■2020年9月議会一般質問■藤本一規議員_4

環境壊す風力発電所は抜本的な事業見直しを求めよ

 藤本議員は、阿武町に持ち上がった風力発電所建設計画に関して、環境アセスの計画段階環境配慮書に対する知事意見のあり方を質しました。

 今年7月8日、徳島県知事は、那賀・海部・安芸風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対し、同事業の取りやめも含めた計画の抜本的な見直しを求めました。

 また、8月19日には広島県知事も、広島西ウインドファーム事業に係る計画段階環境配慮書に対し、抜本的な事業の見直しを求めました。

 一方、村岡知事は9月8日、阿武風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する知事意見を示しましたが、抜本的な計画の見直しを求めていません。

 藤本議員は、「知事はなぜ、抜本的な事業計画の見直しを業者に求めなかったのか」と質しました。

環境影響あれば「計画の見直しの具体的な対応」を求めている

 神杉環境生活部長は「環境影響評価制度において、知事は、事業者等に対し、環境保全上の見地からの意見を述べるものとされており、事業の可否を判断することはない。このため、今般の知事意見では、環境影響を回避または十分に低減できない場合には、風力発電設備の配置等の再検討、事業実施想定区域の見直し及び基数の削減など、事業計画の見直しについて、具体的な対応を求めている」と答えました。

個人差大きい低周波音は1年かけて測定を

 また、前述の徳島県知事の意見書では、①環境省が通知やマニュアルで、低周波音に関する感覚については個人差が大きく、参照値以下であっても低周波音が許容できないレベルである可能性が残されているため、個人差があることを考慮し判断することが極めて重要である、②地形や植生による影響のほか、季節によって気候条件が異なるので、1年間の測定が必要、とするなど、十分な調査を行い、地域住民に被害が生じない計画とするよう求めています。

 藤本議員は、「県は、低周波音について、参照値以下であっても測定する必要があると認識しているのか、また、1年間の測定が必要だと認識しているのか」と質しました。

低周波音は「参照値のレベルに関係なく1年間の測定が必要」

 神杉環境生活部長は、①低周波に関する参照値について、環境省は、低周波音に関する苦情対応の評価指針であり、環境アセスメントの環境保全目標値などとして策定したものではないとしているが、風力発電施設から発生する騒音等による環境影響が懸念されることから、県としては、低周波音の測定は、参照値のレベルに関係なく必要であると認識している、②1年間の測定が必要との認識の下、知事意見では、環境省が定めた指針や測定マニュアル等を踏まえて、季節ごとに加え、時間帯ごとの調査、予測、評価の実施を求めている」と答弁しました。

(2020年9月28日)

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