が2番目に高い段階」、原因究明を急ぐ
阿部雅昭土木建築部長は、
①先月24日に開催した第1回検討会議では、原因究明に向けた調査方法、橋全体の構造解析の方法、今後の検討会議の進め方等を議論した。
②(長寿命計画に基づく)点検は、直近では2017年度に実施しており、その評価は4段階のうち、健全度の評価が2番目に高い「予防保全段階」 となっていた。
③橋梁長寿命化計画の見直しについては、現在、損傷原因の究明を行っているところであり、直ちに橋梁長寿命化計画を見直す考えはない。
④同種の橋梁の再点検については、検討会議の助言を踏まえ、適切に対応する。
⑤県では、緊急輸送道路や離島に架かる橋梁等について、順次、補修及び補強を実施しているところであり、上関大橋では、耐震化などを図るため、2006年度から2012年度まで、工事を実施した。
⑥大規模補強が行われたにも関わらず、なぜ今回の災害は発生したのかについては、県では、現在、損傷原因の究明に向けた調査を行っているところであり、引き続き、検討会議での議論を踏まえ、発生原因を究明していく。
と答弁しました。
離島架橋である上関大橋の「補修計画」がなかったことは重大だ
藤本議員は、県の橋梁長寿命化計画に「(上関大橋を含む)離島架橋及び500m以上の橋梁16橋については『個別に補修計画を作成』」すると書かれていることを指摘し、「個別計画をたてられているのは何橋あるか」と再質問したのに対し、阿部土木建築部長は、個別に補修計画を策定する対象となる16橋のうち、「5橋の補修計画を策定している」と述べる一方、「上関大橋は、…橋長が220m、長大橋に至っていないので、現時点では補修計画は策定していない」と事実誤認の答弁。
このため藤本議員は、「(離島架橋である)上関大橋の改修計画がなかったことは極めて重大だ。特に離島架橋は海水による塩害が多い橋。上関大橋を含む補修計画のない橋については、補修計画を立てるべきだ」と改めて迫りました。
「(上関大橋含む)11橋の計画策定は今後、検討する」
阿部土木建築部長は、「残りの11橋については、策定するということは今後、検討して行こうと思っている」と答えました。
(2020年12月2日)