県有施設の安易な譲渡や廃止は再考を
藤本議員は、県が財源不足の解消策として実行中の行財政構造改革の1つとして打ち出した県有施設の見直し方針について、村岡知事は9月議会で「来年2月を目処に、一定の見直しの方向性を整理したい」と答弁していたことを指摘。10月28日の定例会見では、「2月の段階で全て同じレベルで揃うということではない。その段階で決まっていれば、それは書く」としながら、その段階で決まっていない場合は「見直しをどのような形で進めるか」という整理になる、などと述べたことをあげ、「現時点で地元自治体とどのような協議が行われ、2月時点で、どのような整理をしようとしているのか」と質しました。
対応方針を事実上、見直し
平屋総務部長は、「現時点で市町との協議内容を示せる段階ではない。見直しの方向性については、来年2月に最終的な結論を出すというものではなく、2月時点における市町との協議状況を踏まえ、その後の検討の進め方なども含めて、一定の整理をする」と答え、事実上、対応方針を変えたことを明らかにしました。
芸術村の重要性・貴重性を評価し、県有として存続を
藤本議員はまた、見直しの対象とされた12施設(下記)のうち、地元・美祢市や文化・芸術団体などから存続を求める要請が相次いでいる「秋吉台国際芸術村」の現地視察を行ったことを踏まえて、同施設の重要性・貴重性3点(下記)に渡って示し、県の認識を質すとともに、県管理施設として存続するよう求めました。
①国内でアーティスト・イン・レジデンス事業を行っている51施設の中で、同施設が果たしている役割
②県内の青少年音楽サークルなど音楽関係活動の活動拠点としての役割
③建築界のノーベル賞に位置づけられるプリツカー賞を受賞した磯崎新氏が設計した建築物
正司観光スポーツ部長は、①アーティスト・イン・レジデンス事業に占める同施設の役割を評価できる立場でない。芸術村は、その事業を行う1つ、②音楽関係者が宿泊しながら活動することが可能な施設の1つとであると評価している、③世界的に高名な磯崎氏が手掛けた建築物の1つと認識している、などの認識を示し、「芸術村については、現在、見直しの方向性を検討中であり、現時点において、管理のあり方を示せる段階ではない」と答えました。
(2019年12月4日)