4月補正予算の課題を明らかにし、感染防止策の拡充を要請
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、深刻な影響を受けている地域経済と県民生活を支援するための山口県4月補正予算は4月30日、全会一致で採択されました。日本共産党山口県議団を代表して藤本一規議員が議案質疑に立ち、同予算案の問題点を解明。感染防止策のより一層の拡充を求めました。
実際の施策に使える「真水」は79億円足らず
補正予算の総額は約686億円。村岡嗣政知事は、「過去最大規模」と説明しました。近年ではリーマンショックを受けた2009年6月、国の経済危機対策に呼応して、541億円の補正予算が編成されましたが、両者には大きな違いがあります。
09年6月補正予算の歳入には116億円の交付金を含め、474億円の国庫支出金が配分され、ほぼ全額が「真水」でした。
今回の4月補正予算は、金額こそ上回っていますが、国庫支出金は32億円しか配分されず、県の財政調整用基金を46億円取り崩して、実際の施策に使える「真水」79億円を捻出しています。
藤本議員は、要請に応えて休業した事業者への協力金などに使える国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」は1兆円しかなく、対応の遅れで今回の県補正予算にも計上できていないことを明らかにし、「国の財源対策はあまりに小さく、遅い。少なくとも倍以上、そして一刻を争って交付されるべきだ」と迫りました。
臨時交付金は重要な財源。大幅な増額を要望している
村岡知事は、「臨時交付金は、感染拡大を防止するとともに、影響を受けている住民生活や地域経済を支援するため、地方自治体が地域の実情に応じた事業を実施するうえで、大変重要な財源。必要かつ十分な対策をスピード感を持って実行できるよう、総額の大幅な増額や速やかな制度設計を国に要望している」と答えました。
(2020年4月30日)