◎イラク攻撃は対岸の火事ではない

 新年早々、物騒な出来事が相次いでいます。仕出かしているのは安倍首相の親分・トランプ大統領です▼米軍がトランプ米大統領の指示によって1月3日、イラクのバグダッド空港でイラン革命防衛隊の司令官を空爆で殺害するという「テロ攻撃」に出たのです▼この暴挙は、トランプ政権のエスパー国防長官が「先制攻撃」と称したように、国連憲章に違反していることは明らかです。ところが、安倍首相は、6日の会見でも誰が今回の緊張をつくったのか、問題の根源はどこにあるのかについての言及は避けています▼今回の事態を招いた原因がどこにあるかは明瞭です。トランプ政権がイランとの核合意から一方的に離脱し、同国への経済制裁と軍事圧力を強めたことにあります▼イランは8日未明(現地時間)、隣国イラク国内の米軍基地2カ所に10数発のミサイルを撃ち込む報復攻撃しましたが、こうした経緯は山口県にとって、対岸の火事ではありません▼もし、米軍が北朝鮮の指導的幹部を攻撃すれば、北朝鮮がイランと同様に、近接する米軍基地に報復攻撃する事態がありえるのです。その標的の一つが岩国基地となる可能性はゼロではありません▼「紛争はあくまで外交手段で解決せよ」―この鉄則をトランプ大統領に進言することこそ、憲法9条を持つ「日本ならでは外交」に他なりません。

(2020年1月8日記)

タイトルとURLをコピーしました