2023年2月山口県議会一般質問(2023年3月3日) 藤本一規議員

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やまぐち未来維新プランと新年度予算案について

◎藤本一規議員

 第1は、やまぐち未来維新プランと新年度予算案についてです。

 まず、産業維新についてです。

 産業維新の第1を「時代を勝ち抜く産業力強化プロジェクト」から「新たな価値を創造する産業DXプロジェクト」にした理由についてお尋ねします。

●村岡嗣昌知事

 私からは「やまぐち未来維新プラン」のプロジェクトについての2点のお尋ねにまとめてお答えします。

 私は、今後の県づくりを進めるにあたっては、単にコロナの前に戻すのではなく、安心・安全や経済のレベルをより高めていく、そして、地域や人と人とのつながりをさらに強固にしていくことで、山口ならではの豊かな未来を築いていきたいと考えています。

 こうした考えから、県政運営の指針となる「やまぐち未来維新プラン」においては、新たに掲げた「安心・安全」、「デジタル」、「グリーン」、「ヒューマン」の4つの視点を踏まえ、プロジェクトや重点施策を未来志向で再構築したところです。

 再構築にあたり、産業維新においては、本県の活力の源である産業を大きく伸ばしていく上で、これからの社会の変革の原動力として大きな可能性を持つデジタルの活用を強力に推進し、その実装を本格展開していくことが大変重要と考え、「新たな価値を創造する産業DXプロジェクト」を第1としたところです。

 また、大交流維新の「交流拡大による活力創出プロジェクト」では、コロナ禍で大幅に低下した人々の活動や交流を活発化し、県の活力をコロナ前にも増して高めていけるよう、アフターコロナの交流拡大に向けて優れたポテンシャルを有している山口きらら博記念公園を拠点とした活力創出・発信に新たに取り組むこととしています。

 このため、プロジェクト名を「交流を拡げる基盤整備プロジェクト」から改称したものです。

 私は、こうした取組を通じ、「安心で希望と活力に満ちた山口県」の実現を目指してまいります。

◎藤本一規議員

 次に、大交流維新についてです。

 大交流維新の第1を「交流を拡げる基盤整備プロジェクト」から「交流拡大による活力創出プロジェクト」にした理由についてお尋ねします。

 交流拡大による活力創出プロジェクトの第1は、山口きらら博記念公園を拠点とした県民の活力の創出・発信です。

 新年度予算案には、山口きらら博記念公園への交流拠点化事業など2億4300万円が計上されています。2月補正予算案には、山口県活性化・県民活力創出基金40億円が計上され、新年度4億円を充当します。

今後、この基金を活用した同公園交流拠点化事業を、どのように実施しようとしているのかお尋ねします。

 同公園交流拠点化事業では、基本構想の策定に加え、施設の整備運営に民間活力の導入を図るため、サウンディング調査が実施されます。

 この調査はパークPFIを前提にした調査ではないと考えますが、内容についてお尋ねします。

 山口きらら博記念公園がある「きらら浜」には、これまでに約450億円の県費が投入されながら、なお93㌶の未利用地が残されています。今後は、税金の投入を極力抑え、公用性の高い県民本位の公園整備にすべきと考えますが、県の認識をお尋ねします。

●総合企画部長

 大交流維新についてのお尋ねのうち、山口きらら博記念公園を拠点とした県民の活力の創出・発信についてのお尋ねにお答えします。

 まず、基金を活用した交流拠点化事業をどのように実施しようとしているのか、についてです。

 令和5年度に、民間活力を導入するためのサウンデイング調査や、宿泊、モビリティ等の社会実験などを行った上で、基本構想を策定することとしています。

 その後、基本構想に基づき、交流拠点化へ向けた施設整備や、イベントの開催等による交流拡大の取組を推進することとしています。

 次に、サウンディング調査の内容についてです。

 サウンデイング調査は、パークPFIなどの事業手法を限定することなく、幅広く市場性の有無や事業成立の可否などを検討するため、民間事業者から広く意見や提案をうかがうものです。

 次に、税金の投入を極力抑え、公用性の高い県民本位の公園整備にすべきとの考えに対する県の認識についてです。

 コロナ禍で失われた人と人とのつながりや活力を取り戻し、元気で豊かな地域を倉リ出するため、幅広い世代が集い、伸び伸びと活動する中で、山口の豊かさや住みよさを実感できる交流拠点として再整備する必要があると考えています。

 また、公園の再整備に当たっては、民間が有するノウハウや資金も活用することとしています。

◎藤本一規議員《再質問》

 山口きらら博記念公園ですけれども、私はですね、秋吉台でグランピング施設を経営されているナインバレーの九谷社長さんと1時間程度お話をさせていただきました。九谷社長いわく、「ターゲットを絞ってスモールスタート」と言われていました。私もグランピング施設を見ましたが、まだ6棟しか作っていないと。1棟が8万円く、らいですけれども、埋まっているということでした。

 知事は様々な世代がつどい、住みよさを実感できる交流拠点、県外からも人が呼べる集客拠点の両面から再整備と言われましたけれども、これこそターゲットが絞られていない、私は証左だというふうに思います。

 九谷社長は「キャンプブームに乗つかっただけでは税金の無駄遣いになる」ともおつしやっています。だからですね、未来維新プランの山口きらら博記念公園年間集客目標80万人、基金が40億ある、ということで、ターゲットを絞らず税金を無駄遣いして箱物を作るという時期ではないと思います。現実にターゲットをよく絞って、スモールスタート、せめて、山口きらら博記念公園では再整備を行う必要があると思います。

 ターゲットを絞ったスモールスタート、この問題についてどう思われますかお尋ねしたいと思います。

●総合企画部長

 山口きらら博記念公園に関する再質問にお答えします。

もっとターゲットを絞ってスモールスタートで整備を行うべきではないかについてです。

 コロナ禍で失われた人と人とのつながりや活力を取り戻し、元気で豊かな地域を創出するため、幅広い世代が集い、伸び伸びと活動する中で、山口の豊かさや住みよさを実感できる「交流拠点」として、また、県外の人に山口の魅力を感じ訪れてもらう「集客拠点」として、整備を進める.こととしています。

 今後整備する施設については、その進め方も含め、来年度、基本構想を策定する中で、幅広く意見をお聞きしながら、検討することとしています。

◎藤本一規議員

 新たな価値を創造する産業DXプロジェクトの具体化として新年度予算案に、半導体・蓄電池製造拠点等の県内進出企業に対し最大で50億円補助する制度が新設されました。

 【資料1】の通り、日本の半導体産業の世界シェアは1988年の50.3%から、2019年には10%にまで落ち込みました。米政府の圧力で、当時の自民党政権が日本市場の海外製品のシェアを20%にする目標を掲げた「日米半導体協定」を締結したことも大きな要因です。

 過去には、旧楠町が立地奨励金約1億8千万円支出し、県も5億7千万円以上かけて工業用水道を敷設するなどの支援を受けて進出したルネサス山口工場が撤退したこともあります。県は、こうした過去の経緯をどう捉えていますか。

 立地企業への補助金交付については、事業の縮小・廃止の場合の地元自治体との協議義務付けや補助金返還などのルールを課す必要がありますがお尋ねします。

 是非はともあれ、国は5Gに対応できる半導体を製造する工場の建設に、最大で経費の2分の1を助成する制度をつくっています。なぜ、県が50億円もの補助制度をつくる必要があるのですか。見解をお尋ねします。

 一方、新年度、中小企業がデジタル化を進めるための予算は、約3億円です。半導体製造拠点等への補助金の上限を削り、中小企業への支援を強めるべきと思いますが、お尋ねします。

●商工労働部長

 やまぐち未来維新プランと新年度予算案に関するお尋ねのうち、産業維新についての数点のお尋ねにお答えします。

 まず、半導体は様々な産業に必要となる重要な製品であり、こうした企業を誘致することは、本県産業力の強化にも資することから、ルネサス山口工場をはじめ、関連企業の誘致を進めてきたところです。

お示しのルネサス山口工場については、施設の老朽化などを理由に昨年6月に閉鎖されましたが、最盛期には約2, 000人の地元雇用の創出に加え、県内企業との取引などにより、約40年にわたり地域経済に寄与いただいたと認識しております。

 次に、立地企業への補助金の交付についてです。

天災などの正当な理由によることなく操業開始後10年以内に事業が縮小・休止・廃止されたときは、補助金の返還を求めることとしています。

また、企業の撤退にあたっては、補助金の取扱いも含め、地元市町と十分に連携しながら、企業と適切に協議を行うこととしています。

 次に、補助制度の必要性についてです。

企業誘致は雇用の創出や地域経済の活性化など、将来にわたり多面的な効果をもたらすため、県では、その取組を推進しています。

DX、GXの進展に伴い、企業の設備投資が活発化している半導体や蓄電池等の成長分野においては、地域間競争が激化し、多くの自治体で国の補助に加えた支援を行っていることから、本県への誘致を実現するため、他県に引けを取らない支援制度を創設するものです。

 次に、中小企業への支援の強化についてです。

新たに創設する補助制度は、業界の裾野が広く高度技術を有する県内中小企業との親和性も高い半導体や蓄電池などの分野を対象としており、この支援により県内中小企業の取引拡大など、大きな波及効果が期待できるものと考えています。

 また、新年度予算案では、デジタル化を進める事業に加え、脱炭素化に向けた支援やリスキリング等の人材育成、さらに、物価高騰対策など、中小企業の経営安定や成長支援に向けた総合的な取組を推進することとしており、補助金の上限額を下げることは考えておりません。

◎藤本一規議員《再質問》

 半導体についてです。2012年当時、県内の半導体拠点がどれだけあって、どんなリストラがあったかっていうことですけど、まずルネサス関係ですね、宇部の山口工場、1200人、柳井工場が130人、ルネサス関係で1, 330人ぐらいのリストラがありまして、光にはシルトロニック・ジャパン光工場っていうのがあって、これ500人くらいのリストラがありました。下関にはエム・シー・エス下関工場っていうのがあって、これもだいたい500人弱のリストラがありまして、だいたい2, 300人くらい、半導体協定が結ばれた当時、大リストラが行われたということです。

 その当時、二井知事と宇部市長、柳井市長がですね、ルネサスの本社に出向いて事業の継続を要請しましたが、ダメで、ついに山口工場、売却すると言われてたんですけど、去年の6月にとうとうなくなると、閉鎖ということになりました。

 わずか20年前に県内の半導体生産拠点があって、2, 300人もの雇用が奪われたということをどう受け止めるか、もう1回尋ねしたいと思います。

 これから50億円という異次元のまさに補助を半導体企業にするということですが、やっぱりですね、事業の閉鎖などのときにしっかり地元市町と協議をするというのはね、50億円出すわけですから、補助要件にすべきと思いますが、改めてお尋ねします。

●商工労働部長

 企業誘致に関する再質問にお答えをします。

まず、過去に半導体関連企業の撤退で約2, 300人の雇用が失われたことに対する受け止めについてです。

 お示しの企業の撤退は、景気動向や国際情勢など、様々な要因に基づく企業の経営判断によるところが大きいものの、本県経済への影響を考慮しますと、大変残念ではあります。

しかしながら一方では、これらの企業には、長年にわたる操業によりまして、地域経済の発展と雇用の確保に貢献されたものというふうに認識をしております。

 次に、誘致企業が社会的責任を果たすよう、市町との協議を求めるべきとのお尋ねについてです。

 企業の進出に際しましては、土地の取得や工場の建設、関連企業との取引など、多大な経済波及効果が見込まれます。

 一方で、工場閉鎖や大きな雇用調整は、地域経済に大きな影響を及ぼしますので、企業にはその社会的責任を十分認識され、その責任を果たしていただくことが必要というふうに考えております。

 県としては社会的責任を果たしていただけるよう、市町と連携して、今後とも要請してまいりたいというふうに考えております。

◎藤本一規議員《再質問》

 ルネサス山口工場に給水していた工業用水の水量はいくらか。

 その結果、宇部・山陽小野田・美祢地域の今の工業用水の未契約水は、ルネサスが加わってどうなったか。

●企業局長

 工業用水についての再質問にお答えします。

 ルネサス山口工場の契約水量は1日当たり9, 100立方メートルでしたが、撤退により、現在未契約水となっております。

次に、宇部・山陽小野田・美祢地区の未契約水量の合計は、さきほどの9, 100立方メートルも含めまして、45,330立方メートルとなっており、未契約水の削減を図るため、今後も企業立地担当部局と連携した需要開拓に努めてまいります。

県政の重要課題について

◎藤本一規議員

 質問の第2は、県政の重要課題についてです。

 まず、県庁ぐるみ選挙についてです。

 小松前副知事は、自民党・林芳正後援会に入るよう部下を勧誘した公職選挙法違反で罰金刑を受け、辞職しました。私は、検察庁に刑事確定記録の閲覧を求め、この程許可され、1500ページにわたる記録を閲覧し、看過できない事実を把握しました。

 1つは、県庁の人事データをもとに、林後援会の勧誘対象者の名簿が作られていたことです。これは、地方公務員法第34条「職員は、職務上知りえた秘密を漏らしてはならない」、県個人情報保護条例8条「職員は、職務上知りえた個人情報の内容を不当な目的に使用してはならない」に違反する疑いがあります。県は、再度調査し、該当する職員を処分すべきです。お尋ねします。

 2つは、小松前副知事に後援会勧誘を依頼した人物の特定です。小松前副知事に後援会勧誘を依頼した人物(仮にAとします)も検察庁の取り調べを受けています。Aは「私や自民党県連と接触する機会も多いことから、副知事に依頼した」と供述しています。Aは、小松前副知事が部下に後援会加入を頼めば、公選法違反の罪を負うことを知って依頼したのなら、公選法違反が疑われます。

 記録には、勤務時間中の副知事室に、林後援会のリーフレット3000枚がどのように運ばれたかかが赤裸々に述べられています。関係した自民党関係者らは全て黒塗りにされていますが、県庁ぐるみの公選法違反事件に対する自民党県連の責任は重大です。

 県は、小松前副知事に対し部下に後援会加入を要請した関係者を刑事告発すべきですがお尋ねします。

●総務部長

 県政の重要課題についてのお尋ねのうち、選挙に関しての2点のお尋ねにお答えします。

 まず、選挙を巡る勧誘対象者の名簿作成について、再調査及び職員の処分をすべきとのお尋ねです。

 お示しのような名簿が作成されていたことは、先の調査において把握をしており、職員情報が業務外のことに使用されていたことは、起きてはならないことであったと考えています。

 こうしたことが組織的な勧誘につながったということを含め、後援会入会申込書等の配布・回収等について、前副知事から直接依頼を受け部下に依頼をした職員に対し、昨年3月に処分を行っており、改めての調査や処分は考えておりません。

 次に、前副知事に対し、要請した関係者を刑事告発すべきとのお尋ねです。

 県としては、県庁内で公職選挙法に違反する事案があったことを踏まえ、再発防止に全力を挙げることが何よりも重要と考えており、告発することは考えておりません。

◎藤本一規議員《再質問》

 県庁ぐるみの公職選挙法違反問題です。

 まあ一部のね、上司は処分されたことは知っていますが、人事データを操作した職員はやっぱり処分の方はされていないと思います。私は警察で開示を受けたその資料によりますとですね、知事はですね、会見で指示を受けた職員はいるけれども業務上使用するために受け止めて対応しているということでして、そのこと自体は上司からの命令で業務上そのものとして受け止め対応しているということで、それ自体については問題ということにはならない。まあ繰り返しなことを言われていますが、担当者職員は上司からの命令だったから問題ないとある記者会見でおつしやっていますけれども、私が調べたその職員の供述はですね。検察に。

 「上司から山口3区でと言われたので選挙に関して何らかの形で活用されることはなんとなく想像していました。元々人事データは円滑な業務、組織運営をするためにあるものです。県庁職員が勤務時間中に勧誘活動をすることは問題があると思います。今後県庁内でこうしたことが行われないようにしなければならないと思います」とそのデータを作ったですね、職員が供述しているわけです。

 つまり上司から命令である選挙に関するものであるということは、職員は承知をしていたわけです。やっぱり処分をすべきだという風に思います。お尋ねします。

 それから小松前副知事にですね、依頼した人物の特定です。

 これについても知事は記者会見でだれがそれを言ったかというところが我々の方が明らかにすることが目的としていることではありませんので、それぞれの方が考えられることだと当事者の方で考られることだと思いますと。まあ県連の方で考えるべきだという風な知事の認識だったんだと思います。

 昨年3月のですね。公職選挙法違反事案にかかる調査チームの県の報告書にこういう一文があるんですよ。検察庁から開示を受けた本件事案について、刑事確定記録の写しを調査の対象もしている。だからですね、まあ弁護士さんも入られて、人事課の職員が入って、作った報告書の資料の一つとして私が見た刑事確定記録はみなさんも見られているということです。

 そしてなによりも小松前副知事にだれが勧誘されましたかとだれに勧誘されましたかということをですね。勧誘をだれが要請されましたかということをですね。Aとはだれですかと聞かれたらいいわけでございます。やっぱりそもそも小松副知事にだれか聞けばわかる話で、県はですね、小松前副知事を教唆した人物を検察に刑事告訴すべきだと思いますが、お尋ねしたいと思います。

●総務部長

 まず公職選挙法違反事案についてです。職員データを使った名簿の作成につきまして、処分するべきではないかといったお尋ねだったかと思います。

 名簿の作成につきましては、職員は最終的にはですね。上司からの業務命令、業務上の指示と受け止めて名簿を作成したものであり、それ自体は、法令違反や処分の対象には当たらないものと考えておりますが、結果としまして、職員情報が業務外のことに使用されていたことは起きてはならないことであったと考えています。

 こうしたことが組織的な勧誘につながったということを含めまして後援会入会申込書等の配布回収等につきまして、前副知事から直接依頼を受け、部下に依頼をした職員に対し昨年3月に処分を行ったところでございます。

 次に、依頼者の刑事告発についての再質問でございます。先程ご答弁しましたけれども県としましては、県庁内で公職選挙法に違反する事案があったことを踏まえ、再発防止に全力を挙げることが何よりも重要と考えておりまして、告発することは考えておりません。

 なお、先程質問の中でも触れられましたけども県の調査におきましても、刑事確定記録の開示を受けております。我々が県として開示を受けている記録の中でもですね。依頼者の氏名につきましては明らかにされていなかったものと承知をしております。

◎藤本一規議員《再々質問》

 ぐるみ選挙についてです。KRYが刑事確定記録を閲覧して書かれた記事にこういう職員の発言があります。

 「私は山口県庁に入庁して以来山口県民を一番に考え、山口県民のために働いてきたつもりです。ですが、今回のような特定の議員の後援会への加入を勧誘する行為は、公務員の中立、公平さを害し、また県民の信頼を損なうものであったと反省しています。現在は、なぜ上司から林議員の後援会への加入の勧誘を依頼されたときに断ることができなかったのかと後悔ばかりしています」とこういうですね、

 全体の奉仕者として尽くしたい。県職員をこのような思いをさせたということは重く受け止めなければいけない。やっぱりですね、教唆した側の罪があるかないかが問われるべきだと、やっぱりAはだれかということを小松前知事に聞いて、刑事告発すべきだと思います。お尋ねします。

●総務部長

 公職選挙法違反事案につきまして、依頼者の告発についての再々質問でございます。

 本質間から刑事確定記録のないようにつきまして、言及がありましたが、本件につきまして、様々な捜査の結果、最終的に刑事罰を受けるに至ったのは、前副知事だけであったと認識しております。

 県としましては、再発防止に全力を挙げることが何よりも重要と考えており、再発防止策として掲げた2つの宣言と5つの取り組みを、県庁を挙げて徹底することを通じて、県民の皆様の信頼回復に向けて取り組んでまいります。

◎藤本一規議員

 安倍元首相の県民葬についてです。

 【資料2】は、県民葬経費の当初予算と結果を示したものです。会場借上や駐車場などの経費が少なかったとはいえ、過去最大の県民葬になったことに対する見解をお尋ねします。

 また、県と各団体の経費負担の内訳をお示しください。

●総務部長

 まず、過去最大の県民葬になったことに対する見解についてです。

 今回の県民葬儀につきましては、主会場のほか県内7カ所にサテライト会場と一般献花会場を設置したこと、警備体制の強化を図ったことに加えて、消費税率の上昇や社会情勢の変化等に伴う物価上昇等の影響により、過去と比べ、経費が増えたものと考えています。

 業務の執行段階において可能な限り節減を図った上で、国内外にわたって数多くの御功績を残された故安倍元総理を追悼するにふさわしい県民葬を執り行うことができたものと考えています。

 次に、県と各団体の経費負担の内訳についてです。

葬儀委員会の構成が今回と同じ直近の県民葬儀である故安倍晋太郎先生県民葬儀の際の負担割合を基に、県は総額の二分の一相当の約2千7百万円、市長会など地方4団体は合わせて四分の一相当の約1千3百万円、自民党県連は四分の一相当の約1千3百万円を、それぞれ負担することとしています。

◎藤本一規議員

 県民葬は、憲法14条法の下の平等、19条の思想及び良心の自由を侵害すると県民から住民監査請求が出されました。

 国は、衆議院各派代表者による協議会を設け、「国葬」の検証を行ってきました。県は、国に倣い、「県民葬」を検証する場を設けるべきですがお尋ねします。

●総務部長

 次に、県民葬を検証する場を設けるべきとのお尋ねについてです。

 国においては、国葬や内閣・自民党合同葬など、様々な形式がある中で、このたびは国葬の形式がとられたという経緯があり、こうした中で、今般の国葬について検証がなされたものと承知しています。

 一方、本県においては、これまでも内閣総理大臣や知事経験者、現職の国会議員など、国政や県政の推進に多大な御貢献をされ、御功績を残された方々を対象に、県民葬という形式で執り行ってきたところであり、国とは事情が異なることから、このたびの県民葬について検証を行うことは考えておりません。

◎藤本一規議員

 3つは、センチュリー問題についてです。

 山口県東京事務所が、議長の東京出張時に「センチュリー」などの大型車のハイヤーを手配していた問題で、11月県議会で松岡総合企画部長は「過剰な水準だとは思わない」と答弁しました。

 村岡知事は、昨年末の記者会見で、「私の方で議長とも話をしまして、これから議長車等につきましても、中型車に見直すということを行うことといたしました。」と述べました。なぜ、議会で見直しを表明しなかったのかお尋ねします。改めて、東京出張時の議長車の取扱いをどのように見直したのかお尋ねします。

 朝日新聞は、中国・四国・九州各県の東京事務所の知事、議長の車の利用を調査した結果、熊本県は「議長はタクシーで移動する」と報じました。財政逼迫の中、議長・知事の東京出張時の移動はタクシーに見直すべきです。お尋ねします。

●総務部長

 上京時のハイヤー使用に関する3点のお尋ねにお答えします。

 まず、なぜ議会で見直しを表明しなかったのかとのお尋ねですが、全国の運用状況を踏まえて対応を検討し、見直しの決定を行った時期が昨年11月県議会の後であったためです。

 次に、見直しの内容については、大型車から中型車に変更したところです。

 次に、タクシーに見直すべきとのお尋ねですが、限られた時間内で効率的に業務を遂行する必要があること、訪問先の官公庁などから求められる車番等の事前登録がタクシーでは出来ないこと、そして、多くの県で知事・議長の移動をハイヤーとしていることから、ハイヤーの使用は妥当と考えています。

◎藤本一規議員

 4つは、LGBTQについてです。

 【資料3】は、村岡知事を含む23県の知事が発表した「多様性への理解促進と誰もが安心して暮らし、活躍できる社会づくりを求める緊急共同声明」です。

 村岡知事が緊急共同声明に参加されたことを評価します。知事の想いをお尋ねします。

 さて、先日、県内在住のLGBTQ当事者の方から、次のメールが届きました。

 「山口県に性的少数者の人権にかかわる政策についてお願いをしてきました。その度に国や他の都道府県の動向を踏まえて検討するという回答でした。周囲を見続けている間に、福岡県や佐賀県ではパートナーシップ制度が始まり、島根県も検討しています。私は、山口県の社会的弱者に対する冷たさに疲れ、生まれ育った山口県を離れることにしました」。

この方は、パートナーシップ制度がある福岡県に近く引っ越されます。

 国は、LGBT理解増進法案を提出する予定です。国の動向を見て、緊急共同声明の立場からも、県は、パートナーシップ制度の検討に入るべきです。

●環境生活部長

 まず、緊急共同声明についてです。

 県としては、LGBTなどの性的マイノリテイを理由とした偏見や差別はあってはならず、多様性を認め、それぞれの生き方が尊重される社会を構築することが重要と考えており、県民の理解が深まるよう、普及啓発に取り組んでいるところです。

 お示しの声明については、こうした本県の考え方と合致することから、知事としてこれに賛同したものです。

 国においては、この声明を踏まえ、今後、あらゆる政策分野で取組を進めていただきたいと考えています。

 次に、パートナーシップ制度の検討に入るべきとのお尋ねです。

現在、国においてLGBT理解増進法案が検討されるなど、性的マイノリテイに関する法制度が議論されていることから、県としては、引き続き、その動向を見守るとともに、パートナーシップ制度を導入した自治体の運用状況等について、情報収集を行ってまいります。

したがって、現時点では、パートナーシップ制度の導入は考えていませんが、これまで以上に、性の多様性について認め合う意識の醸成を図るとともに、性的マイノリテイの方々への理解増進を一層進めてまいります。

◎藤本一規議員

 宇部市のパートナーシップ宣誓書受領証を持ったカップルの県営住宅への入居について検討に入るべきですがお尋ねします。

●土木建築部長

 次に、LGBTQについてのお尋ねのうち、県営住宅への入居についてお答えします。

 現在、国において、性的マイノリティに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、こうした国の動向を見守っているところであり、現時点で、パートナーシップ宣誓書受領証を持ったカップルの県営住宅への入居について検討することは考えていません。

◎藤本一規《再質問》

 LGBTQの問題ですけれども、島根県でさっき引用したようにですね、検討が開始されたということです。島根県はこう述べています。「島根県では導入自治体に訪問調査、書面調査を行い検討した」と。「島根県においてもパートナーシップ宣誓制度の導入に向けて、検討を行ってまいります」とホームページで明らかにしています。

 山口県では調査していると言うけれども、島根県のような導入自治体の訪問調査はされているのか、お尋ねしたいと思います。

 そして、島根県は、「島根県内にLGBTQの方で生活上さまざまな問題で困っておられる方がいらっしやいます。そういう困ってらっしやる方がいらっしゃるから宣誓制度を作る」ということを明らかにしていますが、じやあ、県は、県内に、LGBTQの方で生活上さまざまな問題に困っておられる方がいらっしやるという認識なのか、お尋ねします。

●環境生活部長

 まず、パートナーシップ制度の導入自治体の調査について、島根県のように訪問調査したのかというお尋ねでございましたが、本県では、訪問調査ではなく、電話等での聞き取りによって、導入自治体から、制度の仕組や、申請状況、県民の意見などについて教えていただいているところであります。

 今後、電話やオンラインを活用した聞き取りによる調査などで把握は十分可能であると考えていますが、いずれにしても引き続き、様々な形で情報収集は行ってまいります。

 それから、LGBTの方で生活上様々な問題に困っている方がいらっしやるという、その認識についてお尋ねがありました。

 県では、様々な機会を通じて当事者の方から御意見等を伺っておりまして、当事者の方からは、更衣室やトイレの問題、それから職場や学校での配盧に欠けた言動などで困っている、というようなことについてお聞きをしておりまして、本県もそのような認識でして、島根県と同じ認識です。

平和をめぐる諸問題について

◎藤本一規議員 

 質問の第3は、平和をめぐる諸問題についてです。

 第1は、日米地位協定の改定についてです。

 昨年12月、岩国基地の米兵が自動車販売店に侵入して車を盗み、飲酒運転で交通事故を起こした事件で、被害者の自動車会社の原田さん親子と共に中国四国防衛局に要請を行いました。

 この程、山口地検は建造物侵入・窃盗など複数の罪で米兵を在宅起訴しましたが、原田さんが被った損害は未だに賠償されていません。「被害者への損害賠償請求交渉を実現できるよう米国に要請すること」、「米兵等が犯罪を犯しても基地内に逃げ込めば警察が逮捕することが不可能な在日米軍の特権は廃止すること」を求める署名は、1万筆以上集まり、2月27日、浜田防衛大臣宛てに提出されました。

 県は、被害者への損害賠償請求交渉が実現できるよう関係機関に要請すべきです。また、米兵等が犯罪を犯した時には、米軍基地内にいるときでも起訴前に日本の当局が身体拘束できるよう日米地位協定の改定を関係機関に求めるべきですがお尋ねします。

●総務部理事

 平和をめぐる諸問題についてのご質問のうち、日米地位協定の改定についての2点のお尋ねにお答えします。

 まず、被害者への損害賠償請求交渉の実現を関係機関に要請すべきとのお尋ねです。

 県では、地元2市2町とで構成する基地関係県市町連絡協議会において、これまでも、事件や事故が発生した場合の被害者への損害賠償について、迅速かつ誠意をもって対応するよう、国に要請しており、引き続き、地元市町と連携しながら対応してまいります。

 次に、日米地位協定の改定を関係機関に求めるべきとのお尋ねです。

日米地位協定の改定については、基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会において、これまでも、事件・事故に係る被疑者の起訴前の拘禁移転などについて、日米両政府に対し、要望しており、引き続き、関係都道府県と連携し、国や米側に粘り強く働きかけてまいります。

◎藤本一規議員

 第2は、自衛隊基地強靭化についてです。

 しんぶん赤旗は、防衛省が昨年12月と今年2月にゼネコンなどを集めた会合で配布した「自衛隊施設の強靭化に向けて」などの内部資料を入手しました。

文書には、「各種脅威に対する施設の強靭化」と題し、「武力攻撃・テロ行為等」に対抗し、「戦い方(シナリオ)にあわせ、ニーズに応じた施設を順次整備」、「計画的に施設の整備(再配置・集約化等)を推進と明記しています。

具体的には、主要司令部等の地下化、高高度での爆発などで生じる電磁パルスで広範囲の電気系統を破壊する攻撃対策、核兵器はじめ化学、生物、放射性物質、爆発物による脅威、攻撃を想定した「施設強靭化」対策を講じるとしています。

 防衛省は、この対象を昨年12月の時点で293施設とし、【資料4】の通り、県内では陸上自衛隊の山口駐屯地、防府分屯地が、海上自衛隊は岩国基地、小月航空基地、下関基地隊が、航空自衛隊の防府北基地、防府南基地、見島分屯基地の8か所があげられています。

 防衛省が、化学・生物・核兵器などによる攻撃を想定し、県内自衛隊施設を強靭化のために整備する動きは憲法が保障する県民の平和のうちに生存する権利を侵害するものです。県のこの問題の認識と、防衛省に説明を求めるべきと考えますがお尋ねします。

●総務部長

 次に、平和をめぐる諸問題に関する御質問のうち、自衛隊基地の強靭化についての2点のお尋ねにお答えします。

 まず、自衛隊施設の強靭化が、憲法が保障する県民の平和のうちに生存する権利を侵害するとの認識についてですが、国家防衛戦略に基づく防衛施設の強靭化は、本県を含む、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことなどを目的に行われるものと承知しており、御指摘は当たらないものと考えています。

 次に、国に説明を求めるべきとのお尋ねですが、防衛施設の強靭化は、国の資料によると、既存施設の更新や自然災害対策、新規装備品の導入などであり、今後、県内自衛隊施設における具体的な整備内容等について、地元自治体から説明の要請があれば、国に対して連携して対応してまいります。

◎藤本一規議員《再質問》

 さて、自衛隊の基地の強靭化の問題は、昨日国会で日本共産党の小池書記局長が取り上げました。そして、大臣、首相もそういう強靭化をするということを認めたのであります。

 小池晃参議院議員は、核兵器による攻鑿を想定して全ての司令部を地下化し構造を強化するものだと、現在の戦術核では、広島型原爆の数倍の威力だと強調して、もし使用されたら、筆舌に尽くしがたい惨禍をもたらす断じてあってはならないということで警告いたしました。

 昨日の質問では、県内8カ所が7カ所ということでしたけれども、市町から要請されたら、県として市町と一緒に照会しないではないということでしたけれども、これだけ県内の7カ所で核兵器を想定した強靭化が行われるということに対して、県民の命を預かる県として国に内容を照会するべきだと思いますが、お尋ねしたいと思います。

●総務部長

 それから、自衛隊基地の強靭化についての再質問でございます。

 先ほど御答弁申し上げましたけれども、防衛施設の強靭化は、国の資料によりますと、既存施設の更新や自然災害対策、新規装備品の導入などでありまして、今後、その指針などを含めまして、地元自治体から説明の要請があれば、国に対して連携して対応してまいります。

教育行政について

◎藤本一規議員

 質問の第4は、教育行政についてです。

 第1は、県立高校再編整備計画についてです。

 先日、宇部西高校元教諭の方から次の手紙が届きました。

手紙には、宇部西高は県内の造園業者の後継者育成にも貢献していること、国・県の公務員、大学教授など有為な人材を輩出してきたことが綴られ、「100年以上の伝統校をなぜ廃校にする必要があるのか」と訴えています。県は、宇部西高校の廃校を撤回し、近隣の学校との統合や分校化などを検討すべきです。お尋ねします。

 県教委の予算案には、県立山口農業高校に「造園の教育機能」をもたせるための事業が盛り込まれています。県教委は、宇部西高校がもつ造園機能や園芸、福祉の機能をどの学校にどのように継承しようとしているのか、お尋ねします。

●副教育長

 教育行政についてのお尋ねのうち、まず、県立高校再編整備計画についての2点のお尋ねにお答えします。

 最初に、宇部西高校の生徒募集の停止を撤回し、近隣の学校との統合や分校化などを検討すべきではないのかとのお尋ねです。

 「県立高校再編整備計画前期実施計画」については、何よりもまず、将来を担う子どもたちにより質の高い教育を提供できるよう、全県的な視点に立って策定をしているものでありまして、見直すことは考えておりません。

 次に、県教委は、宇部西高校がもつ造園機能や園芸、福祉の機能をどの学校にどのように継承しようとしているのかとのお尋ねです。

宇部西高校がもつ教育機能等については、山口農業高校など、他の学校に継承するよう準備を進めているところであり、具体については、今後、学校と連携して検討してまいります。

◎藤本一規議員《再質問》

 宇部西高校の問題でございますが、教育長のところにですね、山口県造園建設業協会、日本造園建設協会山口県支部、日本造園組合連合会山口県支部、山口県緑化樹生産農業協同組合から要請がなされています。

 1つは、宇部西高校の存続、そして、宇部市近辺高校への造園科の新設、そして、宇部西高校の造園実習地の継承、継続使用又は同施設の新設ということが要請されていますが、県として、この問題について、教育委員会として対応されるのかお尋ねしたいと思います。

●副教育長

 まず一点目です。

 山口県造園建設業協会等からの要望書に関するお尋ねがありましたけれども、個別の要望書への対応については、当該要望者との間で行うべきものだと考えておりますので、詳細のお答えは控えさせていただきます。

けれども、先ほどお話ししましたように、宇部西高校の造園などの教育機能については、山口農業高校など、他の学校に継承することにしております。

◎藤本一規議員《再々質問》

 それから3月1日にですね、西高の存続を求める会から改めて公開質問状が出されております。

 一つはですね、何で大多数の地域の意見を無視したか。どう答えますか。

そして、学籍に関する文書の保管は、今後どうするのか、これにどう答えますか。お尋ねしたいと思います。

●副教育長

 まず、宇部西高校に関するお尋ねですけども、学校や地元の関係者の御意見は様々あることは承知しております。学校の存続を望む方々からの思いは重く受け止めております。

 しかしながら、このたびの計画は、何よりもまず、これから入学してくる、将来を担う子どもたちに、より質の高い高校教育を提供するという基本的な考え方に立って、「第3期県立高校将来構想」に基づき、中・長期的な視点から策定しているものでありますので、見直すことは考えておりません。

 また、学籍に関する文書等の取扱いをどうするのかということに関しては、証明書類の発行、それから今、申し上げた学籍に関する文書の管理等を行う高校については、現在、検討を進めているところであります。

◎藤本一規議員

 第2は、少人数学級についてです。

 県教委は、1月末、「2023年度、加配を一時的に凍結する。中学校2年・3年で1学級の生徒数の上限を35人から38人に増やす」との予定について、各市町教委に連絡しました。事実経過と、なぜ、新年度目前での提示になったのかお尋ねします。

 中国新聞に県民の次の声が掲載されました。「県教委は学級数を減らせば『教科の未履修を防ぎ、担任を確保できる』としているが、学級定員を増やすことは現場の教員に負担増を強いることである。生徒一人一人へのきめ細かい指導は、より厳しくなる」と指摘するものです。

 教員にも生徒にも負担を強いる1学級の上限増は撤回すべきです。県教委、市町教委の教員を動員してでも、来年度、小中学校の35人学級化を堅持すべきですがお尋ねします。

●副教育長

 次に、少人数学級についての2点のお尋ねにお答えします。

 まず、事実経過等についてですが、本年1月の緊急調査の結果、来年度当初の大幅な教員不足が見込まれることが判明し、1月末に、各市町教委に対し、中学校2, 3年の35人学級化等の臨時的な見送りについて連絡したところです。

 次に、35人学級化を堅持すべきとのお尋ねですが、県教委としては、義務教育の機会均等と教育水準を維持する観点から、まずは学級担任の確保や各教科の履修を全県で確実に行える教員の配置体制を堅持するため、このたびの対応を判断したものです。

◎藤本一規議員《再質問》

 少人数学級の問題です。

 ①知事が2015年当時、全国に誇れる35人学級だということで大きくアピールをされております。このことが崩れることに対する認識についてお尋ねしたいと思います。

 ②それから、この知事の顔の出た、35人学級がいかにすごいかということで、アピールの1つに、不登校が少ないということを訴えていらっしやいます。国の不登校出現率の平均よりも山口県の不登校出現率の平均の方が低いということでございますが、新しい資料をもらいました。2021年の小学校は不登校出現率が全国よりも低いんですけれども、中学校は全国の出現率よりも高いんですよ、2021年。そういう中で新年度38人になったらまた不登校の数が増える。少人数学級の効果が減少するということは明らかだというふうに思いますが、それに対する認識をお尋ねしたいと思います。

●副教育長

 中学校での38人学級をやめるべきではないかとのお尋ねです

 けれども、これは大変厳しい判断ではありましたけれども、義務教育の機会均等と教育水準を維持する観点から、中学校2, 3年について、35人学級化の一部を臨時的に見送り、まずは学級担任の確保と各教科の履修を全県で確実に行える教員の配置体制を堅持する対応としたものであります。

 関連して、不登校対策をどうするのかというお尋ねがあったかと思いますが、これについては、今回の見送りは中2、中3でありますけれども、不登校が出やすくなる中1に対しては、来年度、新規事業であります、中学校及び高校0年生からの教育相談事業に加えて、また当然これまでの取組も行っていきますけども、新規事業に加えて未然防止、それから初期対応に取り組み、適切に対応してまいりたいと考えています。

◎藤本一規議員《再々質問》

 2024年、再来年度は少なくとも35人学級化に戻すと新聞報道にあるが、そのことを答弁で確認したいと思います。

●副教育長

 35人学級化に関するお尋ねです。

 市町教委とともに、年間を通じて、臨時的任用教員の確保でありますとか、新たな人材の掘り起こしを行うなど、中学校2年、3年の35人学級化の今回の臨時的な見送りが、1年限りとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。

◎藤本一規議員

 第3は、多様な学びの保障についてです。

 2021年の不登校児童生徒数は、小学校807人、中学校1796人、高校348人合計2951人と過去最多です。県教委が最も重視して取り組むべき課題の一つが不登校対策です。不登校の子どもたちの多様な学びを保障することが急務です。

 1つは、夜間中学についてです。

 県は、この程、不登校や家庭の事情で通学できなかった人と、その保護者や支援者の協力を得て、夜間中学に対するアンケートを行い、「通ってみたい」との回答が7割近くという結果が出ました。この調査結果を受け、夜間中学の設置を急ぐべきですがお尋ねします。

 2つは、不登校特例校についてです。

 昨年6月に発表された国の骨太方針に「不登校特例校の全都道府県等での設置」が明記されました。県は、国の方針を受け、不登校特例校の設置を急ぐべきですがお尋ねします。

 3つは、高校進学希望者への分教室についてです。

 県教委は、高校進学を希望する不登校の生徒を対象とした分教室に教員を配置しています。現在、山口市と下関市に設置していますが、宇部市など他の都市にも拡大すべきですがお尋ねします。

 4つは、県立高校での通級指導についてです。

 今年度、公立中学校で通級指導を受けている生徒は、579人に対し、県立高校では7人です。文科省の2020年度の調査に県は、17名の通級指導が必要としながら、9名しか実施しませんでした。県教委は、県立高校での通級指導を行う体制を拡充すべきですがお尋ねします。

●副教育長

 次に、多様な学びの保障についての数点のお尋ねにお答えします。

 まず、夜間中学についてですが、県教委では、今回のニーズ調査の結果を踏まえ、今後各市町教委と協議の場を設け、引き続き夜間中学設置の必要性について検討していくこととしています。

 次に、不登校特例校の設置を急ぐべきとのお尋ねですが、まずは、市町教委等と連携し、本県の不登校児童生徒の実情やニーズの把握に努めてまいります。

 次に、高校進学を希望する不登校の生徒を対象とした分教室の設置については、市町教委で判断されるものと考えています。

 次に、県立高校での通級指導を行う体制を拡充すべきとのお尋ねについてです。

 各高等学校において、現行の支援体制のもとで、担当教員の効果的な配置や中学校からの支援情報の確実な引継ぎを行うことなどにより、引き続き、通級による指導を希望する生徒のニーズに適切に対応してまいります。

自然保護行政について

◎藤本一規議員

 質問の第5は、自然保護行政についてです。

 1つは、「生物多様性やまぐち戦略」についてです。この戦略において、「今後、国が『生物多様性国家戦略2012-2020』を改訂した際には、見直しを行う」としています。

 現在、国は、「生物多様性国家戦略2012-2020」の見直し作業を行っており、今月中にも閣議決定を行うスケジュールです。

 国が国家戦略を見直した場合、県は「生物多様性やまぐち戦略」を見直し、県環境基本計画から独立して個別のものとすべきですがお尋ねします。

 2つは、生物多様性地域連携促進法に基づく、地域連携保全活動支援センターの設置についてです。

 全国15道府県で、地域連携保全活動支援センターが設置されています。県は支援センターを設置すべきですがお尋ねします。

 3つは、アブサンショウウオの保全についてです。

 2022年1月、アブサンショウウオが、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく特定第2種国内希少野生動植物種に指定されました。県は、特定第2種国内希少野生動植物種のアブサンショウウオの保護をどのように進めているのかお尋ねします。

 県希少野生動植物種保護条例に基づき、県は、これまでに、4つの希少野生動植物種を県の指定希少野生動植物種に指定しました。国内希少野生動植物種に指定されたアブサンショウウオを県指定の希少野生動植物種にするよう専門家と協議すべきですがお尋ねします。

●環境生活部長

 まず、「生物多様性やまく、ち戦略」を県環境基本計画から独立して個別のものとすべきとのお尋ねです。

 生物多様性の保全を図るためには、希少種の保護対策などに加え、気候変動や廃棄物対策、水質の保全など、環境分野の幅広い対策を講じる必要があります。

 そのため、これらの対策を包含する環境基本計画と整合性を図り、分かりやすいものとするため、「生物多様性やまぐち戦略」については、個別の計画として策定するのではなく、環境基本計画と一体的に策定しています。

 こうしたことから、今後、国が国家戦略を改定した際はその内容を踏まえ、環境基本計画の一部を見直すことで対応したいと考えています。

 次に、地域連携保全活動支援センターの設置についてです。当該センターは、生物多様性の保全活動に地域住民、NPO、企業など多様な主体が連携して取り組めるよう、必要な連携・協力の斡旋、情報の提供などを行う拠点であり、設置については、地方公共団体の努力義務とされています。

センターに求められる業務については、既に県自然保護課で実施しており、新たに設置することは考えていません。

 次に、アブサンショウウオの保護についてです。

 アブサンショウウオに限らず、希少野生動植物については、レッドデータブック等を活用して、広く県民や事業者に周知し、保護活動の機運醸成や、事業活動での必要な配慮を求めることなどにより、その保護に努めています。

 次に、アブサンショウウオを県希少野生動植物種に指定するよう専門家と協議すべきとのお尋ねです。

 県希少種については、指定に先立ち、専門家で構成される検討委員会において、科学的知見に基づく選定がされています。

 県としては、アブサンショウウオについても、検討委員会に対し、必要な情報提供を行ってまいります。

◎藤本一規議員《再質問》

 生物多様性についての問題についてでございますが、別個にするかどうかはちょっと置いておいて、国がもう国家戦略を素案を出して、これから閣議決定しようとしてるんですよ。年度内にも閣議決定されることになれば、新年度、この山口県の生物多様性地域戦略は改定されるのかということについてお尋ねします。

 それから、30by30の問題についてでありますが、これについてもですね、面積を広げなさい、ということが国から言われています。さて、私昨日、きらら浜自然観察公園に行って、山口湾をラムサール条約の登録地にする運動について、レクチャーを受けました。この山口湾をラムサール条約の登録地にするように、やっぱり「生物多様性やまく、ち戦略」の改定作業の中で位置づけるべきだというふうに思いますけれども、質問をさせていだたいて、2回目の質問とさせていただきます。

●環境生活部長

 まず、国家戦略が今月中に改定されるので、新年度で見直すのかというご質問であったと思います。国家戦略を受けて、県の戦略を見直すことになりますが、そのスケジュールについては、見直しの中で検討したいと考えています。

 30by30の目標であるとか、山口湾のラムサール条約の登録ということを示され、それと県の戦略の見直しの中での位置づけについてお尋ねがございましたが、いずれにしましても、その国の戦略改定を受けて実施する見直しの具体的な内容については、現時点、お答えすることはできません。

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