2090万円のセンチュリー購入に道理なし
藤本一規議員は、今年4月、県が「皇室対応用車両」として高級車「センチュリー」を購入していた問題を取り上げました。
県は、今年4月1日、皇室対応用車両として高級車センチュリーの一般競争入札(応札は「山口トヨタ山口店」のみ)を行い2090万円で落札され、8月2日に納車されました。
センチュリー購入に対しては、11月26日夕までに212件の意見が県に寄せられ、うち199件が批判的な意見でした。
藤本議員は、
①昨年度まで1台だった皇室対応用車両を新たに購入するに当たって、宮内庁から県に皇室対応用車両を持つような要請はあったのか。
②2台の皇室対応車両は、日常的には県議会の議長、副議長の送迎に使われている。皇室対応用車両というのは方便で、実際には議長車を新たに購入するのが目的だったのではないか(資料)
③来年度の予算編成に向けて、70億円もの財源不足が予測される中で、なぜ2000万円を超える高級車を購入する必要があったのか。
④購入費用に充てられた会計管理局所管の「備品購入費」について、今年度の「予算説明書」には備品購入費2,496万円と記されているだけだ。なぜ、県議会や県民に「センチュリー購入」を一切知らせないまま、購入したのか。
⑤地方自治法第148条第1項は「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の事務及び法律又はこれに基づく政令によりその権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務を管理し及びこれを執行する」と規程しているが、村岡知事は、10月27日の記者会見で「予算編成過程の中では個別の協議はなかった。購入の段階、納品される前に担当課から報告はあった」と述べています。地方自治法に照らして、知事として適切に事務を管理し、執行したとは言い難い事態ではないか。
「宮内庁からの要請はない」と認める一方、「問題はない」と開き直り
内畠義裕会計管理局長は、
①皇室対応用車両の保有について、宮内庁から県に対しての要請はない。
②今回の車両購入は、老朽化したセンチュリーを更新するもので、併せて、県全体の保有を3台から2台に削減した上で、効率的な運用を図るため県側において一元管理し、県側での使用がない時は、議会へ貸し出しを行うものだ。
③今回の更新は、皇室・貴賓者用車両という性格上、車両への信頼やこれまでの運用実績において、特段の問題もなかったことを踏まえて、従来どおりとした。
④予算説明書への記載については、これまでも、一括して金額のみを計上してきた。
⑤(地方自治法との係わりについては)備品購入費など内部的経費については、総額を抑制していくという知事方針に基づいており、指摘は当たらない。
などと聞いたことには答えない「ご飯論法」的な答弁に終始しました。
公用車購入に県民から納得得られるルールづくりを
藤本議員は、①村岡知事が記者会見などで「公用車は更新時に用途や使い方を見直す必要がある」と述べていることを踏まえて、更新時に公用車の用途や使い方を検討する「公用車購入ガイドライン」を作成する、②現在、2000万円以上の物品の売り払いの決裁は「知事」とする一方、物品購入については600万円以上を「会計管理局長」としている県事務決済規定を「2000万円以上の物品購入は知事の決裁」と見直す、など県民から納得得られるルールをつくるよう提案しました。
ガイドライン作成も、見直しも必要ない
内畠会計管理局長は、①公用車購入は、使用目的により、車種や型式等を決定しており、統一的なガイドラインを作成することは考えていない、②物品の購入と売り払いとでは、その性質も事務手続きも異なることから、同じ扱いにすることは考えていない、と聞く耳持たずの答弁でした。
(2020年12月2日)