日本共産党山口県委員会と同県議団は8月7日、村岡嗣政知事に対し、新型コロナウイルス対策の抜本的な強化を求める要請書を提出し、担当部局に早急な具体化を求めました。
これには河合喜代県副委員長、木佐木大助、藤本一規両県議、吉田達彦県議団事務局長らが出席し、総務部防災危機管理課の担当者が応対しました。
河合副委員長は、新型コロナウイルスの感染急拡大は、きわめて憂慮すべき事態となり、県内でも5月5日以降、確認されていなかった陽性者が7月16日に確認されて以降、20日余の間に、26人の陽性者が発見されるなど、拡大傾向が表れていることを指摘し、「感染の急激な拡大が、医療の逼迫(ひっぱく)、さらに医療崩壊を引き起こし、救える命が失われることが、強く懸念される」と述べました。
そして、「現在の感染急拡大を抑止するには、PCR等検査を文字通り大規模に実施し、陽性者を隔離・保護するとりくみを行うとともに、感染の危険にさらされつつ、業務を継続している医療、介護、教育、保育等の関係職員や売上減などで経営困難に陥っている中小零細業者へ手厚い支援を届けることが求められている」と強調し、5分野17項目にわたる要望の具体化を求めました。
《要望項目》後日、文書回答を受けます
1、PCR検査体制をさらに拡充し、防疫目的の検査を実施する
①県内のPCR検査可能件数については、現在の310件から早急に1000件以上に拡充する。必要な人員増は正規職員を原則とする
②検査については、無症状者を含めて「感染力」のある人を見つけ出して隔離・保護し、感染拡大を抑止し、安全・安心の社会基盤をつくるための「防疫目的の検査」に転換する
③そのため、地域外来・検査センターの開設を急ぎ、箇所数については、現在の8カ所から全ての市町に広げる
④市町ごとの感染者数、PCR検査数、陽性率等の情報を住民に開示する
2、リスクの高い施設で働く職員等への支援を強める
①医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR検査等を実施する
②在日米軍岩国基地で働く日本人従業員についても、国・県の責任において定期的なPCR検査等を実施する
③保育園・幼稚園、児童福祉施設等で勤務する職員等に対する県独自の「応援給付金」については、国及び県からの要請の有無、認可・認可外等を問わず、事業を継続した施設で働き、対象期間内に10日以上の勤務実績があるすべての職員を支給対象にする
3、医療崩壊を防ぐため医療機関、医療従事者への財政支援を強める
①中等症・重症のコロナ患者を受け入れる病床の確保を行い、協力した医療機関に対しては十分な補償を行う
②無症状・軽症の陽性者を隔離・保護するための宿泊療養施設の確保を行うとともに、協力した宿泊施設に対しては十分な補償を行う
③新型コロナの影響による受診抑制が広がり、山口県保険医協会の実態調査では、医科、歯科とも9割が「患者減」(医科88%、歯科96%)と回答しており、「減少率3割」が医科、歯科とも8割(医科76%、歯科85%)となっている(今年4月分)。減収による施設閉鎖や医療従事者の待遇悪化を防ぐため、国に対し、十二分な減収補償が行われるよう要請する。
④新型コロナ感染症患者等に対応した医療関係者に対する「特殊勤務手当」(1人1日4000円)等を支給する医療機関に対する補助制度をつくる(広島県、島根県では実施済み)
4、子どもたちの学習環境を改善する
①「3密」を回避し、安心して授業を受けることができるよう小中高校すべての学級を30人以下にするため、国に定数法の改正を要請する
②当面、県が独自に加配教諭を確保し、小中高校での30人以下学級の実現に踏み出す
③県立学校の特別教室、体育館などへの空調設備の設置率を早急に100%にする
④その財源の一部として、県立学校における1人1台のタブレット端末導入(所要経費約50億円)は延期する
5、感染リスクを高める施策を見直す
①政府に対し、感染拡大を加速させる危険をもつ「Go To トラベル」の中止を要請する
②9月以降に予定している「プレミアム宿泊券」(15万枚)の全国販売は、感染拡大が終息するまで延期する
(2020年8月7日)