新年度の施策、予選編成に関する要望は、14分野542項目
日本共産党山口県委員会と同県議団は1月21日、村岡嗣政知事と面会し、新年度の県の施策並びに予算編成に関する要請書を手渡し、県民要望を最大限に具体化するよう求めました。
要請には、佐藤文明県委員長、河合喜代県副委員長、木佐木大助県議団長、藤本一規同幹事長、吉田達彦同事務局長が出席しました。
県の軍事基地化に歯止めかけ、安全最優先の県政運営を
佐藤氏は、岩国基地への艦載機移駐や萩市へのイージス・アショア、山陽小野田市への宇宙監視レーダー基地など、各地で軍事基地強化の動きがあることを指摘し、知事に対し、県民の安心安全を最優先する県政運営を求め、全542項目に渡る要請書を手渡しました。《全文はこちら》
重点要望4項目で知事の見解を質す
この日は、①子ども医療費助成制度の拡充=河合副委員長、②公立病院の病床削減中止=木佐木県議、③県有施設の譲渡・統廃合の見直し=藤本県議、④予算編成過程の透明化=吉田事務局長、の4つの重点事項について、各人が要請の趣旨を説明し、実現を求めました。
子ども医療費助成の拡充を
河合副委員長は、現行の子ども医療費助成制度の対象年齢は2004年以来、16年間、据え置かれたままで、今年度の事業費の予算総額に占める割合は、0.11%と全国39位に低迷していることを指摘。新年度から島根県は小学卒業まで、福岡県は中学卒業まで拡充する方針を決めていることにも触れ、「子育て世代の経済的負担を減らすため、山口県もぜひ、一歩、踏み出して欲しい」と訴えました。
村岡知事は、「言われることは理解している」と述べるにとどまる一方で、「子育て支援策については、何らかの拡充を検討している」との考えも示しました。
公的・公立病院の再編統合許すな
木佐木県議は、「再編統合の対象と名指しされた14の公的病院は、いずれも地域医療に欠かせない病院。住民の不安も高まっている」と実情を訴え、再編統合リストの撤回などを国に要請するよう求めました。
村岡知事は、「将来を見据えて、どうすれば地域医療が守れるのか、という観点でしっかり取り組んでいく」と述べ、「対象とされた病院も、絶対ということはない。ラフすぎる。国の押し付けているわけではないと言っている。我々が見ても、実態に合わないところもある。それぞれの地域で、医療が確保されるということが前提。そのなかで、病床機能の分担とか、検討されていくもの」との考えを示しました。
県有施設の譲渡・廃止は見直し、県施設として存続を
藤本県議は、「市町への譲渡や廃止が検討されている12施設の多くは、地域の文化・スポーツの振興に大きな役割を果たしている」と指摘し、特に秋吉台国際芸術村については、存続を求める18,000人以上の署名が県に寄せられたことにも触れ、「芸術村は宿泊施設が併設され、海外からも多くのアーチストが長期間、滞在し、高い評価を受けている」と強調し、「宿泊施設は廃止した上で存続、という報道もあるが、それでは、魅力が失われる」と全施設の存続を訴えました。
村岡知事は、「市町とよく調整しながら考えていく。財政的に大きなお金がかかっていることは間違いないので、このままずっと行くわけにはならない。意見も踏まえて、総合的に考えていきたい」と答えました。
予算編成過程の透明化で情報公開先進県に先進県に
吉田事務局長は、全国オンブズマンの調査による「予算編成過程の透明化ランキング」によると、山口県は33位と遅れた県になっていることを指摘。「透明化は、県政への関心を高めることにもつながる。情報公開に後ろ向きというイメージはなくしていくべきだ」と訴えました。
村岡知事は、「予算編成の方針は公表し、予算案の中身もしっかりと説明している。現状では、編成過程の公表は考えていない」と後ろ向きの姿勢を示しました。
(2020年1月21日)