気候危機打開への対応について
◎藤本一規議員
一つは、気候危機打開への対応についてです。
県は十二月二日、環境政策推進本部第二回本部員会議を開き、やまぐち産業脱炭素化戦略(素案)と山口県地球温暖化対策実行計画改定版(素案)を示し、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を表明しました。
十一月三十日時点で、全国四十三都道府県が、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を表明している中、山口県は遅きに失した感は否めませんが、過去の議会や環境福祉委員会の中で、繰り返し、宣言を求めてきた者として、知事の判断を歓迎したいというふうに思います。
知事に、宣言表明に至った経緯と、宣言を踏まえてどのような取組を行い、何を生み出すのかについてお尋ねしたいと思います。
また、宣言の内容を県ホームページに示し、内外に周知すべきですが、お尋ねをいたします。
●村岡嗣政知事
私からは、気候危機打開への対応についてのお尋ねにお答えします。
お示しのカーボンニュートラルへの対応については、国の動きとともに、本県の地域特性や産業特性を踏まえ、進むべき方向性を示す必要があります。このため、私は、本年五月に、環境政策推進本部を立ち上げ、脱炭素化に向けた庁内推進体制を整えるとともに、関連する各種計画の策定等を通じ、企業や有識者、関係団体等の意見を踏まえながら、検討を進めてきたところです。
こうした検討を経て、産業脱炭素化戦略や地球温暖化対策実行計画の素案など、いずれの計画も二〇五〇年カーボンニュートラルを目指す方針を明確に示しています。
このことにより、私は、県民や企業の理解の下、県が進むべき方向性が確定できたと考え、脱炭素社会の実現に向け、県内のあらゆる主体が一丸となって、各種計画に基づく対策を速やかに実行していけるよう、先週二日、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を表明しました。
その後、直ちに県のホームページに宣言について掲載するとともに、国や市町にも伝えるなど、広く周知を図ったところです。
今後は、脱炭素に取り組む企業の支援や県民総参加による地球温暖化対策の推進など、各部門の対策を進めてまいります。
私は、この宣言を契機に、多くの県民や企業の参加を促しながら、脱炭素社会の実現と同時に、県内産業のさらなる成長や安心で安全な県民生活の確保に取り組んでまいります。
◎藤本一規議員《再質問》
カーボンニュートラル宣言についてです。
昨日の塩満議員さんの質問に対して、この問題での答弁として、国の交付金を活用してという答弁がありました。この交付金とは、ずばり地域脱炭素移行・再エネ推進交付金だと思います。そして、県が活用できるのは重点対策加速化事業だと思いますけれども、具体的な検討内容をお尋ねします。
●藤田昭弘環境生活部長
お示しにありましたように、現在、環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金のうち、都道府県が再生可能エネルギー発電設備を一定以上導入することを交付要件とする重点対策加速化事業、これの活用を検討しているところです。
具体的には、県有施設の太陽光発電設備などの導入とか、中小企業の設備支援、これなどを具体的に今検討しているところです。
ジェンダー平等、特にLGBTQについて
◎藤本一規議員
二つに、ジェンダー平等、特にLGBTQについてお尋ねします。
第一は、パートナーシップ宣誓制度の導入についてです。
東京都がついに十一月一日から、性的マイノリティーのカップルの関係について宣誓証明書を発行するパートナーシップ宣誓制度の運用を開始をしました。その結果、パートナーシップ宣誓制度の人口普及率は六割を超えました。県は、この状況をどのように認識しているのかお尋ねします。
誰一人取り残さない山口県を目指し、県もパートナーシップ宣誓制度に踏み切るべきですが、お尋ねをしたいと思います。
●藤田昭弘環境生活部長
ジェンダー平等に関する御質問のうち、パートナーシップ宣誓制度の導入についてお答えします。
お尋ねの制度については、それぞれの自治体の判断により導入されているものと認識していますが、本県では、性の多様性についての県民の理解が深まるよう、まずは普及啓発に一層取り組む必要があると考えており、現時点では、制度の導入は考えていません。
現在、国において、性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、その動向を見守るとともに、引き続きパートナーシップ宣誓制度を導入した自治体の運用状況等について、情報収集を行ってまいります。
◎藤本一規議員《再質問》
パートナーシップ宣誓制度ですけれども、ついせんだって、十一月三十日、東京地裁は、同性愛者についてパートナーと家族になるための法制度が存在しないのは、個人の尊厳に照らして合理的な理由があるとは言えず、違憲状態にあると判断を示しました。この判決の受け止めをまずお尋ねします。
やっぱりこの判決からも、山口県でパートナーシップ宣誓制度がせめて必要だと思いますけれども、お尋ねしたいと思います。
●藤田昭弘環境生活部長
それから、パートナーシップ宣誓制度に関連して、まず、十一月三十日の東京地裁の判決への受け止めについてお尋ねがありました。
司法の判断については、県として見解を述べる立場にはございませんが、婚姻制度につきましては、国において議論されるべきものであり、引き続き、その動向を見守ってまいります。
次に、パートナーシップ宣誓制度の導入が必要ではないかと思うがどうかということでございました。
先ほども答弁いたしましたけども、現時点では制度の導入は考えていませんが、まずは普及啓発に取り組むことにより、性の多様性について認め合う意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。
◎藤本一規議員
第二は、福利厚生を認める問題です。
東京都は、パートナーシップ宣誓制度の導入に合わせ、都職員の福利厚生制度などに関する条例を改正し、休暇や手当などの制度が同性パートナーを持つ職員にも適用されることになりました。
厚生労働省は、「多様な人材が活躍できる職場環境づくりに向けて~性的マイノリティに関する企業の取り組み事例のご案内~」の中で、性的マイノリティーの当事者が福利厚生制度を利用しにくいということがないように見直しを行っている企業があります、と性的マイノリティーに福利厚生を行うことを参考事例として紹介しています。
県は、鳥取県同様、職員向けハンドブックを作って、同性パートナーを持つ職員にも福利厚生を適用すべきですが、お尋ねしたいと思います。
●内海隆明総務部長
ジェンダー平等についてのお尋ねのうち、福利厚生を認める問題についてお答えします。
現在、国において、性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、こうした国の動向を見守っているところであり、現時点では、職員向けのハンドブックの作成や職員への福利厚生の適用までは考えておりません。
◎藤本一規議員《再質問》
福利厚生の問題では、私は第一質問で、厚生労働省の資料を示しました。性的マイノリティーに関する取組事例、この中に福利厚生についての具体的な取組が書かれています。
例えば、私たちが知っている日本生命とか積水ハウス、日本航空とかJTとか、同性パートナーに関わる休暇や手当を支給していると、厚生労働省がもう二年前に紹介しています。
山口県が県内企業にダイバーシティーの先進例として範を今示すべき、同性パートナーを持つ県職員に福利厚生を適用することは、もう時代の要請だというふうに思いますけれども、お尋ねしたいと思います。
●内海隆明総務部長
同性パートナーを持つ職員への福利厚生について、県が率先垂範して取り組むべきではないかとのお尋ねです。
先ほども御答弁申し上げましたが、現在、国におきまして、性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、こうした国の動向を見守っているところであり、現時点では、職員への福利厚生の適用までは考えておりません。
県職員に対しましては、性的マイノリティーの方々への正しい理解を促進し、性の多様性を認め合う意識の醸成に取り組んでおりまして、まずはこうした取組を進めてまいります。
◎藤本一規議員
第三は、県営住宅への入居を認める問題です。
資料一のとおり、国土交通省住宅局は、今年四月一日時点の公営住宅における同性カップル入居についてとするアンケート結果を、六月二十八日に事務連絡で通知をいたしました。
資料二のとおり、都道府県営住宅に同性カップルの入居を認めている自治体は十三、県営住宅の所在市町村に応じて入居を認めている自治体が十、入居可能に向けた見直し予定がありが十二、合計三十五自治体が同性カップルの入居を認めるか、認めようと検討を始めています。
国土交通省住宅局は、この事務連絡で、公営住宅法令上、公営住宅の入居資格については、入居収入基準と住宅困窮要件が定められているのみであり、同性カップル等の公営住宅への入居は否定されるものではありませんとし、同性カップルの公営住宅の入居を認めている他の事業主体の事例等を参考に、同性カップル等への配慮をお願いするとしています。
県は、全国四分の三もの都道府県が、同性カップルの公営住宅への入居を認めようとしていることをどのように受け止めていますか、国土交通省の事務連絡を受けて、山口県も同性カップルの県営住宅への入居を可能にするよう見直すべきですが、お尋ねをしたいと思います。
●和田卓土木建築部長
ジェンダー平等についてのお尋ねのうち、県営住宅への入居についての二点のお尋ねにお答えします。
まず、全国で過半数の都道府県が同性カップルの公営住宅への入居を認めようとしていることを、どのように受け止めているのかについてです。
公営住宅の入居資格については、地域の実情等を踏まえ、それぞれの自治体が条例などにより定めているものと承知しています。
次に、同性カップルの県営住宅への入居を可能とするよう見直すべきではないかについてです。
現在、国において、性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、こうした国の動向を見守っているところであり、現時点で、県営住宅への入居を認める制度を導入することは考えていません。
◎藤本一規議員《再質問》
県営住宅への入居を認める問題は、もう今判断しないのは、時代遅れだと言わなければなりません。
今、全国六県内にパートナーシップ宣誓制度がない県があるので、四十七引く六ですから、四十一県中三十五県、つまり八五%の都道府県がパートナーシップ宣誓制度の受領証を持ったカップルは県営住宅に入れているわけです
中国、四国、九州でいうと、パートナーシップ宣誓制度のない二県を除いた十五県で見ると、同性カップルの入居を認めている、県営住宅の所在地の市町村に応じて入居を認めている、入居を今後検討したいという自治体が十三あるわけです。だから、明確に入居を認めていないのは中国、四国、九州で香川県と山口県だけなんです。
せめて、パートナーシップ宣誓制度のある宇部市にある県営住宅について、同性カップルの入居可能にするような見直しをせめて検討を開始すべき、これも時代の要請だと思うんですけれども、お尋ねをしたいと思います。
●和田卓土木建築部長
同性カップルの県営住宅の入居についての再質問についてお答えします。
せめて宇部市に存在する県営住宅について、見直しの検討を始めるべきではないかについてです。
現在、国において、いわゆる性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としてはこうした動向を見守っているところであり、現時点でそのような見直しの検討を行うことは考えていません。
◎藤本一規議員《再々質問》
パートナーシップ宣誓制度、受領証を持っていらっしゃる方への県営住宅の入居問題です。
やっぱりこの国のこの資料を見れば、国の制度を待っているという場合じゃないと思うんですよね。本当に、誰一人取り残さない山口県をつくろうとしているのかということが疑われると思うんです。
宇部市のパートナーシップ宣誓制度導入に伴う、提供できるサービスというのが列挙されています。宇部市は市営住宅を提供します、セントヒル病院、JA、西中国信用金庫、広島銀行、大同生命、ANAなどが様々なサービスをパートナーシップ宣誓制度受領者に対応しますという努力をしているんですよね。
県内の民間企業がこれだけ努力をしているのに、宇部市も市営住宅を提供しているのに、これだけの県が実施及び検討しているのに、本当に山口県がいまだ国のせいにするというのは、ちょっと本当にいかがなものかと思います。
やっぱり宇部市内の県営住宅に受領証を持っていらっしゃるカップルの入居を認める、検討に入るという時期だと思いますけれども、再度お尋ねします。
●和田卓土木建築部長
同性カップルの県営住宅への入居についての再々質問にお答えします。
繰り返しになりますが、現在、国において、性的マイノリティーに関する法制度が議論されていることなどから、県としては、こうした国の動向を見守っているところであり、現時点で同性カップルの県営住宅への入居を認める制度を導入することは考えていません。
県立高校再編整備計画について
◎藤本一規議員
質問の第二は、教育行政についてであります。
一つは、県立高校再編整備計画についてであります。
宇部西高校を存続させる会は、十一月二十九日、一万七千五百三十四筆の宇部西高校の存続を求める要請署名を県教育長に提出いたしました。
高森みどり中学校の存続を求める会は、十二月二日、六千二十六筆の高森みどり中学校の存続を求める署名を提出をいたしました。
県は、これらの署名をどのように受け止めているのか、まずお尋ねします。
宇部西高校を存続させる会が署名とともに提出した公開質問状には、十月四日に素案が公表され、宇部西高校について、二〇二四年度をめどに募集停止するということが示されましたが、あまりにも拙速過ぎます、急がなければならない理由をお尋ねしますとあります。
山口県立高森みどり中学校の存続を求める会の公開質問状にも、近隣の市立小中学校との関わり方など、検討すべきことは多く、もっと時間をかけて調査・検討する必要があるのは明白です、なぜ不十分な検討内容で、高森みどり中学校の募集停止を急がれるのか、その理由をお聞かせくださいとあります。
資料三は、最近、分校化や募集停止を実施した学校について、素案と案を示した時期を示したものです。これまでは、一年半以上かけて素案から案にしてきましたけれども、一方、このたびの計画は、県教委は僅か二か月余りで素案を案にしようとしており、その結果、宇部西高校と高森みどり中学校から多くの存続を求める署名が県教委に寄せられたのです。
今回、素案から案にすることを、これほどまでに急いだ理由をお尋ねします。
日本共産党県議団は、十一月二十一日、文科省初等中等教育局と県立高校再編計画の進め方について意見交換を行いました。
文科省初等中等教育局の担当者は、各高等学校が所在する地元の市町村をはじめとする地域社会の関係機関と丁寧な意見交換等も行いながら進めるべきだと発言しました。
少なくとも、宇部西高校と高森みどり中学校の募集停止については、地元関係者から存続を求める声が多数出されている状況であり、現状では、地域社会の関係機関と丁寧な意見交換がなされたとは言い難い状況だと思いますが、教育長の認識をお尋ねします。
地域社会の関係機関の理解が得られていない宇部西高校と高森みどり中学校の募集停止については、十一月県議会文教警察委員会に示す案から外すべきだと考えますが、教育長の見解をお尋ねします。
●木村香織副教育長
まず、教育行政についてのお尋ねのうち、県立高校再編整備計画についてです。
最初に、署名をどのように受け止めているのかとのお尋ねです。
再編整備に関する地域の方たちの思いは様々あると考えており、頂いた署名については重く受け止めております。
次に、素案から案にすることを、なぜこれほどまでに急ぐのかとのお尋ねです。
これまでも、素案の公表後、地域説明会やパブリックコメントを実施した後、次の議会で案を公表しております。
次に、関係機関と丁寧な意見交換がなされたとは言い難い状況だと思うがどうかとのお尋ねです。
学校が所在する地元の関係者には、県立高校将来構想の考え方や再編整備の方向性などについて説明し、御意見を伺ってきたところです。
次に、募集停止については、十一月県議会文教警察委員会に示す案から外すべきとのお尋ねです。
再編整備計画については、これまでに頂いた御意見なども踏まえ、案としてお示ししたいと考えています。
◎藤本一規議員《再質問》
高校再編の問題についてです。
私は、西高の問題を中心にちょっと指摘をしたいんですけれども、第一質問で指摘をしたように、まず市民の怒りは、これまで一年半以上をかけて素案から案にしてきたのに、今回は僅か二か月で決めようとしているという点と、二つ目は、宇部西高校は再編統合でもなく、分校でもなく、いきなり百年以上の歴史のある学校を、いきなり募集停止にする計画だからということです。
過去、一つの高校をいきなり募集停止する計画があったのか、お尋ねをしたいと思います。
三つ目は、これまでの提案は、素案の段階で実施年度を明らかにしていませんでした。今度の計画は、宇部西高校を二〇二四年度にも募集停止をすると、実施年度を明らかにいたしました。
これまで、素案の段階で実施年度を明らかにした提案はあったのか、つまりこの三つの初めて踏み込む異常さが、やっぱり大きな市民の怒りとなっている、僅か二か月で百年以上の歴史のある学校を、僅か二年後募集停止をする、こんな過去例のない強引極まりないやり方で募集停止をするのは許されないと、高森みどり中学校も含めて、一旦、この十一月県議会での提案の中から外す、これは当然のことだと思いますけれども、お尋ねをしたいと思います。
●木村香織副教育長
まず、これまでに比べて急がなければならない理由は何かということですが、本答弁でもお答えしましたように、これまでの実施計画策定の進め方と異なることはございません。
次に、いきなり募集停止にしたことがあるかということですが、定時制等についてはこれまで募集停止したことがございますけども、それは第一期、第二期県立高校将来構想の下での再編整備でありました。
このたびは、第三期県立高校将来構想の下での再編整備でありまして、その再編整備におきましては、分校化という手法は考えておりませんので、このたびのような募集停止という考えに至っております。
それから次に、実施年度を明らかにしたのはなぜかということですが、これまでは実施年度は、実施の前年度、早くても前々年度に実施年度をお示ししてたんですけども、中学校の関係者あるいは保護者の方々から、実施年度の具体については早く教えてほしいという声が多く寄せられたこともありまして、これから入学してくる中学生に適切な情報提供が早くできるように、可能な限り計画の具体を掲載するようにしたところであります。
それから四つ目ですが、計画から募集停止を外すことは考えないかということですが、これも本答弁でお答えしましたように、これまでに頂いた御意見なども踏まえ、案としてお示ししたいと、こう考えております。
◎藤本一規議員《再々質問》
高校再編なんですけれども、他県を見ていただきたいと思います。
島根県、二〇一八年に、それまで行ってきた機械的な統合を見直して、小規模の高校でも魅力化事業の対象として存続させるような方針に転換しています。教職員、生徒、保護者、市町村、小中学校、大学、教育機関、地元企業、住民関係団体などと高校魅力化コンソーシアムの構築を検討すると、島根県はボトムアップなんですね、地域でどう学校を守ろうかという検討をして、魅力化だったら、小さい学校でも残すということで努力しています。
山口県はもう三学級以下は潰す、トップダウン、どれだけ住民が署名出しても知るかというような態度としか思えません。島根県を見習うべきですが、お尋ねしたいと思います。
●木村香織副教育長
まず最初の島根県の高校魅力化コンソーシアムといった取組を山口県においても見習うべきではないかというお話がありましたけども、他の都道府県の取組については、当然、参考にさせていただこうと考えていますが、本県では、高校改革の基本的な考え方あるいは施策展開の方向性を示す第三期県立高校将来構想、これを策定しておりまして、その方向性に沿って特色ある学校づくりと学校・学科の再編整備を進めておるところであります。
今後も、将来構想の方向性に基づいて、活力ある教育活動の展開あるいは生徒が他者と協働しながら切磋琢磨できる環境づくりなど、一定の学校規模の確保を目指した再編整備を着実に進めてまいりたいと考えております。
◎藤本一規議員《再質問》
県の学校運営協議会の設置等に関する規則によると、校長は運営計画に関する事項、組織編成に関する事項について、学校運営協議会の承認を得るということになっています。私も、学校運営協議会の委員を務めています。これからは学校運営協議会が学校を運営していく時代なんだと、私は説明を受けました。
しかしながら、学校の募集停止を計画するという学校の経営計画にとって極めて重大な事項について、少なくとも宇部西高校の学校運営協議会には一切相談してない、これは、今まで、学校運営協議会が全国で飛び抜けてすばらしいんだというふうに、昨日も答弁されましたけれども、とても、都合のいいときには利用し、都合の悪いときには無視するという態度としか言いようがありません。
学校運営協議会の承認なしに学校の募集停止をすることは認められないと思いますけれども、お尋ねします。
●木村香織副教育長
二点目の学校運営協議会の承認なしで進めることはできないのではないかというお尋ねですが、学校運営協議会の役割には、校長が作成する学校運営の基本方針の承認というものがございますけども、学校運営の基本方針とは、学校経営あるいは予算編成など、学校の日々の運営に係る方針のことでありまして、教育委員会の所管事項であります学校の再編整備は含まれていないと考えております。
したがいまして、学校運営協議会の承認は得なくても進めることができるというふうに理解をしております。
生徒指導提要改訂について
◎藤本一規議員
二つは、生徒指導提要改訂についてであります。
国の生徒指導に関する基本文書、生徒指導提要が十二年ぶりに改訂されます。近く改訂版が公表される予定です。
第一は、校則の見直しについてです。
公表された改訂案は、校則について、本当に必要なものか絶えず見直し、不要に行動が制限される児童生徒がないか検証することも重要としています。
私は、二十一年六月県議会で、県立高校の校則に、下着の色の指定や入学時に地毛証明書の届出を提出させるなど、見直しが必要なものがあることを指摘いたしました。
県教委は、文科省からの実態に応じて校則を改めるよう求める通知を県立全校に届け、校則を見直すよう促したと回答いたしました。
まず、県立高校の校則の見直し状況についてお尋ねします。
●木村香織副教育長
次に、生徒指導提要改訂についてです。
まず、校則の見直し状況については、本年八月末に県立高校を対象に調査したところ、全ての高校で見直し作業が行われ、半数以上の高校で見直しが完了しているところです。
◎藤本一規議員
近く公表される生徒指導提要の改訂を受け、県教委は、県立高校の校則の見直しを加速させるべきですが、お尋ねをしたいと思います。
●木村香織副教育長
近く公表される生徒指導提要の改訂の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいります。
◎藤本一規議員
第二は、性的マイノリティーへの配慮についてであります。
公表された改訂案は、性的マイノリティーへの対応として、教職員が悩みや不安を抱える児童生徒のよき理解者となるように努めることなどが明記されました。
近く公表される生徒指導提要の改訂を受け、県は、性的マイノリティーの児童生徒への配慮を具体化させるべきですが、お尋ねをしたいと思います。
●木村香織副教育長
次に、性的マイノリティーの児童生徒への配慮を具体化させるべきとのお尋ねです。
県教委では、平成二十七年の国の通知を受け、具体的な配慮事項等について各学校に既に依頼しているところであり、今回の生徒指導提要の改訂も踏まえ、引き続き適切に対応してまいります。
教員不足の解消について
◎藤本一規議員
第三は、教員不足の解消についてです。
資料四は、十月一日時点の教員未配置数です。実に七十六人が未配置となっています。この現状を教育委員会はどのように考えているのか、まずお尋ねします。
十一月一日文科省は、産・育休代替教師の安定的確保のための加配定数による支援についてとの事務連絡を行いました。
文科省は、臨時的任用職員等の確保ができず、学校へ配置する予定の教師の数に欠員が生じる、いわゆる教師不足の改善を図る方策の一環として、年度の初期頃に、産・育休を取得をすることが見込まれている教師の代替者を、四月の年度当初から任用することも有益と考えられるとし、新年度から先読み加配を行う予定としています。
県教委は、この措置にどう対応するのかお尋ねをしたいと思います。
●木村香織副教育長
次に、教員不足の解消についてです。
まず、教員の未配置についてですが、この状況はできるだけ早く解消しなければならないと考えています。
また、産・育休代替教師の安定的確保のための加配定数による支援、いわゆる先読み加配については、今後の国からの通知等を踏まえ、適切に対応してまいります。
上関原発に関する問題
◎藤本一規議員
質問の第三は、上関原発に関する問題です。
一つは、公有水面埋立免許の延長許可についてです。
知事は、十一月二十八日、中国電力の上関原発に係る公有水面埋立免許の延長を許可しました。
一、指定期間内に工事を竣功できなかったことについて合理的な理由があること、二、土地需要があることの二つの要件をいずれも満たしていることを理由に挙げています。
指定期間内に工事を竣功できなかった理由について、中国電力は埋立工事に先立って必要な海上ボーリング調査は、調査地点付近で複数の船舶を停泊させるなどの行為が継続してあったことなどにより、当該調査を終了できなかったが、これについては、訴訟により解決を図ると説明しています。
そこでお尋ねしますが、一、訴訟の所要期間十一月、二、海上ボーリング調査の所要期間六月、三、埋立工事の所要期間三年としていますが、この三点について、合理的な理由があるとした根拠は何なのかお尋ねします。
さらに、知事は中国電力に、発電所本体の着工時期の見通しがつくまで埋立工事を施行しないことを要請し、中国電力は、その趣旨を重く受け止めると回答しています。
御承知のように、今、原子力規制委員会で審査中とされている上関原発の原子炉設置許可申請の中身は、新規制基準を満たしていないものであることは明らかです。にもかかわらず、少なくとも十七か月後には、発電所本体の着工時期の見通しがつくと判断した理由は何ですか。以上、四点について、県民が納得いく説明をしてください。
埋立免許をした二〇〇八年から十四年間、工事は一歩も進んでいません。この事実こそ、埋立てに合理的な理由などない証左です。延長許可を一旦取り消し、中電には出直すよう求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。
●和田卓土木建築部長
次に、上関原発についての数点のお尋ねにお答えします。
まず、三点の所要期間について合理的な理由があるとした根拠は何か、また、少なくとも十七か月後には、発電所本体の着工時期の見通しがつくと判断した理由は何かについてまとめてお答えします。
事業者からは、埋立工事に先立って実施する必要がある海上ボーリング調査を実施できていないことから、当該調査の所要期間や工事期間が必要であるとの説明がされています。
さらに、訴訟による判決を得て、安全に作業を進められる状況を確保した上で、海上ボーリング調査を実施するため、訴訟に要する期間が必要であることから、これらを合わせて四年五か月の延長期間が必要であるとの事業者の説明に合理性があり、県としては妥当であると判断したものです。
発電所本体の着工時期の見通しについて、埋立免許権者として判断しているものではありません。
次に、延長許可を取り消し、出直すよう求めるべきではないかについてです。
今回の延長申請については、埋立免許権者として法令に従い、厳正に審査したところ、正当な事由があると認められたことから許可したものであり、取り消すことは考えていません。
◎藤本一規議員《再質問》
上関原発の問題についてです。
具体的な質問を重ねます。中国電力が免許延長申請をした翌日の十月二十四日、朝日新聞は、中国電力は免許の期限切れから一審判決までに見込まれる十一月を加えたと報じました。
県は、中電から訴訟を十一か月の内容について一審判決までだという説明を受けたのか、まずお尋ねします。
この国は三審制です。中国電力は、たとえ一審で勝訴したとしても、住民側は控訴するでしょう。最高裁まで裁判が続く可能性は十分あります。中電は、住民との裁判に勝利し、海上ボーリング調査が行えるようにすると県に説明したのかもしれませんけれども、中電が言う十一か月という訴訟期間に妥当性はありません。裁判に勝訴する保証もない。私は、中電の今後埋立ての続行をするのに十分な理由があるとは考えられないと思います。
以上の中電の説明に対して、県が十分な理由があると判断したということは、県に与えられた公有水面埋立免許に対する裁量権の濫用と言わなければなりません。見解をお尋ねします。
●和田卓土木建築部長
上関原発についての二点の再質問にまとめてお答えします。
事業者からは、裁判所の公表資料に示される民事第一審通常訴訟事件の平均審理期間から、このたびの提訴以降、竣功期限までの期間を除いた期間が必要であり、調査地点付近において、海上ボーリング調査の作業の妨げとなる行為があったために調査が実施できなかったことに対して、団体は自己または第三者をして海上ボーリング調査を妨害してはならないという判決を得ることで妨害行為を防止し、海上ボーリング調査を実施することができると説明しています。
埋立免許権者として、法令に従い、厳正に審査したところ、正当な事由があり、許可要件を満たしていると認められたことから、延長を許可したものであり、御指摘は当たりません。
◎藤本一規議員《再々質問》
上関原発についてですけれども、十一月二十九日の毎日新聞は、島民の会の清水代表のコメントとして、今後も漁業法により認められる漁業をしながらというふうなコメントを報じています。
熊本一規明治学院大学名誉教授は、祝島島民には自由漁業権があると言われています。裁判の判決がどうであろうとも、祝島島民の自由漁業を営む権利は消滅できないというふうに思います。
つまり、ボーリング調査を、今後、中電が継続することは、今後も困難じゃないかというふうに思います。よって、今後、埋立てが続行する十分な理由があるとしたことは、県の裁量権の濫用と呼ばなければなりません。県の見解をお尋ねします。
◎土木建築部長(和田卓君)
次に、上関原発計画についての再々質問にお答えします。
訴訟の結果について、県が判断できるものではありませんが、事業者は民事訴訟において、団体は自己または第三者をして海上ボーリング調査を妨害してはならないとの判決を得ることで、妨害行為を防止し、安全に作業を進められる状況を確保した上で、海上ボーリング調査を実施することができると説明しています。
県としては、当事者間で争いのあるものについて、司法的に解決を求め、解消を図るという事業者の説明に合理性があることから、竣功できなかった要因の解消の見込みがあると考えています。
埋立免許権者として、法令に従い、厳正に審査したところ、正当な事由があり、許可要件を満たしていると認められたことから延長を許可したものであり、御指摘は当たりません。
◆藤本一規議員《再質問》
三浦理事に聞くんですけれども、発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事の施工をしないことを要請したという立場での質問です。
私、先ほど言った、十一月二十一日、資源エネルギー庁の方とも、県議団、政府交渉いたしました。
原発新設の規制基準はあるのかと、資源エネルギー庁ですけれども、聞いたら、いや、まだないと思うと、まだつくられていないことを認めたわけです。到底十七か月後に発電所本体着工の見通しは立たないと私は考えますけれども、三浦理事の見解をお尋ねしたいというふうに思います。
◎三浦健治商工労働部理事
上関原発に関する再質問にお答えいたします。
県としては、どういう状況になれば発電所本体の着工時期の見通しがつくと言えるのか、あらかじめ具体的に想定しているものではなく、お示しの規制基準に着目したものでもございません。
今後、工事の施行について、中国電力が発電所本体の着工時期の見通しがついたと判断できる状況になった時点で、改めて県に相談するとされておりますので、県としてはその段階で適切に判断してまいりたいと考えています。
子育てしやすい環境の整備について
◎藤本一規議員
質問の第四は、子育てしやすい環境の整備についてです。
一つは、子ども医療費助成制度についてであります。
子供医療費は、都道府県レベルでは、要件の違いは若干ありますけれども、十八歳までの助成が、鳥取、福島、静岡、茨城、鹿児島、そして、ついに来年四月から東京都で実現されます。
首都で十八歳まで拡充がされたことは、今後、全国に大きな影響を与える可能性があると思いますが、県の見解をお尋ねします。
二〇〇四年、県は、対象年齢を五歳児からようやく未就学に拡大をして以来、十八年間対象年齢を据え置いたままです。
五月二十三日、県市長会は、村岡知事に要望を行いました。
その第一は、子供の医療費に係る全国一律の保障制度の創設と山口県福祉医療費助成制度の拡充についてです。
県市長会は、福祉医療費助成制度は、少子化対策に貢献する重要な子育て支援施策と明記をし、県に対しては、対象年齢の拡大など、制度の拡充を要望しています。県はなぜ県市長会の要望を拒否するのですか。要望を受けて対象年齢の拡大など、制度を東京に見習って拡充すべきですが、お尋ねをしたいと思います。
●弘田隆彦健康福祉部長
子育てしやすい環境整備についてのお尋ねのうち、子ども医療費助成制度についてお答えします。
まず、各都道府県の制度の見解についてですが、それぞれの自治体において、地域の実情等を踏まえ、制度設計されているものと認識しています。
次に、県市長会からの要望についてです。
市長会からは、少子化対策の観点から、全国一律の保障制度を創設するよう要望されていることを踏まえ、県としては、全国知事会等を通じ、国に対してその旨要望しているところです。
なお、国の制度創設までの間の県制度拡充については、将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することが基本と考えています。
◎藤本一規議員
二つは、学校給食の無償化についてです。
しんぶん赤旗の学校給食無償化調査チームによると、給食費を小中学校とも無償化している自治体は、県内では、岩国市、和木町を含めて全国二百五十六に広がっています。県教委は、この状況をどのように受け止めているのかお尋ねします。
ついに千葉県は、来年一月から市町村と連携をし、公立小中学校や県立学校に通う第三子以降の児童生徒の給食費を無償にします。県教委は、児童生徒の学校給食の無償化に踏み出すときですが、見解をお尋ねします。
●木村香織副教育長
次に、子育てしやすい環境整備についてのお尋ねのうち、学校給食の無償化についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。
学校給食法では、給食の実施に必要な施設・設備及び運営に要する経費以外は保護者負担とされているところですが、お示しの給食費の無償化については、設置者において、実情に応じて判断するものと考えております。
◎藤本一規議員
三つは、国民健康保険の均等割についてであります。
高過ぎる国保料の引下げをの声に押されて、国もようやく今年四月から未就学児の均等割の五割軽減に踏み出しました。
光市は、十八歳未満の子供が三人以上いる世帯の三人目以降の均等割額を全額免除しています。自治体の判断によって、国制度に上乗せして子供の均等割を減免することは可能だと考えますが、県の見解をお尋ねします。
●弘田隆彦健康福祉部長
国民健康保険の均等割についてです。
保険料の減免については、災害等により生活が著しく困難となった者など、納付義務者の個別の負担能力に着目して、市町が条例の定めに基づき行うことができるとされており、保険者たる市町が個々の事情を勘案して実施されているものと理解しています。
県の塩漬け資産について
◎藤本一規議員
質問の第五は、県の塩漬け資産についてです。
一つは、きらら浜についてです。
まず、未売却用地についてです。
きらら浜は、もともとは国が干拓した二百八十六ヘクタールの農用地でした。一九七九年に国は事業化を断念し、県は一九八八年に公共事業用地として取得いたしました。
その後、県は二〇〇一年のきらら博の開催地として、二〇〇〇年には自然観察公園を含めて七十三ヘクタール、九年には三十七ヘクタール、十一年には百四十一ヘクタールを購入、その総額が実に四百五十億円に上ります。
しかし、なお、三分の一の九十三ヘクタールが未売却用地として残されたままです。国から公共用地として取得しながら、結局、県が巨額の税金を投じて購入し続けてきた事実をどのように受け止めていますか。残る九十三ヘクタールの未売却用地をどのように処分しようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。
●和田卓土木建築部長
きらら浜についての数点のお尋ねにお答えします。
まず、きらら浜の未売却用地の購入に係る受け止めについてです。
未売却用地の購入については、その時々の状況における熟慮と判断の下に対応してきたものと考えています。
次に、未売却用地をどのように処分しようとしているのかについてです。
関係部局の連携の下、未利用地の活用方法の検討を行っているところであり、現時点では、具体的な方針は決まっていません。
◎藤本一規議員
山口きらら博記念公園の機能強化についてです。
十一月十日、県が行った政府要望の中に、山口きらら博記念公園の交流拠点施設としての機能強化についてがあります。
具体的には、県は、パークPFIなど公園の魅力を高めるための民間活力の積極的な導入に必要な取組の支援を求め、国交省は、国としてもしっかり支援してまいりたいと答えたと報告しています。
県は、山口きらら博記念公園において、ゆめの未来公園づくり推進事業等に取り組んできました。その成果と課題について御説明ください。その上で、民間活力の積極的導入がなぜ必要なのか御説明ください。
パークPFIとは、公園の一部を民間に提供するものです。住民の公有財産である公園を一部の民間企業の商業活動に提供することで、災害時の一時避難など、公園が持つ公共的な役割と両立できるのかなどの課題も存在します。
公園の一部を民間に提供する手法にはどのようなものがあるのか、それぞれメリット・デメリットを御説明ください。
今後、県は、山口きらら博記念公園の機能強化をどのように進めようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。
●和田卓土木建築部長
ゆめの未来公園づくり推進事業等の成果と課題についてです。
これまで、山口きらら博記念公園では、民間活力を活用して、レストラン等の公園施設の整備やゆめ花マルシェの開催などにより、公園のにぎわいの創出を図ってきたところであり、今後は、コロナ後の社会を見据え、さらなる交流の拡大を図っていく必要があると考えています。
次に、民間活力の積極的導入がなぜ必要なのかについてです。
民間活力の導入については、これまでも山口ゆめ花博の成果を継承して取り組んできたところであり、引き続き、魅力的なサービスを提供するため、民間が有するノウハウや資金を生かすことも必要と考えています。
次に、公園の一部を民間に提供する手法とそれぞれのメリットとデメリットについてです。
都市公園法では、民間事業者が公園施設を整備・運営するための方法として、従来の設置許可と平成二十九年に新設された、いわゆるパークPFIの二形態が定められています。
従来の設置許可では、当該公園施設の整備における県の財政負担の軽減や民間事業者の創意工夫による公園の魅力、サービスレベルの向上などが図られますが、当該公園施設から生じる収益は、全て民間事業者の収入となります。
パークPFIでは、当該公園施設から生じる収益の一部をその周辺の公園施設に充当できるため、さらなる県の財政負担の軽減を図ることができますが、それに見合う収益が見込めなければ、従来の設置許可に比べ、民間事業者の参入が困難となります。
次に、今後の山口きらら博記念公園の機能強化をどのように進めようとしているのかについてです。
やまぐち未来維新プランを踏まえ、さらなる交流の拡大を図るため、山口きらら博記念公園が県民の活力を創出・発信する拠点となるよう、今後しっかり議論を重ねながら検討を進めていくこととしています。
◎藤本一規議員
二つは、工業用水道事業についてです。
まず、未事業化分についてです。
小瀬川第二期工水に、三万二千立米の未事業化の水源があります。二〇一二年度に、未事業化分は一般会計に移管しました。二〇一二年度までに、一般会計から企業局に未事業化分の企業債元利償還金とダム分担金を約百五十五億円負担してきました。一般会計に移管した後、二〇二〇年度までに、未事業化分の負担は合計約七億七千万円です。
今後とも、ダム分担金年四千万円の負担は続きます。この状況に対する県の認識をお尋ねします。
利益を生まず、莫大な県財政の投入が続く未事業化分の解消が急がれますが、県の認識をお尋ねします。
●松岡正憲総合企画部長
工業用水道に関する御質問のうち、未事業化分についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。
小瀬川第二期工業用水道事業は、県東部地域の中長期的な用水需要に対応することを目的に事業化を行ったものであり、現在は需要が伸び悩んでいますが、水は大変貴重な資源であることから、先行水源として保有し、将来の需要に備えることが必要と考えています。
その利活用に向けては、庁内の水資源対策推進協議会にワーキンググループを設け、企業誘致による需要の開拓や小水力発電での活用、自然環境を維持・改善するための環境用水としての活用など、様々な方策の検討を行っているところです。
県としては、県民共有の財産であるこの水資源について、引き続きその利活用策を多面的に検討してまいります。
◎藤本一規議員
次に、未稼働水についてです。
利益を生まないのは未稼働水も同様です。現在、工業用水道事業には、未事業化分の四倍を超える十四万五千三百五十立米の未稼働水が存在します。未稼働水に係るダム分担金と企業債元利償還金のそれぞれと、合計額をお示しください。
県は、未稼働水の解消にどのような対応を取ってきたのか、お尋ねをしたいと思います。
第三は、未契約水についてです。
利益を生まないのは、未契約水も同様です。現在、工業用水道事業には、未事業化分の約五倍に及ぶ十五万三千百八十立米の未契約水が存在します。未契約水は、十年前よりも三万八千五百六十立米増加しています。
県は、この未契約水の解消にどのような対応を取ってきたのかお尋ねします。
●今村政裕企業局長
工業用水道に関する御質問のうち、未稼働水と未契約水についての数点のお尋ねにお答えします。
まず、未稼働水に係るダム分担金と企業債元利償還金についてです。
令和三年度までの累計で、ダム分担金が約二十二億五千三百万円、企業債元利償還金が約四百二億八百万円、合計で約四百二十四億六千百万円です。これは、あくまでも計画給水能力に対する一部稼働の給水能力の割合から算出した会計上の数値であり、未稼働水に係る資産の多くは、現在、工業用水を供給するための施設として使用しています。
次に、未稼働水の解消にどのような対応を取ってきたのかについてです。
未稼働水の解消に向けては、大規模な新規受水企業の進出等が必要であることから、企業局では、企業立地関連部局と連携し、大都市圏でのプロモーションや営業活動を行うなど、用水型企業の誘致に取り組んできたところです。
次に、未契約水の解消にどのような対応を取ってきたのかについてです。
未契約水の増加は、社会経済情勢や産業構造の変化を受けた企業の撤退等に伴う受水量の減量によるものですが、こうした減量分を補うため、企業局では既存の受水企業や周辺企業の需要動向を把握するとともに、新規受水における支援制度を創設するなど、未契約水の解消に取り組んできたところです。
◎藤本一規議員《再質問》
それから、工業用水道事業についてですけれども、未稼働水について四百二十四億六千百万円のこの負債があったということは極めて重大、施設は使っているという説明ですけれども、まだパイプもつながれていない、バックヤードにある水と言えます。これはやっぱり解決しなくちゃいけない。
この未契約水や未稼働水は偏在をしています。未稼働水が県内で一番多いのは、岩国と柳井です。未稼働水の半分以上、八万六千三百立米がこの地域にあります。
具体的には、生見川工業用水道事業に八万六千三百立米の未稼働水があります。この契約水は僅か三万一千二百ですから、本当に多くが、この生見川工水は未稼働水と言わざるを得ません。
生見川工業用水の大量の未稼働水をどう処理しようとしているのか、具体的にお尋ねします。
今度は最後、未契約水ですね。パイプはつないでいるけれども売れない水、これが多いのが、大企業が撤退した防府地域、佐波川工業用水道事業と佐波川第二期工業用水道事業、合計七万九千八百立米の未契約水があります。これは、県全体の未契約水の半分ですね、これが防府にあるということです。
佐波川第二の工水の契約水、これは二〇・九%と、全ての工水の中で最低です。この防府地域の大量の未契約水を今後どのように処理しようとしておられるのかお尋ねします。
●今村政裕企業局長
未契約水に係る再質問にお答えします。
まず、岩国・柳井地区の生見川工業用水道は、臨海部で造成計画のありました、複数の工業団地の水需要に対応するため計画しましたが、団地造成が取りやめになるなどして未稼働水が発生することとなりました。
解消に向けては、先ほどの答弁のとおり、企業立地関連部局と連携し、プロモーションや営業活動を行い、用水型企業の誘致に引き続き取り組んでまいります。
次に、防府地区につきましては、社会経済情勢の変化による企業の大量減量が相次ぎ、未契約水が発生しました。
解消に向けては、既存の受水企業や周辺企業の需要動向を把握し、新規受水における支援制度を活用した営業を行ってまいります。