環境壊す「美和町太陽光発電所」建設中止を求める声に応えろ
藤本一規議員
「美和町の自然を守る会」は3月3日、「ヒ素・鉛の有害物質が検出され、稲作と飲用水確保に深刻な影響をもたらす『美和町太陽光発電建設工事』の中止と林地開発許可の再検討を求める請願署名」783筆を村岡知事に提出しました。知事はこの署名をどう受け止めていますかお尋ねします。
業者に濁水対策の徹底、地元説明会の開催などを強く要請した
松岡正憲農林水産部長
県としては、太陽光発電所建設に係る林地開発行為は、地元住民の理解を得ながら実施されることが望ましいと考えています。
このため、請願署名の提出を受け、事業者に対し、改めて、出水期に向けた濁水対策を徹底するとともに地元自治会への説明会の開催、田植え時期の入水前における水質検査の実施の3点について強く要請したところです。
周辺権利者の同意なき林地開発許可は再検討を
藤本一規議員
県の林地開発許可制度の実施に関する要綱に「開発者と周辺権利者との紛争を防止するため、開発区域内に準じて周辺権利者の同意を得ることを原則とする」とあります。
美和町太陽光発電事業の林地開発許可申請には、隣接した立岩・片山自治会の同意書が添付されていません。要綱で定めた周辺権利者の同意が取れていない本件の林地開発許可は、再検討すべきですがお尋ねします。
地元自治体の同意は許可要件ではない
松岡正憲農林水産部長
地元自治会の同意は、森林法における許可要件とされていないため、周辺権利者の同意が取れていないことをもって、許可の再検討を行うことは考えていません。
事業者の「開発継続」能力に疑問あり
藤本一規議員
(開発許可を得た)カンクンエンジニアリングは、美和町太陽光発電事業を進める子会社の全株式を今年1月、「アール・エス・アセットマネジメント株式会社」に売却しました。
県の要綱に「許可を受けた後遅滞なく申請に係る開発行為を行うことが明らかであること」とあります。請願署名は、林地開発許可申請を行った事業者について「開発事業及び業務主体としての能力を有していない」と指摘しています。
県は、周辺住民が開発を行う事業者の「確実性」を疑問視していることにどう答えるのかお尋ねします。
「必要な資力や信用を有していることを確認」して判断
松岡正憲農林水産部長
県では、事業者が、いわゆるFIT制度に基づき、経済産業大臣による太陽光発電設備の認定を得ていること、また、資金計画や調達方法、構成企業の事業実績等、計画どおりに開発行為を行うために必要な資力や信用を有していることを確認の上、「確実性」を判断しているところです。
(2021年7月1日、この項終わり)