「米軍岩国基地にCMV-22Bオスプレイが配備されることが7月11日、分かった」と12日、中国新聞とNHKが相次いで報道しました。岩国基地に配備されている米海軍第5空母航空団に所属するCー2A輸送機が、CMV-22Bオスプレイに機種変更されるものとみられます。
米軍岩国基地は、沖縄・普天間基地の海兵隊MV-22オスプレイ、東京・横田基地の空軍CV-22オスプレイが他基地と行き来する中継拠点として使われてきました。海軍CMV-22Bオスプレイが配備されれば、空母が横須賀基地に寄港中、オスプレイが岩国基地に常駐し、近隣で訓練を繰り返すことになります。
また、同空母航空団に所属するFA-18スーパーホーネット戦闘攻撃機の一部をF-35Cステルス戦闘攻撃機に交代させる計画もあると報じられています。
横須賀基地(神奈川県)を母港とする原子力空母ロナルド・レーガンが、年内にジョージ・ワシントンと交代するのに合わせて、艦載機の機種変更を実施する可能性が大です。
2016年10月公表の「海軍航空展望2016―2025」に明記
Cー2AからCMV-22Bオスプレイへの機種変更については、2016年10月に公表された米海軍の「航空展望2016―2025」に明記されていることを、同月16日付の「しんぶん赤旗」が報道しました。同記事では「(航空展望に)原子力空母艦載機部隊の一部である連絡機C2グレイハウンドに代えて、垂直離着陸機『CMV22オスプレイ』を20年から配備する計画であることを明記しました。25年までに交代を完了する計画」と報じています。
2021年6月県議会でも追及
日本共産党県議団は、艦載機部隊の機種変更について県議会で繰り返し追及。2021年6月の一般質問では、「米海軍は、C2Aの後継機として、CMV22Bオスプレイの開発・製造を進めており、第5空母航空団所属のC2Aも早ければ今年度中に機種変更される可能性がある。①岩国基地へのオスプレイ配備は初となり、MV22Bは航続距離や貨物搭載能力が強化された改良機である。単なる機種変更という扱いはできない。②防衛省に対し、情報提供を求めるとともに、少なくとも関係自治体と住民の理解が得られるまでは容認すべきでない」と県の対応を質しました。
県は、「機種変更については、従前から、関連の報道等がなされる都度、国に対し照会しており、『防衛省として、何ら決まった方針があるとは承知していない』との回答を得ている。県としては、情報収集に努め、地元市町の意向を尊重しながら、適切に対応する」と答弁しました。
危険なオスプレイ配備は許せないー来週にも中四国防衛局へ「配備中止」要請
オスプレイを巡っては昨年11月、岩国基地を飛び立った横田基地の空軍CV-22オスプレイが鹿児島県屋久島沖で墜落。米軍は全機種の飛行を停止させていましたが、今年3月、事故原因を明らかにしないままなし崩し的に飛行を再開させました。
危険なオスプレイの岩国基地配備はもちろん、艦載機の最新鋭機への更新による機能強化は許せません。党県議団は、来週にも大平よしのぶ元衆院議員らとともに、中四国防衛局に「配備中止」を要請する予定です。
(2024年7月12日)