政府レクチャー(2019年8月29日)_イージス・アショア問題

イージス・アショアの配備計画は撤回を

●適地調査において、実測でなく、Google Mapなど簡便な手法をとった理由は何か

各種データを使った。適切に用いれば大丈夫と考えていた。しかし、データの扱い、処理については適切ではないことがあった。

このため、部外委託により、現地での測量を実施することとした。

●萩市むつみ演習場周辺での実測調査は実施されたのか。実施済みであれば、その調査結果を明らかにされたい

前述の通り、西台一帯において現地測量を実施することにより、正確な標高を把握する。

●イージス・アショア配備に係る「検討結果」について

①レーダーの仰角は5度以上とすることを前提に「メインビームが地表に当たることはありません」と説明されているが、仰角5度なら、800㎞先の北朝鮮中部では、ミサイルが高度120㎞まで上昇しないと探知できず、迎撃ミサイルを発射するには実際的ではない

 どこから発射されるか、傾けて打つのか、不明。弾道ミサイルについては大気圏外で迎撃するもので、能力は有している。

 必ず「5度以上」ということではなく、下げる必要があるが、地表に当たることがあるので、それはできない。

 西台がレーダーの遮蔽になり得るため、西台一帯において現地測量を実施し、正確な標高を把握し、得られた情報を踏まえて、西台の遮蔽角を算出して、レーダーの運用において、メインビームが地表に当たらないように運用する

②仰角5度のメインビームは4~6度の範囲で広がりをもつので、結果的にサイドローブよりはるかに強い電波が西台周辺に撒き散らされる

メインビームの広がりがどれだけかは、レーダーの性能に関わる防衛秘密に属するものであり、説明できない。

③「西台の傾きをかわすには、仰角は9度以上必要」という指摘がされている。

 そうしたことはないと考えているが、西台一帯において現地測量を実施し、正確な標高を把握し、得られた情報を踏まえて、西台の遮蔽角を算出して、レーダーの運用において、メインビームが地表に当たらないように運用する

●電波の影響を防ぐための措置として、「万が一、地表方向にメインビームが照射されるような操作が行われた場合に、電波照射が停止する機能」を備えると説明されているが、そもそも、こうした機能を必要とすること自体、むつみ演習場は不適地なのではないか

住民のみなさんはもとより、敷地内の自衛隊員の安全確保にも必要と考えている。

●8月28日の防衛省の説明では、新屋演習場に係る適地調査では、18箇所の国有地と弘前演習場で航空レーザー測量を実施するとしている。岩屋防衛大臣はゼロベースで見直すというが、山口でも西台の測量だけでなく、他の国有地においても適地かどうかも含めて、調査するべきではないか

 ゼロベースとは、秋田県周辺の国有地で様々な間違いがあったから。山口では1k㎡の平坦な土地はないので、調査する予定はない。

●むつみ演習場もすべてが平坦な土地ではない。むつみ周辺の国有地においても詳細な測量を行い、結果を示すべきではないか?

 国土地理院のデータをもとに、その方向で示すことを考えている。実測調査を行う予定はないが、2ヶ月半の期間で、どのようなデータを示すかも検討していく。

●明日には概算要求が出されるが、むつみ、新屋演習場を前提とした経費は計上されないのか

 配備先を前提とした、特定した予算は含まれていない。標準設計は含まれるが、特定の配備先を前提としない設計であり、施設の標準的な平面や断面等の図面を作成するものだ。

●「周辺の溜池には、地下水(演習場内の地中に浸透した雨水)は流れていないことが分かりました」との説明に対し、①東台の下の地下水を北から南に流しているが、逆向きの南から北が正解ではないか。北から南だと言うのであれば、それを説明する合理的な地下構造図とその根拠を示すべきだ。

地下の水の動きをシュミュレーションし、各種データをもとに確認した。その結果として、整合している。

●西側の地下水の流域界線の位置が西側すぎるのではないか。これを合理的に説明する地下構造図とその根拠を示すべき、との指摘がされている。

シュミュレーションの結果から作成されたもの。水は様々な方向に流れるが、説明資料の矢印は、地下水の大きな流れを記載したもの。

(以上)

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