教授会未開催は「大学の自治」形骸化させる事態
木佐木大助議員
下関市立大学の設置者である下関市の前田市長自らが同大学の教員に招いたハン・チャンワン氏は、副学長、経営理事など要職を占め、ますます権勢を強めている。
その一方、本来、チェック機能を果たすべき経済学部の教授会は今年度、一度も開かれていない。これは「大学の自治」を形骸化させる事態ではないか。
学校教育法の規定であり文科省が判断すること
平屋隆之総合政策部長
大学の教授会については、学校教育法第93条第1項の規定に基づき置かれるものであることから、その開催に関する事項については、同法第15条の規定に基づき、文部科学省において判断されることとなります。
教育条件切下げの被害者は「学生」
木佐木大助議員
同大学では、教員の退職・転出に歯止めがかからず、教員不足のため今年度から「専門演習」の定員は14名から18名に増加した。大学の売りだった「充実した外国語教育」の専任教員は2名に減少したままである。
昨年度、外国語雑誌の購入予算が9割カットされたのに加え、今年度は付属図書館の図書購入費が半減された。
これは、教育条件の切り下げ・悪化ではないか。一番の被害者は学生の皆さんに他ならないと考えるが、見解を伺う。
大学人事や予算について指導・助言する権限は有していない
平屋隆之総合政策部長
教員の配置数や図書の購入予算についてのお尋ねでありますが、地方独立行政法人法の規定に照らし、県としては、大学の人事や予算について、指導・助言を行う権限は有していないことから、これらについて見解を申し述べる立場にはありません。
異常事態は「定款変更」によるものだ
木佐木大助議員
特定教員への権限の集中と教育条件の切り下げ・悪化という実態は、教育研究審議会から教育研究に関わる重要規程の改廃権と教員の人事権、懲戒権などを取り上げる等の定款変更がなければ起こらなかったと考えるが、伺う。
基準を満たしているから許可したもので問題はない
平屋隆之総合政策部長
定款変更については、地方独立行政法人法の規定や、国に準じて定める県の基準に基づいて審査を行った結果、基準を満たしていると判断をし、認可をしたものであり、これに問題があったとは考えておりません。
県には、学生の権利侵害の是正を市や大学に求める責任がある
木佐木大助議員
「大学における教育研究の特性に配慮しているものとなっている」と定款変更を認可した県には、少なくとも、学生の権利侵害にあたる教育条件の切り下げ・悪化は直ちに是正するよう下関市並びに大学に要請する責任があるが、見解を伺う。
教育条件等は大学が自主的・主体的に判断したもの。要請する考えはない
平屋隆之総合政策部長
教育条件の切り下げ・悪化は直ちに是正するよう、下関市並びに大学に要請する責任があるとのお尋ねですが、学生に対し、どのような教育を如何に実施するかについては、大学において自主的・主体的に判断し、対応されるものであり、県として要請を行う考えはありません。
下関市議会での専任教員数の「虚偽答弁」については調査すべき
木佐木大助議員
県はあくまで大学運営の問題として認可権者としての責任を回避していますが、大事な問題、看過できない問題が生まれました。
先週木曜日、下関市議会の共産党片山市議が、市大の専任教員の不補充問題を質したことに対し、答弁した市の総務部長は、あくまで市大当局から聞いた話として、意図的に専任教員と非常勤講師を混同させた答弁を行いました。
典型的なご飯答弁で、ご飯論法を朗じた許されない虚偽答弁であり、議会制民主主義を愚弄するものであります。
議会の中で虚偽答弁が行われているという点では、山口県としては、地独法122条3項、4項に基づいてきちんと調査をすべきではないか、改めて伺います。
教員人事は大学の判断。地独法の適用は考えない
平屋隆之総合政策部長
大学の運営に当たって、学生に対しどのような教育をどのように実施をするか、あるいはどのように教員人事を行うかといったことについては、地方独立行政法人法に規定がございませんので、大学において自主的・主体的に判断をし、対応されるものでございます。
したがいまして、お尋ねの地方独立行政法人法第122条第3項であったり、第4項、これは、法人又はその役職員が違法行為等を行った場合に、知事が設立団体又はその長あるいは緊急を要する場合には、当該独立行政法人に対して、必要な措置を講ずべきことを求めることができると規定されているものでありますけれども、 これを適用することは考えておりません。
(2021年6月29日、この項終わり)