大学自治をこわす下関市大の定款変更の認可は不当
木佐木議員は、県は、設置者である下関市が10月4日、申請していた公立大学法人下関市立大学の定款変更を11月22日に認可した問題を取り上げ、「国が定めている審査基準に照らせば、不認可となるのが当然だ」と厳しく批判しました。
定款変更案の問題点は、第1に、教学の最高審議機関である教育研究審議会から「教育研究に関わる重要規程の改廃権」、「教員の人事権」、「教員の懲戒権」を取り上げることです。
第2は、大学教職員のみならず、経営理事にさえ、一度も相談されることなく、前田晋太郎市長が一方的に決定したことです。
木佐木議員は、国が定款変更の審査基準として、①「定款の変更を行う相当の理由が認められるか」、②定款変更が「大学における教育研究の特性に配慮したものとなっているか」をあげていることを明らかにし、「審査基準と、今回の定款変更案がもつ問題点を照らし合わせれば、不認可となるのが当然だ。どのような審査を行い、何を根拠に認可したのか」と厳しく質しました。
また、木佐木議員は、公立大学の定款変更について文科省が「一般に定款変更は経営審議会で審議されるもの」という見解を示し、現に山口県立大学の定款変更の際には、教育研究評議会で2回、経営審議会で1回の審議を経て、県と合意し、定款変更がされた例があることも明らかにし、「下関市による定款変更は『ルールを適用される人』が、『ルールの決定から排除される』という前近代・中世の『専制支配』を想起させる異様なもの。現場で働く教員の自主性・主体性を毀損し、ひいては教育研究の衰退を招くことは明らかだ」と警鐘乱打し、下関市に定款変更の再考など、適切な指導・助言を行うべきだと迫りました。
下関市の主張を鵜呑みに「基準を満たしている」と強弁
北村総合企画部長は、国に準じて県が定めている基準を満たしているか審査を行った結果、①定款を変更する理由が明確、②内容も教育研究の特性に配慮したものとなっている、ことから基準等を満たしていると判断し、許可した。また、定款変更の許可にあたっては、経営審議会の審議は必要とされておらず、適正な手続きを経たものであるから、改めて助言等を行う必要はない、などと強弁しました。
木佐木議員は、「県の対応は許認可権者の職責を放棄したもの。教育研究審議会から意思決定権を奪うことは、大学自治への不当な介入であり、学問の自由を蹂躙するもの」と厳しく批判しました。
(2019年12月5日)