⬛2020年2月議会報告:反対討論:木佐木大助議員_3

森林整備の予算は、目的税でなく、一般財源で

 議案第28号は、いわゆる森林づくり県民税の徴収期間を5年間、延長する条例改正です。

 森林がもつ山地災害の防止など多面的機能を守るための施策の重要性は十二分に理解していますが、必要な予算は、一般財源で措置すべきであり、個人県民税には年額500円、法人県民税には年額1000円から4万円を上乗せして負担を課すことは納得できません。

 しかも、制度創設から15年経過した今年度実施された県政世論調査でも、「森林づくり県民税」を「知っている」のは23%で、52.5%が「知らない」という状況です。過半数の県民が知らない税金を徴収するのは税制民主主義にも反します。

加えて、政府は2024年度から住民税に1000円を併せて徴収する「森林環境税」の導入を計画しています。明らかな二重課税となります。

 こうした状況では、県民の納得は到底得られないと考え、反対します。

教員定数は減員でなく、増員を

 議案第37号は学校職員定数条例の一部改正です。

 公立の小中高校、中等教育学校、特別支援学校の教職員を179人減員する改正です。さきに述べたように、教職員の大幅増員は待ったなしの課題です。国に標準法の抜本的な改定を求めるとともに、県独自の増員も検討すべきであり、反対します。

県事業に対する市町負担金は廃止せよ

 議案第65号は、今年度の建設事業に要する経費の一部負担を市町に求めるものです。

 2010年度から事務費にかかわる負担金を市町に求めない改善が始まりましたが、それでも今年度の負担金総額は39事業で38億3800万円にも上っています。

 県内すべての市町が、県民ニーズに応えて、子どもの医療費助成制度を大幅に拡充しています。本来、県が責任を負うべき財政負担を肩がわりしているのです。せめて、建設事業に要する経費の一部を市町に負担させる制度は廃止して、市町の財政を側面支援すべきであり、反対します。

持続可能な医療の提供体制の確保は県民の願い

 次に請願第1号、「実情に見合った持続可能な医療の提供を求める意見書」を求める請願についてです。

 厚労省が、県内13の公立・公的な医療機関を名指しして、再編統合、病床削減などの具体的計画の提出を求めたことは、住民の安心・安全を脅かすものであり、撤回されるべきです。同請願は採択されるべきであり、不採択とした委員長報告に反対します。

 最後に、今年度末をもって、本会議に出席されている10人の参与員の方々をはじめ、多くの県職員が退職されます。

 この間、議場から厳しい言葉を突きつけることもありましたが、県民福祉の向上をめざす立場では共通していたものと思います。日本共産党県議団を代表して、心よりお礼申し上げます。

 退職される職員のみなさん。今後も健康に留意され、新しい分野で末永くご活躍されるよう祈念するものです。

 以上で、討論とします。ありがとうございました。

(2020年3月12日)

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