米軍に新型コロナ感染者の情報公開の徹底を求めよ
藤本議員は、米軍岩国基地の米兵・軍属とその家族の新型コロナウイルスに係る情報公開を徹底するよう求めました。
山口県を含む渉外知事会は5月27日、政府に対し「新型コロナウイルス感染症に係る感染者情報の取扱い等に関する緊急要請」を行い、①米側に米兵、軍属とその家族に関する感染者情報の開示を働きかけること、②国の責任において情報収集を行い、公開すること、を求めました。
藤本議員は、4月臨時議会での質疑で、総務部理事が「米軍岩国基地とは、これまでの情報交換を通じて、感染者が発生した場合には公開するということを確認している」と答えたことを踏まえ、その後の状況を質しました。
「米側とは感染者情報の公開を確認している」
藤田総務部理事は、「4月の臨時議会以降、(米側の)方針に変更はないと承知している。従って、改めて情報公開を求める考えはない」と答えました。
PCR検査の体制や結果についても公表を
藤本議員は、艦載機部隊の移駐完了後、1万人前後に増加している岩国基地所属の米兵・軍属とその家族のPCR検査の件数とその結果は一切、明らかにされていないことを指摘。検査体制やその結果について公表を求めるよう質しました。
検査は県内外の機関や横須賀市の海軍で実施
藤田総務部理事は、「PCR検査は、県内外の検査機関や横須賀市にある海軍病院で実施されていると承知している」と述べ、「検査結果で陽性となった場合は、県に通報され、基地から公表されることになっているが、陰性の場合は、県としては米軍人等に限らず個別の情報は公表しないことにしており、米軍に公表を求める考えはない」と答えました。
《解説》岩国基地の公式フェイスブックには、岩国基地所属の米兵・軍属が感染を疑われた場合の対処方針が示されています。
1、新型コロナウイルスに感染したと診断されるには、まず検査を受ける必要があります。
いくつかの条件に基づいて該当者は検査されますが、その第一歩は風邪のような症状を自覚していること、そして海軍診療所(BHC)へ連絡をすること(いきなり行かないこと)です。命にかかわるような緊急事態であれば救急センターに行くことになります。検体は米軍パイロットにより横須賀の海軍病院に運ばれます。結果がわかるまでに平均でおよそ2日かかります。
2、症状のある該当者は検査結果を待つ間、隔離された環境に置かれます。隔離先は状況に応じて、すでに部屋の受け入れ準備が整っている単身者用兵舎、あるいはそれぞれの自宅になります。
3、予防医療の担当官が接触者履歴について調査を始めます。(以上)
《補足》県に確認したところ、基地外に居住する米兵・軍属の家族については、その住所地の帰国者・接触者相談センターに相談し、必要な場合はPCR検査を実施することになります。こういうケースがあったのか、どうかは公表していません。
(2020年7月1日)