岩国基地への成績の悪いパイロット配属、薬物使用の野放しに抗議し、地位協定改定を
2018年12月に発生した米軍岩国基地所属機の接触墜落事故に関する再調査結果では、①米国内で基礎訓練を終えて各基地に配属されたFA18のパイロットのNSS(標準スコア)の平均は、米国本土のミラマー基地201.8、ビフォード基地193.7に対し、岩国基地は169.2と低く、偏った配置がなされてきた。この偏った配置は2008年3月から続いてきた、②パイロットが睡眠導入剤アンビエンを使用してきたことを追認した上で、事故原因とは言えない、としていることが明らかになりました。
木佐木県議は、①岩国基地は飛行成績の低いパイロットの掃きだめにされていたことは明らか。しかし、同報告書は意図したものではないと、その原因には踏み込んでいない。日米両政府に原因究明を求め、厳重に抗議すべきだ、②日本の航空法のガイドラインは、睡眠薬は服用後24時間は操縦禁止と固く禁じている。米軍パイロットの薬物使用を事実上、野放しにしている日米地位協定と航空特例法の抜本改定を求めるべきだ、と迫りました。
人員配置の改善は約束され、抗議せず。薬物使用は国内法の適用を要望
藤田昭弘総務部理事は、①人員配置については、国から、現在海兵隊では、航空要員及び整備要員の配置に関し人員配置方針を変更することとしており、初回勤務者については最も能力の高い者を配置するなど、岩国基地においても、適正な人員配置になるものと考えているとの説明を受けている。このため、県としては、改めて原因究明を求めたり抗議を行う考えはない、②再調査報告書においては、薬剤使用の承認の権限等が不明確であったことを踏まえ、既に取り組んでいる再発防止策として、薬剤に関する指針等を更新することなどが挙げられている。また、これまでも日米地位協定を改定し、米軍の活動に国内法を適用するよう、毎年度、渉外知事会において日米両政府へ要望しているところであり、県としては、引き続き、関係都道府県と連携して働きかけていく、と答えました。
(2020年9月24日)