●2021年度県予算の特徴と問題点_3(解説)

ーコロナ封じ込めの戦略をー

感染は高いレベル 大規模な検査が急務

 【解説】新型コロナ感染症の第3波の感染拡大はようやくピークを超え、1都と3県に発令されていた緊急事態宣言も3月21日、解除されましたが予断を許しません。

 中国5県の陽性者と死亡者、PCR検査の状況は左表の通りです(3月18日現時点)。

陽性率は鳥取の約3倍

 県内の陽性者は1393人(人口10万人当たり102人、以下同)。中国5県で最も陽性者が多いのは広島県で5066人(同179人)、最も少ないのは鳥取県の210人(同37人)です。県内の人口比での陽性者は鳥取県の2・8倍に上っています。

死亡率も高いレベル

 また、県内の陽性者のうち死亡された方は43人(同3・1人)で、103人(3・6人)の広島県と同レベルです。島根県はゼロ、鳥取県は2人(0・4人)、岡山県は35人(同1・8人)に留まっています。

 県内の死亡率が高いことについて県は「死亡者の平均年齢は85歳と高齢で基礎疾患をもっている方も多い。医療・高齢者施設で大規模なクラスターが発生したことも要因ではないか」と説明しています。

 実際、左表のように、県内で確認された18件のクラスターでは660人の陽性者が発生していますが、そのうち429人(65%)は医療・高齢者施設が占めています。

PCRも鳥取がトップ

 一方、県内のPCR検査の実施状況は、約6万3千件(人口千人当たり46件、以下同)です。人口当たりで最も多いのは鳥取県で約4万3千件(同78件)。人口比では山口県の1・7倍に上っています。

 中国5県では、最も広くPCR検査に取り組んできた鳥取県が、感染拡大も死亡者も抑え込んでいるという傾向が見て取れます。

国も大規模検査を要請

 日本共産党県議団は、早くから医療・高齢者施設等での社会的検査、感染急増地での面的検査の実施を求めてきました。政府もようやく3月5日に改定した基本的対処方針に、高齢者施設に対する社会的検査とともに、「再度の感染拡大の予兆や感染源を早期に探知するため、幅広いPCR検査等やデータ分析を実施する」と明記しました。

感染封じ込めの戦略を

 2月県議会で、県も5施設、約150人を対象に社会的検査を実施し、変異株については全件検査している(2月17日以降)ことを明らかにしましたが、まだ小規模です。コロナ感染を封じ込めるための大規模検査の戦略をもって、実行することが急務です。
(この項、終)

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