2023年12月議会・一般質問

県民の暮らしを守る諸課題について

県内の電力の需要と供給について

◎河合喜代議員

質問の第1は、県民の暮らしを守る諸課題についてです。
1つは、県内の電力の需要と供給についてです。
再生可能エネルギーの普及は確実に進み、中国エリアの太陽光及び風力の導入量は2018年から22年度末だけで230万kW増え、699万kWに達していますが、弊害も生まれています。中国エリアで再生可能エネルギーの出力制御が頻発しているのです。
今年4月~6月の間、太陽光と風力の発電設備の10.55%にあたる2.7億kWhもの電力が捨てられています。今年度の合計では3.83%、3.5億kWhに達する見込みです。もったいない、と思われませんか。また、この現状をどう認識されていますか。それぞれ伺います。
中国電力は、その一方で島根原発2号機を来年8月にも再稼働し、さらに3号機の稼働をもくろみ、そのうえ上関への原発建設もすすめると公言しています。
地球沸騰化を食い止めるためには、いますぐにでも化石燃料を使用した発電をやめることが急務です。それに代わる再生可能エネルギーのさらなる普及が必要な時、出力制御などもってのほかと考えますが、お尋ねします。

●鈴森和則産業労働部理事

再エネの出力制御は、系統増強等の社会的コスト全体を抑制するとともに、電力の安定供給を維持しつつ、再エネの最大限の導入を進めるために必要な措置とされています。
しかしながら、再エネの導入拡大とともに、出力制御が拡大しており、また、節約・節電効果に伴う電力需要の減少等もあり、足下の出力制御量は増加傾向にあります。
このため、国においては、さらなる再エネ導入拡大を図る上で、出力制御が徒に増加することがないよう、新たな対策パッケージを取りまとめることとしており、県としても、再エネの導入拡大に向けた環境整備が図られるよう、国に対し送電系統の増強などの要望を行っているところです。

◎河合喜代議員《再質問》

再質問いたします。最初の、暮らしを、本当に物価高で暮らしが大変なんですよね。なので、ちょっとあと電気とガソリンのことを言いますけど、最初に電力の需要と供給です。制御がされないようにというふうなことは国が言っているということなんですけど幸い、中国電力の管内では原発が稼働していないのに、再エネ発電を制御しなければならないほど発電量が確保されているという状況です。県が今年策定された山口県地球温暖化対策と実行計画で示された環境省のデータでも、全国の再エネのポテンシャルは、現在の電力供給量の最大2倍あるとされています。しかも、山口県の再エネのポテンシャルは特に高いとも紹介されています。日射量と中小水力発電は中部から東部が、風況は日本海側、陸上では各市町に良好エリアが点在、バイオマス資源でも本県の森林率は71 %と、全国平均を上回っています。地中熱も瀬戸内海沿岸域を中心に、ポテンシャル|が高いエリアが存在するとされています。この、再エネのポテンシャルを活かせば、石炭火力など、化石燃料による発電がなくても十二分に賄うことができるということです。この山口県ですから、原発など全く必要ないではあり|ませんか。
|中電に対し「再エネを捨てるなどもってのほか」と改めてやっぱり言うべきですし、県の地球温暖化対策と実行計|画を推進する上でも、国のエネルギー政策が足かせになっているのではないかと私は思いますが、この2点について、知事の明解な答弁を求めます。

●鈴森和則産業労働部理事

県内の電力の需要と供給についての再質問にまとめてお答えします。
エネルギー政策は国家運営の基本であることから、再エネや原子力などのエネルギーをどう利用するかについては、エネルギー政策の基本視点である、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合を踏まえ、国の責任において判断されるべきものと考えています。
従いまして、出力制御をやめるよう中国電力に県として求める考えはありません。

電気料金とガソリン価格の引き下げについて

◎河合喜代議員

2つは、電気料金とガソリン価格の引き下げについてです。
国内の電力会社各社は世界的な燃料の物価高の中、今年6月の使用分から電気料金を値上げしました。平均的な使用量とする家庭の電気料金は1667円上がり7720円になりました。この料金値上げも功を奏し、10月末発表された中国電力の4~9月期の中間決算では純利益が過去最高の1230億円となりました。うち513億円は値上げの影響とのことです。
業績回復を受けて、中国電力は、株主配当を30円に引き上げる一方で、電気料金は据え置く姿勢を表明したため、強い批判が上がっています。島根県の丸山知事は先月20日、広島市の中国電力本社を訪れ、中川賢剛社長に電気料金の引き下げを求めたとの報道には注目が集まりました。
それでなくても、中国電力が今年10月末、カルテルで課徴金707億円を支払ったことは、記憶に新しいところです。さらに国による電気料金引下げのための補助は私たちの税金です。
少なくとも、電気料金値上げで利益が増えた分は、株主ではなくまず消費者に還元すべきではないでしょうか。知事も中電社長に対し、県民に代わって直接値下げを要求すべきではありませんか。見解をお尋ねします。

●鈴森和則産業労働部理事

中国電力に対する電気料金の値下げ要求についてのお尋ねにお答えします。
中国電力の株主である県としては、これまで一貫して株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応しているところです。
また、県は、電気事業法上の監督権限も有しないことから、お示しのような要請を行う考えはありませんが、いずれにしても、電気料金の設定については、様々な状況を踏まえ、電気事業者である中国電力において、適切に対応されるべきものと考えています。

◎河合喜代議員《再質問》

高い電気料金です。先日の報道でも、中国電力島根原発の安全対策費が、当初2千億円程度と言われていたのが9千億円に達し、テロ対策費も加わると1兆円規模になる可能性もあるとのことです。これらは、今後、全て私達国民の電気料金として負担させられるのではありませんか、お尋ねします。
また、先ほどから言っている不祥事や、株主優先の体質を持つ中国電力に対し、県民を代表して「電気料金を下げるべき」と言うべきではないのでしょうか。改めてお尋ねします。

●鈴森和則産業労働部理事

電気料金の引き下げについての再質問にお答えいたします。
先程も御答弁いたしましたけれども、電気料金の設定については、様々な状況を踏まえて、電気事業者である中国電力において、適切に判断されるべきものと考えております。
このため、中国電力に対して、料金の値下げ等要求すること等は考えておりません。

ガソリン価格の引き下げについて

◎河合喜代議員

次にガソリン価格の引き下げです。
新型コロナ感染症の拡大や、ロシアのウクライナ攻撃による供給困難に加え、円安の加速などを背景に、ガソリン価格は2021年7月頃から急激に上昇しました。政府は激変緩和対策として22年2月以降、石油元売会社に対する補助金制度をつくり、今年9月末までに6.2兆円計上されています。
しかし、会計検査院は11月7日に公表した22年度決算検査報告で、このガソリン補助金の全額が価格の抑制に反映されていないと指摘しました。今年8月末までに石油元売り企業34社に3.6兆円が交付されています。
こうしたもと、石油元売り大手のエネオスHD、出光興産、コスモHDの3社は合わせて当期純利益を20年度の2348億円から22年度は4653億円へと倍化、商社大手の三菱商事、三井物産、伊藤忠、丸紅も同じく1兆1347億円から3兆6548億円へと3倍化させています。これだけの利益をあげ、内部留保を持つ企業なら経営努力でガソリン代を下げるよう国がイニシアをとるべきです。地方からも国に求めるべきではありませんか。
ちなみに、総務省の「家計調査」によると2022年のガソリンへの支出は東京都区部が2万1583円なのに対し、山口市で10万3120円と5倍もの地域格差が生じ、車がなければ生活できない地方ほどガソリン価格の高騰が家計を圧迫しています。国のガソリン高騰への補助金も私たち県民の税金が使われているわけですから、これほど利益を増やしている石油元売会社に対して、ガソリン価格のさらになる引き下げを求めるよう国に要請すべきと考えます。知事の見解を問います。

●永富直樹総合企画部長

ガソリン価格引き下げについてのお尋ねにお答えします。
住民生活や経済活動に不可欠なガソリン価格の高騰は全国共通の課題であり、その対策は、地域によって差が生じないよう、国において一律に対応されることが適当であると考えています。
このため、これまでも全国知事会等を通じて、国の責任において、全国一律の対策を講じるよう求めてきたところであり、こうしたことを踏まえ、国により、激変緩和対策が実施されているところです。
ガソリン価格の高騰への対策については、国において、原油価格や為替の動向、全国的な需給バランス等を踏まえて、その内容や手法等を判断されるべきものであることから、県として、お尋ねのような内容の要請を国に行うことは考えていません。

◎河合喜代議員《再質問》

国会において、西村経済産業大臣が、ガソリン価格については、地方において格差があるため、臨時交付金などを活用して対応するような答弁を行っている。県もこれを踏まえて、検討を進めるべきではないか。

●永富直樹総合企画部長

ガソリン価格の引き下げに県として対応を検討すべきとのお尋ねでありましたけども、先ほども御答弁しましたが、ガソリン価格の高騰は、全国共通の課題であり、その対策は、国において一律に対応されるのが適当であると考えております。
こうした考えの下、全国知事会等を通じて、国の責任で全国一律の対策を講じるよう求めてきたところであり、県として、独自に対策を検討することは考えていません。

みほり学園の機能強化基本構想素案について

◎河合喜代議員

質問の第2は、みほり学園の機能強化基本構想素案についてです。
子どものための心理治療施設、みほり学園が建て替えを含めた機能強化をされることとなりました。虐待件数が増え続け、貧困と格差の広がる日本社会の中で子どもだけでなく、保護者自身も苦しんでいます。こうした子どもの社会的養護を保障すると同時に保護者の支援も行う施設がこの児童心理治療施設の役割となっています。
せっかく50年ぶりに建て替えるのですから、よりよいものになることを県民は願っています。
6月県議会で藤本県議が厚労省の児童心理治療施設の運営ハンドブックに基づき、①通所による治療支援機能の強化、②診療所の設置運営を求めましたが、1点目の通所や外来相談による切れ目のない支援は盛り込まれました。もうひとつの診療所については基本構想検討委員会ではどのような議論がされたのでしょうか。それともされなかったのでしょうか。
現在、児童精神科・心療内科は受診希望者が多く、半年先まで予約でいっぱいという話もお聞きします。そのために児童相談所の一時保護が延長される例もあります。迅速な解決のためにも医療機関の充実は欠かせませんし、児童心理治療施設みほり学園のそばに診療所があれば新規患者だけでなく、退所した家族への継続した見守りや相談につなげられます。
さらに国の施設運営ハンドブックには、2011年7月にまとめられた「社会的養護の課題と将来像」には、「施設の小規模化、地域化、本体施設の機能強化等社会的養護のめざすべき方向性が示された。社会的養護の充実は、国民の理解を得るため、社会的養護を文字通り『社会にひらく』こととセットで進められなければならない」としています。その基本理念は「子どもの最善の利益のために」と「すべてのこどもを社会全体ではぐくむ」ということです。素案でも紹介されている国の動向にも、2017年の「新しい社会的養育ビジョン」の「子どものニーズに応じた養育の提供と施設の抜本改革として、すべての施設は原則としておおむね10年以内をめどに、小規模化・地域分散化等を実現していく」と書かれています。
素案では、小規模な生活単位の設定を提案されており、さらに家族療法のための専用室等の整備もあり、遠方から通所支援を利用する際に宿泊等にも活用できるようになることは大変よかったと思います。入所定員は35人、通所定員は15人程度とされています。
しかし、この間の子どもを巡る状況は決して改善の方向ではなく、相談件数は全国も山口県も増え続けています。それに対応できるのかという点では、国も提起している地域分散化の実現も視野に入れる必要があるのではないでしょうか。それが「ひらかれた社会的養護」にもつながると思います。地域分散化についてはどのような検討がされたのか、伺います。
もう一点指摘したいのは、施設の役割が児童の社会的養護とともに保護者への支援も含まれていることです。私も何件か児童相談所にかかわる保護者の方からの相談を受けてきましたが、中には、保護者と施設との関係が困難になる場面を何度も見てきました。保護者への支援は大変重要で困難な課題です。その点では職員体制の拡充が欠かせません。現在、1人しかいない「家庭支援専門相談員」や「被虐待児個別対応職員」の抜本的な増員は不可欠と思います。こうした点の議論の内容を明らかにしてください。

●國吉宏和健康福祉部長

みほり学園の機能強化基本構想素案についての数点のお尋ねにお答えします。
まず、診療所の設置についてですが、これまで開催した2回の検討委員会では、外来機能の充実に向けた議論はありましたが、診療所の設置を求める意見等はありませんでした。
次に、施設の地域分散化についてですが、検討委員会では現在地での建替えが望ましいとの意見をいただいたところであり、地域分散化を求める意見等はありませんでした。
次に、職員体制の充実についてですが、具体的な職員配置については、基本構想で定める施設の機能強化の方向性に沿って、新たな施設の供用開始までに検討することとしており、検討委員会では議論していません。

法定外公共物の財政措置について

◎河合喜代議員

質問の第3は、法定外公共物の財政措置についてです。
青線・赤線と呼ばれる里道や水路などの法定外公共物は2005年頃、国有財産から市町村に譲与されました。その際に維持管理は任せられても、その財政措置がないことに不安の声が出されました。しかし、国は今現在も何の対応もしていません。確認しますが、青線・赤線の維持管理のための財源は国から市町村に地方交付税算定で配分されていますか。それ以外で配分されているものがありますか。
私は、本来、国が法定外公共物の維持管理費を地方交付税に算定すべきと思います。県の見解をお尋ねします。

●永富直樹総合企画部長

法定外公共物の財政措置に関する御質問のうち、市町に対する財政措置についての2点のお尋ねにお答えします。
まず市町が管理している法定外公共物の維持管理経費については、地方交付税の算定基準にないことから配分されておらず、それ以外で配分されているものもありません。
次に維持管理経費を地方交付税に算入すべきとのお尋ねですが、国において、当該経費については、各団体により状況が様々であることから、標準的な経費を設定できず、普通交付税の算定に反映することは困難であるとの考え方が示されており、また、現在、県内市町からの要望もないことから、県として対応を行うことは考えていません。

◎河合喜代議員

市町には、国から譲与を受けた際、砂防施設があるために譲与できず、土地の所有権が市町にはない青線があります。私の地元の黒川川についても、所有権が市にはないのにかかわらず、砂防施設の目的以外で改修などが必要となった際、市が改修の責任を求められています。
地方公共団体の中では、一番小さな財政規模の市町が所有権もない施設の改善費用を負担させられるのは不合理ではないでしょうか。
少なくとも、砂防施設があるという点では、国が財政措置をするまでの間、市町と協力して必要な施設改修への財政支援を県がすべきではないでしょうか。見解を求めます。

●永富直樹総合企画部長

法定外公共物の財政措置に関するお尋ねのうち、施設改修への財政支援についてお答えします。
山口市の黒川川のうち、お尋ねの区間については、国が財産権を保持する区間であり、法に基づき、従前から、市が普通河川として治水を目的とした管理を行い、県が砂防施設として土砂災害の被害軽減を目的とした管理を行っています。
このため、砂防以外の目的で市が行う改修に対して、県が財政支援を行うことは考えていません。

◎河合喜代議員《再質問》

財政支援がなければ、市町は地方交付税算定されていないということでしたから、市町は一般財源で対応せざるを得ません。必要な改修などが、この、お金がないことによって進まないことになります。その結果被害を受けるのは住民なのです。
しかも、この法定外公共物の改善には、先ほども言われましたが、地方によって差があるということです。この法定外公共物が市町へ国から移譲された後、平成の大合併となりました。市町は、合併前に保障されていた地方交付税を大幅に減らされ、国の財政支出は逆に減りました。
せめてこの法定外公共物については、元々国の所有物であったものです。国が市町村に支援しても良いのではありませんか。こうした、市町の実情を鑑み、県が、国に要望されるよう再度お尋ねします。
今年3月、全国自治体から国に対して出された地方交付税に関する要望の中に、愛媛県愛南町からも、この法定外公共|物の維持管理に要する費用の要望が出されています。
また、去年8月、朝日新聞によりますと、群馬県安中市の水路が市に譲渡されず、所有者は国のままで、県と市がいずれも管理責任を否定して、維持管理の主体が不明確であったために、住民が裁判を起こしました。その後、住民と県と市とで和解となっていますけれど、住民の代理弁護士は、「ちやんと国がやっぱり支援すべきだ]という風なことを言われています。
市町の財産権のないものについてまで、市町が負担を、維持管理の負担を負わされている、ここはやっぱり、不合理ではないでしようか。
ぜひ国に物申していただきたいと思います。

●永富直樹総合企画部長

法定外公共物の財政措置に関連しまして、国に財政措置等を要望すべきではないかとの再質問にお答えします。
現在、県内市町からの要望もないことから、県として国に対し財政措置等の要望を行うことは考えていません。

公共交通の充実について

JR山口駅のサービス向上と周辺整備について

◎河合喜代議員

質問の第4は、公共交通の充実についてです。
1つは、JR山口駅のサービス向上と周辺整備について
今年9月末からJR山口駅の売店の閉店とコインロッカーの撤去がされ、トイレのティッシュ販売機も撤去され、さまざまな方面から苦情が出されています。観光客がお土産を買いたくても売店がない、キャリーバッグを引きずってロッカーを探す観光客からは驚きと困惑の声が出ています。山口市の伊藤市長も「県都の駅で非常に重要な場所。憂慮すべき事態だ」として、JR西日本に復活を求めておられます。
私も駅に行きましたが、切符販売機の前で駅員でもない観光案内所の職員さんが販売機の使い方を利用者に説明しておられました。駅員は朝、昼、夕方の3回、合計で4時間20分しかおらず、ほとんどが無人駅状態です。2台ある切符販売機は困ったときはボタンでオペレーターを呼び出しますが、なかなかオペレーターとつながらないため、「この駅はもう使わない」という声も出ています。
県庁や美術館、県立図書館、山口市役所、瑠璃光寺五重塔の最寄り駅であり、「まちの顔」です。全国では、こうした駅の状況がさらに利用客を減らすことにつながっています。県は毎年JR西日本広島支社に対し要望される中で「無人化やトイレの廃止等、管理方法の変更等を行う場合には、事前に地元市町と協議した上で、十分配慮した対応を図られるよう」要望されています。今回のJR西日本の山口駅の管理対応についてどう受け止めておられますか。県としてどのように対応されますか。

●京牟礼英二観光スポーツ文化部長

JR山口駅のサービス向上と周辺整備についてのお尋ねのうち、JR西日本の管理対応の受け止めと今後の対応についてです。
今回、事前に山口市にも十分な説明がないまま、山口駅の売店の閉店やコインロッカーの撤去等が行われたことについては、県としても、遺憾であると受け止めています。
県としては、地域に影響を及ぼす管理方法の変更等を行う場合は、事前に地元市町と協議した上で、十分配慮した対応を行うよう、引き続き、JRに対し、働きかけてまいります。

◎河合喜代議員

山口駅から市役所、パークロードにつながるアプローチの県道は、特に歩道の街路樹の根が伸びて凹凸がひどく、車椅子やベビーカーで通行しにくくなっています。バリアフリーのまちづくりからいっても改善が望まれますが、県の見解をお尋ねします。

●村岡嗣政知事

私からは、公共交通の充実に関して、JR山口駅からパークロードにつながる県道の整備についてお答えします。
JR山口駅からパークロードにつながる、県道山口秋穂線は、山口市の玄関口ともいえるメインストリートであり、子供や高齢者、障害のある方などの安全かつ円滑な移動の確保が重要であると考えています。
このため、県では、日々のパトロール等により、街路樹におうとつよる路面の凹凸などの状況を把握した上で、支障がある場合には、舗装の補修を行うなど、適切な維持管理に努めているところです。
また、山口市では、中心市街地の回遊性や魅力の向上を図るため、昨年度、「まちなかウォーカブル推進会議」を立ち上げ、当該道路の目指す方向性として「居心地が良く歩きやすい歩行者中心の山口駅通りの形成」を掲げています。
具体的には、歩道と車道の段差解消など、安全で安心して歩くことのできる歩行者通行環境の確保を検討されており、県は、この会議に参画し、先進的な取組事例などの情報提供や助言等を行っているところです。
県としては、こうした市の動向も踏まえ、道路利用者の安心・安全の確保はもとより、快適な道路空間を提供するため、引き続き、道路の適切な維持管理等に努めてまいります。

◎河合喜代議員《再質問》

新山口駅には立派なアクセス道路を作られたんですよね。この県庁の最寄り駅でもある山口駅と県庁を繋ぐ道です。やっぱりこの道路については、もっと力を入れるべきではありませんか。お尋ねします。

●片山克浩土木建築部長

公共交通の充実に関しまして、駅通りについてもっと力を入れるべき、との再質問です。
山口市において、「まちなかウオーカブル推進会議」が立ち上げられており、県もこの会議に参加しております。現在、この中で、歩道と車道の段差解消など、安全で安心して歩くことのできる歩行者通行環境の確保について検討されているところです。

◎河合喜代議員

「全国の道百選」に選ばれている県道パークロードは、四季を問わず全国・海外からも観光客が訪れますが、路肩に伸びた草がその景観を大きく損ない、県民としていかがなものかとの声が寄せられます。トイレを改修されたことですし、このパークロードの草刈りは最低年3回の予算を取ってください。見解をお尋ねします。

●片山克浩土木建築部長

パークロードの草刈りについてです。
県では、年1回の草刈りのほか、日々のパトロール等により道路状況を把握した上で、交通安全上、支障が生じるおそれの、ある箇所などの草刈りを行っているところです。
パークロードについては、こうした取組に加え、道の日の道路美化活動など、ボランティアによる道路清掃や草刈りを実施しているところです。
引き続き、限られた予算の中で、適切な道路の維持管理に努めていくこととしています。

JR湯田温泉駅のサービス向上と周辺整備について

◎河合喜代議員

2つは、JR湯田温泉駅のサービス向上と周辺整備についてです。
山口市の観光名所・湯田温泉の最寄り駅の湯田温泉駅は、市によって駐輪場やトイレが整備されましたが、ほぼ無人化され、やはり切符販売機で並ぶ状況が生まれています。駅に降り立った観光客が向かう温泉街までの道は凸凹な上、わかりにくく、日の短い冬は暗くて観光客を出迎える風景ではありません。駅員の配置とロッカーの設置をJR西日本に要望し、温泉街までのアクセス道路の整備にも市と協力して取り組んで頂きたいのですが、伺います。

●京牟礼英二観光スポーツ文化部長

次に、JR湯田温泉駅のサービス向上と周辺整備についてのお尋ねのうち、駅員の配置とロッカーの設置に関するJR西日本への要望についてです。
県では、これまでも、駅のサービス向上等については、地域の実情を把握している市町の意見をとりまとめて、JRに対し要望を行ってきたところであり、引き続き、市町と連携して、駅の利便性の向上を働きかけてまいります。

●片山克浩土木建築部長

JR湯田温泉駅から温泉街へのアクセス道路となる県道湯田停車場線については、観光客を含む利用者の安全な通行に大きな支障がないことから、道路管理者としては、現時点、整備を行う考えはありません。

◎河合喜代議員《再質問》

公共交通、一言、言わせていただきますけれども、JRについては、もう国鉄民営化の時に、不採算路線は採算路線でカバーするっていう約束があったわけですよ。赤字だから、赤字だからと言って切り捨てていく。このことが地方をますます疲弊させているわけです。この約束を守れということを、ちゃんと言うべきです。この衰退に歯止めをかけなければ、もうますますこの公共交通の後退と地域の衰退は一体となって進むことになります。どこかで歯止めをかけなければなりません。それが今だと思います。県は強くJRに対して、復活せよと市と一緒に求めていただきたい。

●京牟礼英二観光スポーツ文化部長

公共交通の充実についての再質問にお答えします。
地方の衰退に歯止めをかけるため、市と一緒になって再設置を求めていただきたいとのお尋ねでした。
県では駅のサービス向上等については、地域の実情を把握している市町と連携し、市町の意見をとりまとめて、JRに対し要望を行っているところです。
引き続き市町と連携しながら、JRに対し働きかけてまいります。

ジェンダー平等の実現について

◎河合喜代議員

質問の第5は、ジェンダー平等の実現についてです。
日本は1985年に女性差別撤廃条約を批准しました。2021年現在、189カ国が批准していますが、同条約の選択議定書の締約国は114カ国です。本体の条約の実効性を強化する付属条約が選択議定書です。それだけに、「条約を批准しながら選択議定書を批准しないというのは、法律は作るが遵守しないと宣言しているようなものだ」と早稲田大学名誉教授の朝倉むつ子さんは言っています。残念なことに日本はこの選択議定書を批准していません。OECD加盟38カ国中30カ国が批准しています。ジェンダー平等度125位の日本の現状を変えるには、この選択議定書の批准が不可欠と考えます。
批准すると日本はどう変わるでしょうか。選択議定書には「個人通報制度」「調査制度」があり、個人通報制度は、締約国の管轄下の個人や集団が条約に定める権利を侵害された場合に女性差別撤廃委員会に通報できる仕組みです。選択議定書が批准されれば、女性差別撤廃条約上の権利を侵害された個人が最高裁でも救済されなかったとき、女性差別撤廃委員会に通報できるという道が開かれます。
一方、選択議定書批准によって、国内の判決は女性差別撤廃委員会の審査を受ける可能性が生まれるため、国内の裁判に人権の国際基準が反映されることになるという大きな意義があります。
なぜ今回、この問題を取り上げたのかというと、今、全国の地方議会でこの女性差別撤廃条約の選択議定書の批准を求める請願が出され、徐々に広がってきているからです。2023年9月時点で10府県7政令指定都市を含む204自治体で採択されています。改めて、この女性差別撤廃条約の選択議定書の批准の意義について、知事はどのようにお考えか見解をお尋ねします。

●藤田昭弘環境生活部長

ジェンダー平等の実現についてのお尋ねにお答えします。
県としては、全ての人が性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮するためには、ジェンダー平等の実現が重要であると認識していますが、お示しの条約の選択議定書の批准については、国において検討されるべきものと考えています。

オスプレイの飛来について

◎河合喜代議員

質問の第6、その他の項目では、米軍岩国基地へのオスプレイの飛来についてお尋ねします。
昨日6日11時前、米軍普天間基地所属のオスプレイ4機が岩国基地に飛来し、零時前に南方に飛び去りました。
オスプレイは11月29日、岩国基地を離陸後に鹿児島県屋久島沖に墜落したばかりです。これを受け日本政府は「飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう」米側に要請しました。墜落した事故機の乗員の捜索が続き、事故原因など不明なまま、岩国基地に飛来したことは県民の安全を脅かす行為であり、決して看過できません。政府及び米軍に対し、厳しく抗議すべきですが、伺います。

●近藤和彦総務部理事

米軍岩国基地へのオスプレイの飛来についての2点のお尋ねにお答えします。
まず、12月6日に岩国基地への飛来が確認された4機についてです。
県では、オスプレイ4機が、昨日午前11時15分頃に岩国基地に飛来したとの情報提供を岩国市から受け、地元市町と連携し、この飛来の目的や所属、機体の安全性の確認等について、国に見解を照会しているところですが、現時点は回答を得られていない状況です。
県としては、引き続き、国に対し情報提供を求め、地元市町と連携しながら、適切に対応してまいります。
なお、11月29日のCV-2 2オスプレイの墜落事故については、明日、山口県基地関係県市町連絡協議会として、安全対策や情報提供等について国に対し、要請を行うことにしています。

◎河合喜代議員

報道によると岩国基地には飛来した4機以外に2機のオスプレイが駐機しています。事実なら看過できません。政府並びに米軍に対し、詳細な事由を問いただす必要があると考えますが、伺います。

●近藤和彦総務部理事

岩国基地に駐機している2機についてです。
国に照会したところ「現在、岩国飛行場には2機のCV-22が来ています。」との情報提供を受けたところです。
県では、この情報提供を受け、地元市町と連携し、岩国基地に駐機している経緯を含めた事実関係について、国に対し照会しているところであり、引き続き、国からの情報収集に努めてまいります。

◎河合喜代議員《再質問》

米軍は6日、全ての輸送機オスプレイの飛行停止を発表しました。遅きに失したとは言え、当然の対応と考えますが、伺います。
5日にも木佐木議員が触れましたが、昨年6月のオスプレイ墜落事故の調査報告書では、事故原因はソフトではなく、ノ、-ドだったことを明らかにしていました。オスプレイの中継基地とされている米軍基地を抱える県として、せめて防衛省を通じてでも、米軍に事故原因の詳細を問い合わせるなどをすべきだったと思いますが、伺います。
今回の墜落事故で、オスプレイが構造的な欠陥を抱えていることは明らかです。危険なオスプレイは一機たりとも山口県の上空を飛行してはならないと、毅然と政府と米軍に言うべきではありませんか、お尋ねします。

●近藤和彦総務部理事

オスプレイに関する3点の再質問にお答えします。
まず、米軍の飛行停止の発表についてです。オスプレイの飛行停止要請などを行われた政府の対応は適切であり、一方、米側はこの国の要請を受け止め、国と緊密に連携して対応されようとしている中での判断と考えております。
次に事故原因の問い合わせについてです。県としましては、事故が起こりました11月29日の夕方以降、事故原因を含めた事実関係の把握に向けて、地元市町と連携して国からの情報収集に努めてきたところであり、引き続き、さらなる情報収集に努めてまいります。
3点目ですけれども、危険なオスプレイは一機たりとも山口県の上空を飛行してはならないと言うべきではないか、というお尋ねでございます。
オスプレイの安全性については、専門的な知見を有する国の責任において確保されるべきであり、飛行中止を求める考えはありませんけれども、引き続き、飛行の運用実態を注視するとともに、国に対しては安全管理の徹底等を求めてまいります。

◎河合喜代議員《再々質問》

オスプレイです。これは防衛問題と思うから、専管事項となって思考が止まっているのではないかと思いますが、こんな恐ろしい物が頭の上を飛んでいると思うと、私達は本当に怖いです。日本国内には現時点で、米軍と自衛隊合わせて44機のオスプレイが配備されており、米国以外で最多です。オスプレイは開発段階の1990年以降で約20機が墜落し、死者は今回の事故を除いて累計で57人、戦闘ではなく全て事故死という異常事態です。事故原因が明らかにならないまま、これほどの事故を繰り返している
のが、オスプレイの特徴なのです。それが私たちの頭上を飛行しています。
私は、オスプレイは欠陥機と思います。しかし、今回の事故発生で日本政府は一度たりとも飛行停止に言及せず、松野官房長官も30日の記者会見で、国内に配備されたオスプレイについて捜索救助活動を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うようアメリカ側に要請したと言い、欠陥機の救助に欠陥機が当たるという常識では考えられないことを、この国の政府は許しています。このような政府の対応で、県民の命が守れるのでしょうか。少なくとも危険なオスプレイは日本では飛ばすべきではない、このことを基地を持つ渉外知事会で提案すべきではありませんか。知事の見解をお聞きします。

●近藤和彦総務部理事

政府はオスプレイの飛行停止要請などを行っておりまして、適切な対応を行われておると考えております。
また、渉外知事会での要望でございますけれども、今回のオスプレイの墜落事故に係る渉外知事会を通じた要望につきましては、 現在要請内容の検討中です。

(2023年12月7日)

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