些か執筆“疲れ”ですが、今題も新型コロナウイルス▼6日までの緊急事態宣言は月末まで延長されましたが、感染拡大が続く13都道府県以外の行動制限などは緩和され、山口県も7日からパチンコ店を除く、事業者への休業要請を取りやめ、外出自粛も緩和しました▼不安要素があります。日本国内でのPCR検査の実施件数が異常に少ないことです。経済協力開発機構(OECD)は4月28日、加盟36カ国を対象にした人口千人当たりのPCR検査数を発表しました。日本は1・8人で35位。トップのアイスランドの135人と比べると2桁少なく、お隣の韓国の11・7人の15%にとどまっています▼PCR検査が進まない状況に安倍首相すら「目詰まりを起こしている」と認めましたが、その中で山口県の「目詰まり」は顕著です▼近県の帰国者・接触者相談センターに寄せられた病状に関する相談のうち、PCR検査を実施した割合を比較すると岡山県14%、鳥取県12%、広島県12%に対し、山口県は5%と半分以下です▼この現状について、4月臨時県議会で共産党県議団が問い質したのに対し、県は「風邪の症状や倦怠感など、重症化しやすい等の病状が認められた方を対象に、保健所長の判断により、適切に対応している」と正当化し、厚労省さえ打ち出した「地域外来・検査センター」の設置も「考えていない」と断言▼この方針の根底にあるのは「県内に市中感染はない」という非科学的な認識と言わざるを得ません。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」(過ちを犯してしまったら、ためらわずにすぐ悔い改めよ)と願うばかりです。
(2020年5月6日記)