⬛2020年2月議会報告:反対討論:木佐木大助議員_2

暮らし、教育充実の財源はある

 議案第49号は、今年度補正予算案です。

 総額は約222億円を減額するものですが、総額約140億円の国の補正予算関連事業として防災・減災対策、農林水産業の成長産業化等の取り組みが盛り込まれていることは評価します。

 一方、ソサエティ5.0時代を担う人材投資として、小中高校への校内ネットワーク整備や小中学生への1人1台のPC端末整備などに約34億円が計上されていますが、優先順位が違います。急ぐべきは教員の長時間にわたる時間外業務時間の是正であり、そのための標準法の改正による定員増です。

 また、補正予算案では、民生費が36億5500万円減額補正されています。一例をあげれば、福祉医療費助成制度は1億円、介護保険対策費は6億5000万円、一般財源が削減されています。乱暴な言い方かもしれませんが、この財源があれば、子ども医療費助成制度を小学校卒業まで拡充できる金額です。

 こうした理由で、反対します。

教員の時間外業務時間は月35時間、年360時間以下に

 議案第38号、学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正には反対しませんが、意見を述べます。

 この条例改正は、教育に携わる職員の業務量の適切な管理など健康及び福祉の確保を図るための措置を定めるものです。教職員の長時間過密労働は社会問題にもなっています。時間外業務時間は、最低でも月45時間、年360時間以下とし、これを厳守するための定員増と業務量の大幅な削減をすすめられるよう強く要望します。

法定外繰入増やし、国民健康保険料引下げに

 議案第14号及び62号は、国民健康保険特別会計に係る新年度と今年度補正予算案です。

 同特別会計について、全国知事会、全国市長会などの地方団体は、「被用者保険との格差を縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要」と主張しています。国庫負担率の抜本的な引上げは、わが党とも共通する要望です。同時に山口県が住民の負担を軽減する立場から財政支援を行うことも必要です。

 こうした観点に立って、全国の少なくない都道府県が国保会計への法定外繰入を実施してきました。2017年度の時点では、東京都と神奈川県、佐賀県、鹿児島県、沖縄県が1人当たり1万円を超える法定外繰入を行っています。

 一方、山口県は福祉医療制度に係る国のペナルティー(交付金削減)分の2分の1を交付しているだけです。

 国に対して国庫負担の抜本的な引き上げと、子どもに対する均等割廃止を求めるとともに、山口県としても高すぎる保険料を引き下げるための法定外繰入に踏み切るべきです。

 こうした取り組みを欠いた国保運営方針にもとづく国民健康保険特別会計予算には賛同できません。

石炭火力発電所の新設に加担する事業は中止を

 議案第16号及び64号は、工業用水道事業会計の新年度と今年度補正予算案です。

 工業用水道事業は、過大投資で大きな損失を生じさせた苦い過去を教訓にして、適切な需要見込を前提とした経営が求められます。

 昨年も指摘しましたが、わが党は、想定事業費26億円にのぼる宇部・山陽小野田地区の供給体制再構築事業に大きな疑問をもっています。これまでも指摘しましたが、同事業は、宇部興産などが計画した石炭火力発電所新設計画が含まれています。

同計画は、昨年4月、取り下げられましたが、宇部興産とJパワーは、60万kWにスケールダウンした石炭火力発電所の新設を計画しています。

 世界的規模で進む温室効果ガス削減に逆行する石炭火力発電所の新設など時代錯誤にほかならず、その計画を前提にした工業用水道供給体制再構築事業はキッパリと断念すべきです。

(2020年3月12日)

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