教員への「変形労働時間制」導入には高いハードルがある
藤本議員は、安倍政権が昨年12月4日、強行可決させた「改正教育職員給与特別措置法」にもとづく、公立学校の教員への「1年単位の変形労働時間制」導入問題をとりあげ、導入には「労働時間の縮減」と「勤務時間の正確な把握」が前提であることを明らかにし、県教育委員会の見解を質しました。
「1年単位の変形労働時間制」は、学校業務の繁忙期には1日10時間労働を可能にし、8月などの長期休暇中に休暇を取得させようとするもの。この間の国会論戦で、①時間外業務時間は月45時間、年360時間を上限(「改正給特法の施行にあわせて国が定めた指針」に明記)とすること、②勤務時間を正確に把握すること、の2つのハードルをクリアしない限り、導入できないことが明らかになっています。
藤本議員は、県教委が2017年度から3カ年で教員の時間外業務時間を30%削減することを目標に取り組んできた「学校における働き方改革加速化プラン」の進捗状況を質すとともに、①時間外業務時が月35時間、年360時間の範囲内の教員、②教員の勤務時間を正確に把握し、全員が国の「指針」の範囲内と確認される、③タイムカードなど教員の勤務時間を客観的に把握する仕組みが整備されている、の3点が制度導入の前提だと指摘し、見解を質しました。
時間外業務時間の30%削減目標は達成困難
副教育長は、時間外業務時間の30%削減に向けた取り組みの進捗について、「2017年度に比べて、今年1月現在では、小学校は0.7%増、中学校は4.9%減、県立学校は10.6%減と、現時点では目標達成に向けて厳しい状況にある」と認めました(資料下)。
変形労働時間制の導入や、その3点の前提条件については、「法の施行が2021年4月となっており、引き続き国の動向を注視していく」と見解は示さず、客観的な勤務時間の把握については、「県立学校では、ICカードを使った把握は行っている」が一方で、「市町立小中学校においては、ICカード等の導入をしていない学校も一部ある」と明らかにしました。
(2020年3月6日)