コロナ禍で経営難の医療機関に手厚い支援を
藤本議員は、新型コロナウイルスの感染拡大で受診抑制が広がり、病院経営に深刻な打撃が広げっている問題を取り上げました。
県立総合医療センター(防府市)では、今年1月から7月までの外来患者数は、前年比6000人減、医療収益は1億5000万円の減収です。
また、山口県保険医協会が行った5月の調査では、県内92.2%の医療機関で患者が減少し、89.6%で診療収入が減少していることがわかりました。
藤本議員は、「コロナ禍で減収した医療機関を支えることは、県民の命を守る急務の課題。県は医療機関の減収対策にどう取り組んでいるのか」と質しました。
融資の周知とともに財政支援策を国に要望
弘田隆彦健康福祉部長は、
①県立総合医療センターは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて厳しい経営環境にはあるが、5月以降の医業収益は改善傾向にある。同センターについては、地方独立行政法人山口県立病院機構が、自らの権限と責任を持って病院経営を行っているところであり、県としては必要に応じ助言等を行う。
②経営に支障が生じている医療機関等に対して、国の福祉医療機構による無利子・無担保での優遇融資に併せ、県においても、新型コロナウイルス感染症対応資金を創設しており、その活用が図られるよう、県医師会等を通じて周知を行う。また、国に対しても、医療機関の経営悪化に歯止めをかけ、持続可能な経営に資するよう、財政支援等について、知事会等を通じて、要望している、と答えました。
コロナ患者の治療にあたる医療関係者に支援金を
藤本議員はまた、コロナ感染症患者への医療行為を行う医師や看護師等への支援金を検討するよう求めました。
広島県は、コロナ感染症の患者等へ医療行為を行う医療関係者に特殊勤務手当等を支給する医療機関に対し、1日4000円を上限に支援金を交付しています。中国地方では、島根県も同様の制度を実施しています。
藤本議員は、「県独自に、新型コロナウイルス感染症の患者へ医療行為を行った医療関係者へ特殊勤務手当等を支給する医療機関を山口県は支援すべき」と迫りました。
「診療報酬が引上げられており、支援は考えない」
弘田健康福祉部長は、「新型コロナウイルス感染症の患者等を受け入れる医療機関については、医療従事者に危険手当が支給されることを念頭に、診療報酬の引上げが行われていることから、県として支援することは考えていない」と冷たく拒否しました。
(2020年9月28日)