事業効果も低く、ムダ使いの下北道路は中止せよ
木佐木議員は、県が重要課題の一つと位置づけ、早期実現を政府に繰り返し要望している下関北九州道路について、本当に必要な道路なのか、再検証が必要だと提起。
①県は必要性の1つに「迅速かつ円滑な物流や交流人口の拡大」を上げているが、「迅速かつ円滑な物流」に不可欠な高速道路網へのアクセス道路については、今年6月議会でも「現時点では、整備方針が決まっておらず、お答えできる状況にない」と答弁している。その後、進展はあるのか。
②県は「交流人口の拡大」というが、2014年1月に実施された下関北九州道路住民アンケートでは、下関市と北九州市を「月2~3回」以上の頻度で移動する割合は、下関市民は35%に対し、北九州市民は13.7%と大きく乖離している。買い物を目的に移動する割合は、下関市民は62.7%に対し、北九州市民は22%と3倍の格差がある。新たな道路建設は、下関市から北九州市への「ストロー効果」を招き、下関地域の衰退を加速させる懸念は持たないのか。
③県は「大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路ネットワーク」をあげているが、大雨や台風など「異常気象時」でも機能する信頼性は担保されるのか。
④下関北九州道路を含む海峡横断プロジェクトは2008年3月、国の財政難を理由に当時の国交相が「個別的な調査研究はもうやめる」、「お金は出さない」と明言した。国・県とも財政状況は当時より悪化しており、道路本体やアクセス道路を含めれば、2000億円以上かかる道路は、直ちに中止して、災害防止対策を優先すべき。
必要性を論証できないまま、建設促進に固執
森若土木建築部長は、
①アクセス道路は現時点で、整備方針は決まっていない。
■解説■「迅速かつ円滑な物流」の効果を発揮できる目処はない。
②道路の整備で地域間の連携や日常的な交流を促進し、下関地域を含めた関門地域のさらなる発展に繋がる。
■解説■下関地域の発展に繋がる、とは言えない
③大規模災害時における代替性を確保し、信頼性の高い道路ネットワークを構築するには、下関北九州道路が必要だ。
■解説■大規模災害時に関門橋が通行止めになれば、下関北九州道路も通行止めになる可能性大
④災害防止対策も、下関北九州道路も必要な事業。下関北九州道路を中止する考えはない。
■解説■財源は限られており、下関北九州道路をつくれば、災害防止予算への影響は避けられない
(2019年12月5日)