ようやく、「デルタ株感染拡大防止集中対策」の強化へ_その2

②新型コロナ感染者の受入体制の強化

 山口県内でも、感染拡大の「第5波」が押し寄せ、7月下旬以降、感染者が急増しています。

 1週間当たりの新規感染者数の推移(右図)のうち、3週間での増加数は、4月初旬から5月末にかけての「第4波」では2.2倍でしたが、7月末からの「第5波」では6.2倍と大きく上回っています。

 また、年代別の患者数の推移では、6月までは30%前後を占めていた65歳以上は7月には6%、8月も9%と大幅に減少する一方、20~40歳代は、5月は40%、8月は53%と増加しています。

 とくに20歳代は5月の14%、8月23%と急増しています。

県内でも病床のひっ迫が現実に

 新規感染者の急増で、入院者数は321人となり、確保病床(533床)に対する使用率は60.2%と「ステージ4」に突入しました。そのうえ、「軽症・無症状」のうち34人が「入院調整中」となっています(㊦表)。

 また、宿泊療養者数も476人となり、確保した宿泊療養施設(483室)に対する使用率は98.5%とひっ迫。宿泊療養施設への「入所調整中」の80人を加えると100%を超える事態となっています(いずれも8月27日時点)。 

入院病床を「25」、宿泊療養施設を「100」確保し、受入体制を強化

 このため県は、緊急時に確保している入院病床100のうち、9月1日から25床の運用を開始。宿泊療養施設は新たに「県セミナーパーク」(山口市鋳銭司)の宿泊棟(100室)を加え、当面、9月1日から10月末までの期間、使うことを決めました。

予断を許さない状況。求められる「最悪の事態を想定した」備え

 県内の「モニタリング指標」(㊦表、8月27日時点)では、「確保病床使用率「に加え、「療養者数」、「直近1週間の新規感染者数」も「ステージ4」を超えています。

 現状の感染状況は「災害」です。県環境保健センターや保健所の人員増強はもとより、臨時の医療施設の開設や医師や看護師などの医療スタッフ、資器材の確保など「最悪の事態を想定した」備えが急がれます。

(2021年8月28日)

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