新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界各国は次々と経済対策を打ち出しています▼例①=企業規模を問わず、休業を余儀なくされた従業員の給与は、月33万5千円を上限に政府が肩代わり。非正規雇用も対象とし、当面3カ月実施、延長も検討する▼例②=失業保険の対象とならない自営業者、契約労働者、フリーランスを対象に、月15万円を最大、4カ月支給する▼例③=一世帯に30万円給付する。対象は、今年2~6月のいずれかの世帯主の月収が、コロナ発生前より減少して住民税非課税水準(夫婦と子ども一人の3人家族で年収約200万円以下)となった世帯、もしくは収入が半減し、住民税非課税(同前)水準の2倍以下まで落ち込んだ世帯。対象となるのは多く見積もっても2割程度です▼例①はイギリス、例②はカナダ。例③は安倍首相が「事業規模108兆円。世界的に見ても最大級の経済対策だ」と自画自賛して打ち出した対策の一つですが、看板は「偽りだらけ」▼「自粛」によって、多くの国民が日々の生活と将来に不安を抱いているのに、支援の対象を「線引き」によって狭め、困っている人々の中に「分断」と「不公平」を持ち込むものです。そもそも「108兆円」は完全な水増しで、実際に新たに国が直接支出する金額は18兆円程度に過ぎません▼7日、安倍首相は7都府県に「緊急事態」を宣言しましたが、安倍政権の存続こそが、国民にとって「緊急事態」です。
(2020年4月8日記)