中国電力本社に上関原発計画の撤回求める
日本共産党県委員会と県議団は5月24日、中国電力本社(広島市)を訪れ、「上関原発建設に係る要請書」を提出しました。
これには木佐木大助、藤本一規両県議、大平喜信前衆議院議員、吉田達彦県議団事務局長らが参加しました。
要請書では、①7月6日に期限切れを迎える上関原発建設のための公有水面埋立免許の延長申請は行わないこと、②上関原発建設に向けた原子炉設置に向けた許可手続きの進捗状況を明らかにするとともに、新設計画は撤回すること、の2点を求めました。
中国電力地域共創本部エネルギー広報グループの森安勝マネージャーが応対。
①については、「国の第5次エネルギー基本計画では、原発は引き続きベースロード電源と位置づけられ、温室効果ガス削減や既設の火力発電所などが老朽化していることなどから、安全確保を前提にした上で、上関原発は必要であり、埋立免許の延長申請をする方向で検討している」。
②については、「2016年に村岡知事から示された『発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないこと』との要請を真摯に受けとめ、埋立工事は施行していない。2009年12月に国に提出した原子炉設置許可申請の審査は中断しているが、現在、新たな規制基準に適合した許可申請を行うための検討をすすめている」などと答えました。
これに対し、参加者は「中国電力の2019年度の供給計画においても、上関原発の着工時期は未定と記載されている。着工時期が未定のままの延長申請は道理がない」と厳しく批判しました。
また、山口県と中国電力の両者が埋立免許延長を正当化する根拠として「重要電源開発地点に指定されている」ことをあげている点を取り上げ、「『需要対策上必要である』ことが地点指定の要件の1つだが、2019年3月に電力広域的運営推進機関がまとめた『2019年度供給計画の取りまとめ』によると、中国地方の電力供給予備率は、2019年11.2%、2028年16.1%となっている。原発ゼロでも電力の安定供給は可能ではないか」と指摘しました。
森安マネージャーは、島根原発1号機の廃炉や発電施設の老朽化、地球温暖化対策上、上関原発は必要だと繰り返し述べ、あくまで延長申請を行う姿勢に固執しました。