「核保有国と非核兵器国との橋渡し」は破綻。「ヒバクシャ国際署名」に署名を
木佐木大助議員は、村岡嗣政知事に対し、核兵器を禁止し、廃絶する条約を全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」に署名するよう改めて迫りました。
核兵器の使用はもちろん、開発、実験、生産、そして威嚇までを違法化する核兵器禁止条約を批准した国と地域が50に達し、来年1月22日の発効が確定しました。一方で、日本政府が、これに背を向けていることは、唯一の戦争被爆国としてきわめて恥ずべきことです。
この間、村岡知事も「国の取組を尊重する立場に立って、現時点では『ヒバクシャ国際署名』の署名は考えていない」との立場を繰り返し答弁してきました。
木佐木議員は、日本政府は、核保有国と非核国の「橋渡し」をすると主張してきたが、11月3日開かれた国連総会第1委員会で日本政府が提出した「核兵器のない世界に向けた共同行動の指針と未来志向の対話」の決議の共同提案国は2016年の109カ国から今回は26カ国へと激減したことを指摘。
加えて、ロシアと中国は同決議案に反対し、昨年、賛成したフランスは包括的核実験禁止条約発効の位置づけが弱められたことなどを理由に棄権し、核保有国の賛成は米英の2カ国だけとなったことを明らかにし、日本政府の「核保有国と非核保有国の橋渡し役」という言い分は、いまや「橋」の両端が崩壊し「橋渡し論」なるものが、国際的に孤立していることは明らかだと厳しく批判。「核兵器禁止条約の発効が目前に迫った今、あらためて「ヒバクシャ国際署名」に堂々と応えるべき時だ」と迫りました。
「あくまでも国の取り組みを尊重する立場から署名しない」
村岡知事は、「核兵器の廃絶自体は、強く願っているが、核兵器のない世界に向かっていくための手法については、国の専管事項である安全保障とも密接に関わっている事から、国民の命と平和な暮らしを守る観点で、国において、しっかり検討して進めてもらいたい。こうしたことから、私は、あくまでも国の取り組みを尊重する立場に立って、現時点においても署名することは考えていない」と従来の立場に固執しました。
「核兵器廃絶は人道問題との見地に立って署名すべき」
木佐木議員は、核兵器禁止条約には「核兵器の使用は人道の諸原則及び公共の良心にも反する」と明記されていることを指摘し、「核兵器廃絶は、安全保障という狭い領域の問題ではなく、人道に関わる問題。だからこそ、これまでの20都道府県の知事を含む1,291自治体の首長が、この署名に署名している。署名できない理由をあれこれ並び立てることはやめて、人道に関する問題であるとの見地に立って、署名すべきだ」と改めて求めました。
「署名することは考えていない」
村岡知事は、「核兵器のない世界の実現を願うものだが、そのための手法については、国の取り組みを尊重する考えであり、署名することは考えていない」と拒否しました。
(2020年12月3日)