■2021年6月議会一般質問■木佐木大助議員_8

米軍岩国基地への空軍の展開を容認するな

 木佐木大助議員 

 3月12日から4月5日にかけ、ハワイ・ヒッカム基地所属の米空軍F22ラプター6機と整備部隊が岩国基地に駐留し、同基地所属機と共同訓練を行った。

 期間中3月のW値75以上の騒音測定回数は岩国市尾津で1746回と艦載機移駐後、最高を記録するなど市民生活にも多大な影響を及ぼした。

 今回の訓練の目的は、基地報道部によると、軍の属性を超えた統合軍として管轄地域内へ迅速に移動展開し、どのような不測の事態にも対処できることを確実にするという説明であり、今後も繰り返されるおそれがある。

 ①岩国基地への空軍部隊の展開で、住民の生活環境に重大な影響を及ぼすことを容認されるのか。

外来機等の訓練は県の判断外、危険を及ぼす訓練は行われてはならない

 藤田昭弘総務部理事 

 ①F-22などの外来機の一時的な飛来やこれに伴う訓練の実施については、基本的に県が容認する・しないの判断をするものではありませんが、基地周辺地域に激しい騒音をもたらす訓練や、住民に不安や危険を及ぼすような訓練は行われてはならないと考えています。

「機能強化」の物差しを爆音被害の増減に矮小化するな

 《再質問》木佐木大助議員 

 空軍の展開を許せば否応なく、今年3月から1ケ月に亘った空軍機による訓練による爆音被害が繰り返されます。

 今月24日には、米陸軍のヘリコプター4機が、岩国基地に陸揚げされました。神奈川県にある在日米陸軍司令部は、陸上自衛隊との実動訓練を支援するためだとしています。

 米軍や防衛省のやり口を黙認し続ければ、近い将来、岩国基地は、海兵隊、海軍、空軍、陸軍、アメリカ4軍の拠点基地化される恐れがあります。

 その根底には、基地機能強化の物差しを住民生活への影響、爆音被害の増減に倭小化してきたこれまでの山口県の基地政策にあると言っても過言ではありません。アメリカの軍事戦略が大きく変わった今、この基地機能強化の物差しを変えるべきだと思います。答弁を求めます。

「軍事機能の強化」は県で判断不能。判断基準は「生活環境への影響」を堅持

 藤田昭弘総務部理事 

 (空軍部隊の展開を)決して黙認しているわけではございません。基地機能の変更があった場合については、国と地方自治体が有する権限・役割・知見を踏まえ、県と地元市町はこれまで一貫として、基地周辺住民の生活環境が悪化するかどうかということで判断をしてまいりました。

 「基地機能の強化」という表現は、県としてこれを判断することができない軍事機能の強化ということに誤解される可能性があるので、2017年9月以降にその表現を用いず、判断基準であった騒音や安全性等の面で基地周辺住民の生活環境が悪化することは認められないという基本姿勢に表現を改めております。今後も基地機能の変更があった場合には、この基本姿勢を堅持して対応してまいりたいと考えています。

空軍の展開は「これ以上の負担増は認められない」に反するものだ

 木佐木大助議員 

 ②「これ以上の負担増は認められない」とした基本スタンスに反するものではないか。

「米軍再編」と関係ない一時的な飛来等は別問題

 藤田昭弘総務部理事 

 ②米軍再編問題に対する基本スタンスは、日米ロードマップに示された再編案を超えた、新たな部隊の配置を想定していたものです。

 今回のような再編と関係のない一時的な外来機の飛来や部隊の展開とは、全く別の問題です。

空軍部隊の展開は一時的でも断固拒否すべき

 木佐木大助議員 

 ③政府に対し、抗議するとともに、岩国基地への空軍部隊の展開は一時的なものでも断固拒否すべきではないか。

問題があれば必要な対応を求める

 藤田昭弘総務部理事 

 ③3月から4月にかけて、F-22の飛来などに伴い、訓練が全体として活発化し、基地周辺地域の騒音が増加したことから、県では、地元市町と連携して、5月のFCLP及びCQに関する国と基地への要請の際に、住民の懸念を伝え、騒音の軽減に努めるよう求めたところです。

 また、6月の政府要望の際にも知事から防衛大臣等に対し、飛行運用に係る騒音軽減措置の実施や住民生活への影響が大きい訓練の事前通知などを改めて強く要望したところです。

 県としては、今後とも、地元市町と連携し、米軍の運用などについて状況把握に努め、問題があれば、国や米側に対し、必要な対応を求めてまいります。

米軍の「新戦略」の影響は全国に、渉外知事会も要望を

 《再質問》木佐木大助議員 

 軍の属性を超えた統合軍として機動展開するという米軍の新戦略で影響を受けるのは岩国基地だけではありません。

 渉外知事会の構成団体全てにとって大問題です。渉外知事会として、対応を検討し、共通する課題について要望すべきです。

訓練変更等が想定されるなら、しっかりと要請

 藤田昭弘総務部理事 

 渉外知事会では、様々な、各都道府県共通する課題について議論をし、国、米側に要請をしておりますが、米軍戦略などによって、もし訓練などに変更がある場合は、様々な協議をして、そういう事態が想定されるのであれば、関係都道府県と共有するものについては、しっかりと要請してまいりたいと考えています。

(2021年6月29日)

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