自治制度である国保運営への横やり許すな
木佐木議員は、2018年4月から県単位化された国民健康保険制度について、新年度に向け改定作業中の国保運営方針に、法定外繰入の禁止や県内市町の保険料水準の統一などを押しつけることがないよう質しました。
新年度からの国保運営方針について財務省は、10月8日に開催された財政制度等審議会の分科会において、①一般会計からの法定外繰入を事実上、禁止している介護保険制度と同様の法整備を行う、②国保の保険料水準を統一するため、国保運営方針に統一までの工程や期限を記載する、ことを求めています。
木佐木議員は、「国保制度は自治事務であり、財務省の提言は地方分権にも逆行する横やり。この2点について県はどう対応するのか」と質しました。
「保険料水準の統一は、市町との具体的な議論が重要」
弘田健康福祉部長は、「厚生労働省は、法定外繰入れの計画的・段階的な解消・削減に取り組んでいくとしており、法整備については、国の責任において行われるものと考えている。また、保険料水準の統一について、厚生労働省は、今般改定された国保運営方針策定要領において、市町との具体的な議論を深めることが重要としており、今後、県と市町で構成する国保連携会議等で議論を進めることとしている」と答えました。
国保への生活保護受給者の加入は医療扶助削減が狙い
また、木佐木議員は、「財務省は生活保護受給者を国保に加入させる案まで提案している」と指摘し、「都道府県の管理強化で過剰な受診を抑制し、生活保護費の半分を占める医療扶助を削減するのが狙い。国保財政の悪化や保険料負担の増加につながりかねず、引いては社会保障制度の根幹を揺るがす恐れも懸念されます」と強調し、見解を尋ねました。
「国保財政に影響及ぼすもので、国の責任で制度設計されるもの」
弘田健康福祉部長は、「生活保護受給者を国民健康保険に加入させる案についてですが、被保険者の範囲等は、国保財政に大きな影響を及ぼすものであり、国の責任において制度設計されるものと認識しています」と答えるに留まりました。
(2020年12月3日)