岩国基地のFA18(12機)がF35B16機に拡大強化
防衛省は8月26日、今年10月以降、米軍岩国基地に駐留するFA18ホーネット2個部隊のうち、1個部隊約12機を、F35Bステルス戦闘機約16機へ段階的に機種更新することを明らかにしました。
これを受けて8月27日、山口県と岩国、周防大島、和木町で行った21項目の文書照会に対する回答及び騒音予測コンターが今月14日、防衛省から提示され、県と関係市町は16日には、「基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではない」との検討結果を出しました。
4機増えることで生活環境への影響は必至
木佐木議員は第1に、防衛省は2017年のF35Bへの機種更新の際、約4機減少しているため、総数は変動していないとしているが、現時点と比較すれば4機増えることは紛れもない事実。生活環境に影響を与えることは皆無と言えるのか、と質しました。
「騒音は一部増加するが、全体として影響は小さい」
藤田昭弘総務部理事は、「騒音については、今回の機種更新前と比較して、陸上部分において70W値以上の地域が一部増加するものの、各騒音測定地点での予測値にほとんど変化はなく、全体として騒音に与える影響は小さいと判断している。また、安全性についても、飛行の安全に影響する問題はないことなどを総合的に評価し、基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないと整理した」と強弁しました。
市街地上空の飛行はあってはならない
木佐木議員は第2に、「騒音予測コンターは、防衛省が机上で決めた標準的な飛行ルートを基に作成されたもの。国も詳細については、米軍の運用に関わることで承知してないと回答しており、実際は岩国市街地上空はおろか、広島市や廿日市市上空での飛行が度々目撃されている。F35Bは標準的な飛行ルート以外を飛ぶことはないと断言できるのか」と質しました。
「標準的経路以外を飛行する場合もある」
藤田総務部理事は、「国によると、騒音予測コンターにおける標準飛行経路は、日米間で確認した米軍機の標準的な飛行経路を用いており、実際にも、おおむねこの経路を飛行しているところだが、緊急時や気象条件等により安全性を確保する場合等は、経路以外を飛行する場合があるとのことだ」と標準的な飛行経路以外の飛行を否定できませんでした。
F35Bの安全性に問題あり
木佐木議員は第3に、F35については、米国会計検査院の報告書において、2018年1月時点での未解決の課題がA、B、C全ての型式全体で966件もあると指摘されていることをとりあげ、「安全性について国は、関連した課題のリストを得た上で、飛行の安全に影響する問題はないと確認したと回答しているが、未解決の課題の全てにおいて、問題はないと確認されているのか」と追及しました。
「未解決の課題は適切な対策が講じられている」
藤田総務部理事は、「国に確認したところ、米国防省は、F35Bに関する課題を分類して管理し、飛行の安全に関する課題等については、必ず改善を行うなど適切な対策が講じられているとの回答を得ており、県としても飛行の安全に問題はないと理解している」と国の言い分を代弁しました。
(2020年9月24日)