人権侵害 私権制限 国民監視につながる
「土地利用規制法案」は廃案に‼
自民、公明など与党は、6月1日、「土地利用規制法案」(重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査および利用の規制等に関する法律案)の衆議院での採決を強行し、参議院での審議が始まりました。菅政権は、今国会(6月16日予定)での成立をめざしています。
自衛隊・米軍基地などの周囲1㎞は「注視区域」に
内閣総理大臣が自衛隊・米軍基地など「重要施設」の周囲1㎞などを「注視区域」、「特別注視区域」に指定。「安全保障に寄与することを目的」と言えば、政府が土地や建物の利用状況を調査し、利用を規制することができるようになります。
県内で「注視区域」の候補となっているのは下表の通りです。
「注視区域」の土地・建物の所有者は調査対象に
「注視区域」では、土地・建物の所有者や賃借人などの情報を集めることができ、「特別注視区域」では、一定以上の面積の土地売買は氏名、国籍などの事前届け出を義務付けます。
調査や規制の範囲は、政府に「白紙委任」
「どこで、誰を、どのように調査・規制するのか」という核心部分は事実上、政府に「白紙委任」されています。調査の範囲が住民の職歴や思想信条、家族・交友関係にまで広がるおそれや、「重要施設」周辺での座り込みなどの活動も規制の対象になる危険があります。
「機能を阻害する行為」とみなされると罰則が
無届けや虚偽の届け出をした場合には6か月以下の懲役または100万円以下の罰金。「重要施設」などの「機能を阻害する行為」、「機能を阻害する明らかなおそれ」がある場合は、利用中止の勧告・命令を出すことができ、応じない場合は2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科す、とされていますが、詳細は「政令」で定めるとされています。
戦前の「要塞地帯法」、「軍機保護法」と瓜二つの「治安法制」はゴメンです
戦前・戦中は、軍事施設周辺では立ち入りや写真撮影などは「要塞地帯法」や「軍機保護法」などで厳しく罰せられました。今回の法案は、これらの「治安法制」と瓜二つです。戦前回帰は絶対にゴメンです。