軍事目的の宇宙レーダー基地は容認できない
●宇宙監視レーダーの建設場所として、海上自衛隊山陽受信跡地(山陽小野田市)を適地とした理由を説明されたい
人工衛星の静止軌道である高度約4万キロメートルを見る監視レーダー施設。宇宙ゴミが70万個以上、浮遊しているといわれており、人工衛星に当たると機能が停止する。そういう事態が起こらないように、監視する必要がある。
山陽小野田市を適地としたのは、天候の影響が小さい、晴天率が高いこと。レーダー設置の面積を有すること。周辺地域に電波による影響を与えないか、などを総合的に考えて、決定した。
●適地とするにあたって、どのような調査を実施し、住民生活への影響について、どのような判断をしているのか説明されたい
健康被害がないかについては、宇宙空間を監視するための施設なので、レーダー波を地表に向けて出すことはない。レーダーの設計はこれからだが、敷地内にとどまるような設計を行いたい。
●2017年11月21日の地元説明会では「地元の理解が得られれば、今年度中に地質調査に関する業者との契約を行うなど施設整備に着手する」との説明があったが、「地元の理解」とは何を指すのか
市からは国策だから、住民に不安がないように丁寧に説明してもらいたいと話を聞いている。
●計画している宇宙監視レーダーの仕様(国産あるいは米国産等)及び施設全体の概要を示されたい
基本設計は三菱電機を予定しており、国産の予定。直径15メートルのパラボラアンテナ6基や電源局舎を整備する。
●宇宙監視レーダーの運用による生活環境への影響をどのように評価しているのか
総務省の電波防護指針にもとづいて影響がないように対処する
●宇宙監視レーダーの目的、運用などについて
①「平成31年度防衛関係予算のポイント」では、宇宙状況監視(SSA)システムの整備に260億円)が計上され、「 米軍及び国内関係機関等と連携し、宇宙状況監視の実運用を担うため、Deep Space監視用レーダー及び運用システムを整備」と記されている。平時からの米軍への軍事情報の提供は、存立危機事態に集団的自衛権を認めた安保法制にすら違反するものではないか
監視データの提供は違反するものではない。ただし、生々しい(リアルタイムでの)情報提供は可能性があるが、それは想定していない。
②他国の人工衛星を攻撃するいわゆる「キラー衛星」も監視対象とする、と報道されているが、事実か
あくまでも人工衛星の運用が妨げられないよう、宇宙ゴミを監視するのが目的。当然、監視するなかで、他国の衛星に接近して活動を妨害したり、攻撃したりする「キラー衛星」の動きをとらえることはありえるが、主目的は宇宙ゴミの監視である。
(以上)